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少し歩いただけで疲れる、仕事を頑張るとなかなか疲れが抜けない…。それは加齢のせいでも鍛え方が足りないせいでもないのかも。もしかすると遺伝子による特性かもしれません。「世の中には疲れに強い人と弱い人がいるのです」と話すのは遺伝子カウンセラーの植前和之さん。じつは“ザ・タフネス”という人は日本人にはほとんどいないそうです。植前さんの著書『自分の遺伝子がわかる本』から、“すぐに疲れちゃう遺伝子”について見ていきましょう。
- 監修
- 植前 和之
「すぐに疲れちゃう遺伝子」をチェック
あなたがどんな「すぐに疲れちゃう遺伝子」をもっているかをチェックしてみましょう。
【Check list】
1 疲れたと感じることがほとんどない
2 睡眠時間は短くても平気である
3 疲れても少し休んだら回復する
4 運動しても血圧は上がりにくい
5 どちらかというとのんびり屋さんである
※5つとも当てはまる人はAタイプ、 1〜4つの人はBタイプ、 1つも当てはまらない人はCタイプです。
【結果は…】
・Aの人(9%)…タフネス遺伝子
動きながら疲労回復できるので疲れない。日本人には少ない。
・Bの人(77%)…疲れちゃう遺伝子
エネルギーを少しずつ使うが、徐々に疲れてくる。
Cの人(14%)…すぐに疲れちゃう遺伝子
エネルギーを一気に使うので、すぐに疲れてしまう。
(パーセンテージは日本人の何%が該当する遺伝子をもっているのか植前さんのデータに基づき、示したもの)
疲れやすい人は休息をとりながら
Aの「タフネス遺伝子」をもっている人は日本人では少数派。タフに見えてもそれは日本人同士の比較で、世界的に見ると疲れやすいのが日本人です。逆に南米やアフリカ人のほとんどはタフネス遺伝子で、その差はスポーツなどでも歴然。以下のような特性があります。
・疲れを感じることがほとんどない
・休みがなくても動き続けられる
・持久力がある
・ショートスリーパー(短時間睡眠でOK)
・運動しても血圧が上がらない
Bの「疲れちゃう遺伝子」は日本人に多いタイプ。以下のような特性があります。
・少しハードに動いただけで疲れを感じる
・しっかり休めば疲れが抜ける
・持久力はない
・運動しても血圧は上がらないほうである
・睡眠時間は6〜7時間必要
Cの「すぐに疲れちゃう遺伝子」は体内のエネルギーがすぐになくなってしまうタイプです。以下のような特性があります。
・すぐに疲れを感じる
・休んでもなかなか疲れが抜けない
・持久力がまったくない
・運動すると血圧がすぐに上がる
・睡眠時間は7時間以上必要
日本人の9割は疲れやすいといえます。日本人は休まず真面目に働くイメージがありますが、体質から考えると適度に休みを入れながらのほうが、パフォーマンスを発揮できるのです。
疲れを残さないために、日本人には「食事と睡眠、筋肉の維持が大切」と植前さん。
「疲れるというのは体からエネルギーがなくなるということですから、まずエネルギー源を食事からしっかりとっておくこと。太っていない人の食事制限は疲れやすくなるだけです。そして睡眠。日本人は6〜8時間の質のよい睡眠をとらなければ、疲れが抜けずにますますたまっていく一方です。また年齢相応の筋肉量かによっても疲れやすいかどうかは変わってきます。筋肉量が少なくなれば、それだけエネルギーを供給する能力が落ちるということです」
疲れがたまると何ひとつ、いいことがありません。休息をとることで心身をケアし、仕事や生活の質を高めましょう。
文/庄司真紀
参考書籍
『自分の遺伝子がわかる本』(アスコム )
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植前 和之
うえまえ かずゆき 1968年生まれ。中京大学体育学部にて運動生理学、栄養学、トレーニング論を学ぶ。卒業後、医療機関勤務を経て独立し、健康関連事業をスタート。日本人としてほぼ初となる遺伝子カウンセラーとして、3000人以上にカウンセリングを実施。現在は遺伝子・健康・栄養・生活習慣の指導の事業に注力しており、ダイエットや健康、子育てや健康学の講演活動を行っている。
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