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マスクをしてせきをする女性

 冬になると流行する風邪やインフルエンザ。かからないために、しっかり予防したいものです。しかし、さまざまな予防法がある中で、「なんとなく」やっているけれど、じつは効果のほどがわからないこともあるのではないでしょうか。「本当に効果のある風邪・インフルエンザ対策」を医療法人社団鉄医会理事長・ナビタスクリニック立川の久住英二医師に伺いました。


マスク、うがいでは風邪、インフルエンザは防げない!?

マスクをしている女性

まず、風邪やインフルエンザには、どのような感染経路があるのか確認しておきましょう。感染経路は主に3つです。
●飛沫感染
感染者の咳やくしゃみで飛んだウイルスを含んだ飛沫を鼻や口から吸い込むことで感染する。
●接触感染
感染者のウイルスを含んだ鼻水やだ液などがついたドアノブ、つり革などをさわった手を介して口や鼻から感染する。
●空気感染
空気中に浮遊するウイルスを吸い込んで感染する。

予防対策は、これらの感染経路をどうブロックするかがカギです。一般的に広く知られる風邪、インフルエンザ対策は、その中でも、どのような効果を狙っているのでしょうか。予防対策の3原則といわれる「マスク、手洗い、うがい」からみていきましょう。

●マスクで予防できる?
→飛沫感染は予防できる。でも、空気中に浮遊するウイルスや菌はブロックできない
「マスクが防ぐのは飛沫感染です。“咳エチケット”として、風邪やインフルエンザに感染している人が、ほかの人に移さないようにするもの。装着したときにマスクと肌の間にはすき間ができてしまうため、空気中に浮遊するウイルスや菌をブロックするフィルターの役目は期待できません」(久住医師)

→呼吸器を冷気から守り、粘膜のブロック力低下を防ぐ
「のどや鼻といった呼吸器の粘膜は冷気にさらされると、ウイルスや細菌のブロック力が低下します。自分の吐く息で保温、加湿が期待できるので、呼吸器の粘膜を守り、鼻水や鼻づまりを防ぐ手段として、マスクは有効です」

●うがいはしたほうがいい?
→うがいにウイルスを洗い流す効果はなし
うがいには口の中を清潔にして、乾燥を防ぐ効果はありますが、口から侵入して粘膜に付着したウイルスを洗い流すことはできません。うがい薬を使用した場合も、あきらかな殺菌効果は認められていません。

石鹸で手を洗う

●手洗いでウイルスや菌を洗い流せる?
→接触感染対策に有効。石けんで皮脂と一緒にウイルスや菌を洗い流せる
「手についたウイルスや菌は、石けんで手洗いすると、皮脂と一緒に洗い流せます。ただ、皮脂が洗い流されると手荒れを起こすので、手洗いの後にハンドクリームでの保湿を忘れずに。手が荒れると、その傷ついた部分に菌が侵入・増殖して、感染症対策には逆効果になります。手洗いと保湿はセットで行います。ハンドクリームはつぼタイプの容器だと、指ですくうときに中身が汚れがちなので、プッシュ式がおすすめです」(久住医師)

●アルコール除菌はウイルスにも効く?
→インフルエンザには有効、ノロには効かない
「インフルエンザ対策には、アルコール除菌は手指やテーブルの消毒に有効です。ただし、手の皮脂が奪われてしまうため、手が荒れているときは控えたほうがいいかもしれません。一方、ノロウイルス対策にアルコール除菌の効果はありません。有効なのは、漂白剤などに含まれる次亜塩素酸ナトリウムですが、これで手洗いをするのはやりすぎ。石けんによる手洗いで十分です」(久住医師)

風邪を引いたときの“お風呂問題”も解決

お風呂に入る女性

病院で処方される抗生物質の服用や、予防ではないけれどお風呂には入ってもいいものか……など、迷うこともあります。その疑問にも久住医師が回答します。

●風邪やインフルエンザに抗生物質を服用してもいい?
→抗生物質はウイルスには効きません。服用はNG
「抗生物質が効くのは細菌による感染症で、ウイルスが原因の風邪やインフルエンザには効きません。抗生物質の濫用は耐性菌を増やし、耐性菌感染による死者を増やすことにつながるので、服用しないようにしましょう」(久住医師)

●風邪にはビタミンをとるといい?
→ビタミンには治療効果も予防効果もありません。
「ビタミン類は風邪の治療効果も予防効果もないことがわかっています。風邪の予防や治癒を促すには、栄養バランスのとれた食事をとることが大切です」(久住医師)

●予防ではないけれど、風邪のときにお風呂には入ってもいいの?
→風邪を引いたときでも入っていい。ただし、悪寒がするのときはNG
「風邪のときでも、入浴することでさっぱりして気持ちがいいと思えるなら、入ってもかまいません。ただし、悪寒でゾクゾクするときは、体が温まるまで風呂に浸かっていることは体を疲れさせます。そのときは入らないほうがいいでしょう」(久住医師)
お風呂上がりには汗をよく拭きとり、体が冷えないようにすることも大切です。

取材・文/海老根祐子

久住 英二

久住 英二

療法人社団鉄医会理事長。ナビタスクリニック立川院長。
新潟大学医学部卒業。虎の門病院血液科を経て、2008年ナビタスクリニックを開設。患者の医療ニーズに応え、アクセスのよいエキナカで21時までの通常診療を提供。専門分野は内科、血液内科、旅行医学。

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