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子どものADHD(注意欠如多動性障害)。特に女の子は運動をすると予防できる!? 海外研究の結果は…

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スポーツ前に準備運動をする女性

体を動かす機会が増えている人もいれば、運動が健康によいとわかってはいても、学校時代から運動とは無縁だと億劫になる人もいるかもしれません。海外の研究によると、運動の効果は精神面でもよい効果があるようです。特に女の子にとって大切だとする結果が報告されました。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

注目される精神面の効果は?

落ち着きのない女の子と困った様子の母親

運動は子どもの心身の発達に大切。集中力、仲間との協力など、コミュケーションの訓練にもなってきます。さらに近年では、運動の効果は精神的な安定にもつながるのではないかと注目されており、子どもの行動に問題が出たり注意力が欠けたりしてしまう、「ADHD(注意欠如多動性障害)」と呼ばれる精神的な問題を防ぐのではと考えられるようになっているようです。

今回、カナダの研究グループが、運動がADHDを防いでくれるのかを調べて報告しています。子どもの発達についての追跡調査を分析して、男子、女子それぞれおよそ750人を対象に運動と落ち着きや集中力のなさなど、ADHDの兆候との関連があるのかを研究。6〜10歳の運動への取り組みが、12歳時点でのADHDにつながる特徴と関連するのかを調べました。

気づかれにくい女子のADHD

ランニングシューズのひもを結ぶ女性

ここから見えてきたのが、運動は精神面でプラスの効果がありそうだということです。6〜10歳の間に運動を続けていた女子は、ほとんど運動をしていなかった女子に比べて、12歳時点で行動面の発達がよくなっており、ADHDの兆候は少なくなっていました。意外に男子では女子と同じような関連性は見られませんでした。

研究グループによると、女の子はADHDの兆候が見逃されがちで、対処されないことが多く、運動の影響が現れやすい可能性があるようです。男子のほうが、保護者が早く気づきやすく、治療を受けさせたり、運動をさせたりしがちだといいます。子どもを対象とした研究ではありますが、運動をする効果として、精神面でのプラスについても知っておくとよいかもしれません。

<参考文献>

Girls benefit from doing sports
https://nouvelles.umontreal.ca/en/article/2020/09/29/girls-benefit-from-doing-sports/

Pagani LS, Harbec MJ, Fortin G, Barnett TA. Childhood exercise as medicine: Extracurricular sport diminishes subsequent ADHD symptoms. Prev Med. 2020 Sep 16:106256. doi: 10.1016/j.ypmed.2020.106256. Epub ahead of print. PMID: 33002520.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0091743520302802
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33002520/

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