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1日1分! 自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生考案の最新メソッド「長生き呼吸法」で心身を整えよう
新型コロナウイルス感染症の流行によって自分の呼吸の状態について気にかけることが増えました。また心配するあまり、呼吸が浅くなっている人も多いはず。「呼吸は自律神経を整えて心身を安定させる最良の方法です」と話すのは順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。じつは免疫力にも大きくかかわっているのが「呼吸」です。今回は、小林先生の新著『自律神経を整える「長生き呼吸法」』からご紹介していきます。
Contents 目次
自律神経と腸内環境を同時に整える「長生き呼吸法」
「長生き呼吸法」は小林先生が「急性咽頭蓋炎」を患い、呼吸ができないなど死を意識するほどの苦しさを味わったことを機に考案されました。
腸内環境を良好にする「腸活」と肺を鍛える「肺活」も同時に行うことができます。
1日1分、難しいことは何もありません。毎日実践してみましょう。
「長生き呼吸法」のやり方
まずは、基本の姿勢を覚えよう!
◎ 脚を肩幅に開く
◎ まっすぐに立つ
◎ 肩の力を抜く
◎ 両手はお腹の横に
両手はろっ骨の下をつかみます。「長生き呼吸法」は呼吸をするとき、同時に腸をマッサージします。自律神経と腸内環境をダブルで整えていきます。
6秒吐く
上体を前に倒しながら、ゆっくり、ゆっくり息を口から吐きましょう。息を吐き出しながら、両手を使い脇腹の肉をおへそにグーッと集めるイメージで、腸に刺激を与えます。上体は写真のように、無理のない範囲で倒してください。
3秒吸う
背中を反らしながら、ゆっくり息を鼻から吸いましょう。 息を吸い込みながら、腸に刺激を与えていた両手の力をゆるめていきます。上体は写真のように、無理のない範囲で反らしてください。
「長生き呼吸法」のスゴイ効果
自律神経のバランスが整う
「長生き呼吸法」をすると、横隔膜がよく動きます。横隔膜も自律神経によってコントロールされているため、「長生き呼吸法」をすれば自律神経のバランスを整えることができます。その結果、腸内環境や血流など健康に欠かせない機能が回復します。
免疫力がアップする
全身の免疫細胞の約70%は、じつは腸に集まっています。つまり感染症やウイルス性の疾患、アレルギー・花粉症をはじめとする免疫疾患は、腸内細菌のバランスが崩れていることが原因なのです。腸内環境を良好にすることは、免疫力アップに直結します。
メンタルトラブルを防ぐ
うつ病、睡眠障害、パニック障害などのメンタルトラブルは、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの不足が一因。そのセロトニンの90%は腸でつくられています。つまり、腸内環境を改善して、セロトニンの分泌量を増やせば心の病の予防・改善も期待できるのです。
生活習慣病が改善する
腸内環境が改善されて血液の質が上がり、血流がアップすると、高血圧・脂質異常症・糖尿病・動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞・不整脈などのリスクを回避できます。また免疫力がアップし、ホルモンバランスも整うため、がん発症のリスクも軽減することが期待できます。
「ポイントは、息を吸う時間よりも吐く時間を長くすること」と小林先生。吐く時間を長くすると、副交感神経の働きが高まり、自律神経のバランスを整えることができます。何かとストレスの多い時期だからこそ、自らの呼吸に意識を合わせ深めてみましょう。
文/庄司真紀
参考書籍
『自律神経を整える「長生き呼吸法」』(アスコム)