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ラベンダーの香りをかぐマスクの女性

新型コロナウイルス感染症の症状はまだわからない部分が多いとされますが、初期症状として味や匂いを感じづらくなる特有の変化が見られることが報告されていました。このたび海外の研究によると、この嗅覚の症状は、重症の人よりも軽症の人で多く、9割近くの人に見られることが明らかになりました。症状が長引く可能性もあるようです。


欧州の2500人以上のデータを分析

フルーツの香りをかぐマスクの女性

米国ジョンズホプキンス大学の集計によると、新型コロナウイルス感染症の患者はこの1月に世界で1億人を超えたそう。このコロナにはさまざまな症状がありますが、とても多いもののひとつが、味や匂いを感じづらくなる味覚障害と嗅覚障害です。軽症の患者では、嗅覚がまったくなくなる割合が70%に及ぶという研究結果も。

今回、フランスやベルギーなど欧州の研究グループは、症状のレベルと回復率も含めて嗅覚障害について検証しました。対象としたのは、2020年3月から6月の間にヨーロッパの病院18か所で診断された新型コロナウイルス感染症患者2500人以上。診断時と2か月後のデータから、世界保健機関(WHO)のCOVID-19重症度スコアを用いて「軽症」「中等症」「重症」に分け、味覚と嗅覚の障害について調べました。患者による報告のほかに、一部の患者(約10%)は、臭いを嗅ぎ分ける客観的な嗅覚検査を受けていました。

2か月後の回復率75〜85%と算定

嗅覚を失ったことも示すカードを持つ女性

この調査からわかったのは、中等症および重症の人に比べて軽症の人で嗅覚障害が多いことです。患者が報告した主観的な嗅覚障害は、軽症の人で約86%、中等症の人で4.5%、重症の人で約7%でした。また、嗅覚障害の持続期間は平均21.6日。ただし、4人に1人は2か月後も続いていました。

約230人が受けていた客観的な嗅覚検査では、味覚や嗅覚の障害が認められたのは軽症の人で約55%、中等症および重症の人で約37%でした。また、これらの患者のうち2か月後にも味覚や嗅覚の障害が続いていたのは約15%、6か月後で約5%でした。感染診断時の客観的な嗅覚検査結果がよくなかった人ほど、長く持続する確率が高い傾向が見られました。

「新型コロナウイルス感染症に伴う嗅覚障害は、軽症の人で多く見られ、主観的および客観的な嗅覚評価によると、2か月後には75〜85%の人で嗅覚が回復した」と研究グループ。そのうえで、さらに長期にわたる調査が必要と指摘しています。

<参考文献>

Study Reports Patient-Reported Loss of Smell in 86 Percent of Mild COVID-19 Cases
https://newsroom.wiley.com/press-releases/press-release-details/2021/Study-Reports-Patient-Reported-Loss-of-Smell-in-86-Percent-of-Mild-COVID-19-Cases/default.aspx

Lechien, JR, Chiesa‐Estomba, CM, Beckers, E, Mustin, V, Ducarme, M, Journe, F, Marchant, A, Jouffe, L, Barillari, MR, Cammaroto, G, Circiu, MP, Hans, S, Saussez, S (COVID‐19 Task Force of the Young‐Otolaryngologists of the International Federations of Oto‐rhino‐laryngological Societies (YO‐IFOS), Marseille, France; University of Mons (UMons), Mons, Belgium; Université Versailles Saint‐Quentin‐en‐Yvelines (Paris Saclay University), Paris, France; Université Libre de Bruxelles, Brussels, Belgium; Hospital Universitario Donostia, San Sebastian, Spain; Clinique de l’Europe, Brussels, Belgium; EpiCURA Hospital, Hornu; Université libre de Bruxelles, Brussels, Belgium; Bayesia, Changé, France; University of Naples SUN, Naples; and Forli Hospital, Forli, Italy). Prevalence and 6‐month recovery of olfactory dysfunction: a multicentre study of 1363 COVID‐19 patients (Brief Report). J Intern Med, 2021; https://doi.org/10.1111/joim.13209
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/joim.13209

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星 良孝 <ステラ・メディックス>

星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長/編集者 獣医師  専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修をサポートしている。代表取締役の星良孝は、東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。https://stellamedix.jp

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