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長時間のPC作業は要注意! 医師が解説。眼や体、心に支障をきたすVDT症候群”とは?

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パソコンの前に眼鏡が置いてあるイメージ画像

最近では、新年の挨拶を年賀状ではなくメールやSNSなどを通じて行う人も多いのではないでしょうか。また、年末年始は家でごろごろテレビ…ではなく、スマートフォンをいじって過ごすという人のほうがもはや多いのかもしれません。
そこで今日は、現代人に増えている眼のトラブル“VDT症候群”や“IT眼症”、“テクノストレス眼症”について医師の丸田先生の教えてもらいましょう。

監修 : 丸田 佳奈 (産婦人科医)

日本大学医学部医学科卒業。都内の産婦人科クリニックで診療にあたり、女性特有の病気の悩みなどに精通している。また、タレントとしても活動。現役医師という立場を生かし、テレビ・雑誌を通して医療情報を提供している。『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』、『チャント!』などに出演中。著書に『キレイの秘密は女性ホルモン』(小学館)、『間違いだらけの産活』(学研パブリッシング)などがある。

Contents 目次

現代人に多い眼のトラブルにご用心!

スマートフォンを見ている女性の画像

毎日の生活に欠かすことができなくなったパソコン、スマートフォン。しかし、パソコンやスマートフォンの使い過ぎによる健康被害が問題になっています。

パソコンのディスプレイやスマートフォンなどの表示機器を長時間使用することは、体にさまざまな症状を起こすことがわかっています。これらの症状は、“VDT症候群”や“IT眼症”、“テクノストレス眼症”(これらすべて、パソコンなどのディスプレイを使った長時間の作業が原因で目や体や心に影響の出る病気)などと呼ばれます。

眼の疲れ、ドライアイ、見づらくなるなど眼の症状が出たり、長時間同じ姿勢で作業することにより肩こりや首こり、腰痛が出たりします。また、自律神経失調症、頭痛、吐き気などの症状が出る人もいます。体だけではなく、食欲低下、イライラ、不安感、抑うつ症状など、精神的な症状も起こり得ます。

症状を起こす原因となるのがディスプレイから出るブルーライトです。
ブルーライトによる健康被害で有名なのは、睡眠障害です。ブルーライトを浴びると体内時計に影響を及ぼすことが分かっており、これによって眠れなくなったり、睡眠の質が低下したりします。睡眠障害は、生活習慣病や肥満、うつ病、エイジング、美容に対してもリスクとなります。
ほかには、眼そのものにも悪影響を及ぼし、角膜や網膜を傷害する可能性も報告されています。また、子どもでは大人よりも傷害される可能性が高いと考えられています。

ブルーライトは、画面のある機器からたいてい放出されていますが、放出量はデバイスによって異なります。
以下は、ふだん使用する機器のブルーライトを放出する量が多い順です。

1.スマートフォン
2.ゲーム機器
3.パソコン
4.液晶テレビ
5.ブラウン管テレビ

スマートフォンというと若い世代の人が利用するイメージかもしれません。しかし、1日のスマートフォン平均使用時間でみると、18歳から34歳までと、50歳以上の差は10分未満であり、どの世代でも1日平均使用時間は3時間を越えるという報告があります。高齢者だからといって無関係ではなく、スマートフォンを持っている人であれば誰でも当てはまるのです。

ブルーライトによる健康被害対策3つ

眼鏡を外して眼を押さえている女性の画像

このような機器から出るブルーライトによる健康被害を予防するための対策は、主に3つに分けられます。

●対策1:環境を整える
室内と画面の明暗の差を少なくし、画面に入る太陽光は遮ります。ドライアイの予防に対して、加湿器の使用など室内の乾燥対策もしましょう。使用時には、ブルーライトを減らすフィルムやソフトウェア、カット眼鏡などを使用します。スマートフォンではNight Shiftモードにするとブルーライトが軽減します。

●対策2:作業時間の合間に小休憩を入れる
作業時間は厚生労働省のガイドラインでも定められており、「連続作業時間は1時間以内、間に10~15分の休止時間をとる。連続作業時間内にも1、2回の小休止をする」とされています。

●対策3:作業姿勢に気をつける
イスに深く腰をかけて、しっかりと背中を背もたれに当て、足裏全体が床に接した姿勢をとります。画面から目までは、40cm以上の視距離を確保します。ディスプレイは画面の上端が目の高さと同じかやや下になる高さに調整します。

今では生活必需品となったパソコンやスマートフォン。上手な使い方を工夫して、快適に利用しましょう。

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