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新型コロナウイルス感染症の収束が見えないなか、眠れない、疲れがとれない、食欲がないなどの症状を訴える人が増えています。こうした症状は、ストレスによる自律神経のバランスの乱れも原因のひとつです。『女性の自律神経の乱れは腸で整える』(PHP)等の著書をもつ小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子先生に、自律神経のバランスの乱れが引き起こす不調について伺いました。

監修
小林 暁子

自律神経は、体の働きを一定に保つ

天秤の画像

自律神経という言葉は知っているという人も多いことでしょう。でも、実際にどのような働きをしているのか、はっきりとわかっている人は少ないかもしれません。
「自律神経には、暑くなったり、寒くなったり、外部の環境が変化しても、体の働きを一定に保つ働きがあります。たとえば、呼吸、心拍、体温調節、消化吸収、排泄、代謝、免疫などをコントロールするのが自律神経です。自律神経がきちんと働くことで、私たちの体と脳は、外部環境が変化しても、その影響を大きく受けずに、正常に機能します。生命を維持するための重要な器官といえます」

その自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
「運動や仕事、勉強をするときなど、体を活動モードにするときには交感神経が働きます。血管が収縮して血圧が上がり、心拍数が増え、呼吸も増えます。一方、くつろぐときや眠るときなど、体をリラックスモードにするのが副交感神経です。血管が拡張して、血流がよくなり、心拍数が減って、呼吸がゆっくりになります」

自律神経は体のリズムをつくることにも関与しています。
「朝から日中は交感神経が優位になり、体は活動モードになります。午後になると副交感神経が上がり始めて、夕方には交感神経と逆転して、夜には副交感神経が優位になり、リラックスモードになって、睡眠へと導きます。明け方になると交感神経が優位になり、朝になると目が覚めます。交感神経と副交感神経は、1日のうちでバランスを取り合いながら、変動しているのです」

また、体のライフラインともいえる血流も、自律神経が支配しています。
「交感神経が優位になると血管が縮み、副交感神経が優位になると血管はゆるみます。自律神経のバランスがよければ、収縮と弛緩がリズミカルにくり返されることで、血流がよくなります。しかし、交感神経が過剰に優位になると、血管が収縮しすぎて血流が悪くなります。また、副交感神経が過剰に優位になっても、血管がゆるみすぎて、血流が滞ってしまいます。どちらが優位になりすぎても、血流が悪くなってしまうのです。健康に、より悪影響があるのは、交感神経が過剰に優位になったときです」

コロナ禍で交感神経が過剰に優位になっている

マスクをする女性の画像

最近は、交感神経優位社会といわれています。忙しすぎたり、ストレスを感じたりすることが多く、交感神経が高くなりやすいのです。コロナ禍の現在は、なおさらかもしれません。
「自律神経は外部環境の変化にはさほど影響は受けないものの、心の状態には大きく左右されます。不安や恐怖、怒りといったストレスを感じると、交感神経が優位になってしまいます。それに伴い、寝つきが悪くなったり、血管が収縮して血流が悪くなることで肩こり、頭痛などの不調が起きやすくなります。さらには、女性ホルモンの分泌にも自律神経が関わるため、交感神経が過剰に優位な状態が続くと、月経が不順になったり、止まってしまうこともあります。しかし、副交感神経のほうが高ければいいかというと、そうではありません。副交感神経が過剰に優位な状態が続いても、眠気やだるさが起こったりします。本来、交感神経も副交感神経も高い状態が、人間にとっては体も心もベストな状態といえます」

自律神経のバランスが乱れることは、免疫の低下も招きます。新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症を防ぐためにも、自律神経のバランスが整っていることは、とても大切なことといえます。しかし、自律神経の働きは年齢とともに下がり、女性の場合、40代になると、副交感神経のレベルが下がっていくとデータがあります。

そこで、自律神経のバランスを整えるために、注目されているのが腸活です。次回は、腸活で自律神経のバランスを整えるノウハウをお届けします。

取材・文/海老根 裕子

小林 暁子

小林 暁子

小林メディカルクリニック東京院長。医学博士。
順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学総合診療科を経て、便秘外来・内科・皮膚科・女性専門外来など、全身の不調に対応するクリニックを開業。人気の便秘外来では1万人以上の便秘患者の治療に携わっている。著書に『2週間で腸が若返る! 美腸ダイエット』(世界文化社)、『たった3日で自律神経が整う Dr.小林流 健美腸ファスティング』(主婦の友社)、『医者が教える最高の美肌術』(アスコム)など、多数。TV出演、講演などでも活躍中。

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