爽快なのど越しが特徴の炭酸水ですが、飲用だけでなく、入浴や洗顔、調理に用いると、ちょっとした工夫で驚くべき炭酸パワーを発揮してくれます。たとえば炭酸浴は疲労回復や免疫アップにも役立つそう。今回は管理栄養士でスポーツ健康科学博士の新生暁子さんの『飲み方、使い方をちょっと変えるだけ 炭酸水 最強の活用法』から、自宅での炭酸浴の方法をご紹介しましょう。
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さまざまな効能がある炭酸泉
ストレス緩和やダイエット、美肌など、炭酸水を飲むことで得られるメリットは多いですが、あまり知られていないのが、入浴などで用いる方法。
「炭酸ガスを含んだ炭酸泉はドイツのバーデンバーデンなどが有名ですが、ヨーロッパでは高濃度の炭酸泉が多く湧き出していて、血圧を下げる“心臓の湯”と称され、古くから伝統的医療として親しまれてきました。 炭酸水に含まれる炭酸ガスが肌から体内に浸透し、毛細血管内に入り込むことで、毛細血管が広がり血流を活発にするため、日本でも循環器系疾患において動脈硬化や心臓病の治療やリハビリにも積極的に活用されています」(新生さん)
天然の炭酸泉は日本では少ないのですが、今は技術の進歩により人工の炭酸泉が可能に。どこに行けばあるかというと、スーパー銭湯や健康ランドなどです。
「医療施設では特定の病気の予防やリハビリにも用いられていますが、人工炭酸泉はスポーツ医学の分野でも高く評価されていて、疲労回復や健康促進の効果もあります。炭酸ガスが自律神経のバランスを調整し、血行をうながすことで免疫力が高まりますし、血行不良によって起きる冷えや肩こり、腰痛、関節痛、リウマチなどの痛みを和らげる効果があります。また運動で蓄積された乳酸やアンモニアなどの疲労物質をすみやかに取り除いてくれるので、体の疲れも取り去ってくれます」
自宅で炭酸浴を楽しむ方法
スーパー銭湯や健康ランドに行かなくても自宅で炭酸浴を楽しむことができます。それが炭酸水を使った方法です。
【自宅で炭酸浴を楽しむ方法】
① 1リットルほどのペットボトルの炭酸水を40°Cくらいの湯で温める。(500mlなら2
本)
② 温めた炭酸水をお風呂の湯に足す。
③ 市販の炭酸入浴剤を入れる。
「湯に入れるときのポイントは、炭酸水のペットボトルのキャップをしたまま40℃くらいの湯せんで温めること。炭酸浴で血行がよくなることで、お風呂から出ると体温が下がりやすくなりますので、それを補ってくれるのが保温効果の高い入浴剤なのです」
ちなみに、炭酸水はマシンを使って作ってもよいですし、「重曹+クエン酸」で作る方法もあります。重曹とクエン酸はスーパーやドラッグストア、インターネットなどで500円くらい(500g)で買え、重曹とクエン酸を1gずつコップに入れ、200mlの水を注いでかき混ぜるだけでできます。
デスクワークなどで肩こりが気になるときや「なんとなく疲れを感じる」というときにもオススメの炭酸浴。ぜひ、試してみはいかがでしょうか。
文/庄司真紀
参考書籍
『飲み方、使い方をちょっと変えるだけ 炭酸水 最強の活用法』(アスコム)