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CATEGORY : ヘルスケア |花粉症

花粉が飛んでからでは遅い!? 花粉症を少しでもラクにするには治療は今が始めどき!

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鼻水がつらい女性

今年も、花粉症の季節がやってきました。くしゃみ、鼻水、目のかゆみなど、あのつらい症状がまた始まるのか思うと、憂うつですよね。でも、今年こそは、花粉シーズンをラクに乗り切ってみませんか。カギは、花粉の飛散前から治療を行う――初期療法です。今年の花粉飛散開始時期は、例年どおり2月11~13日と予想されています。今からでも、間に合います! 花粉症に詳しいながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック院長の永倉仁史先生に、花粉症の初期療法について伺いました。

監修 : 永倉 仁史

ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック院長。日本アレルギー学会認定「アレルギー専門医」。東京慈恵会医科大学卒業。同大学耳鼻咽喉科アレルギー外来、国立成育医療センターアレルギー研究部、東京厚生年金病院耳鼻咽喉科等を経て、平成18年より現職。花粉症の研究、最新の治療法の研究にも従事している。※ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニックでも、東京都の花粉情報を日々更新しています。https://nagakura-ac.com/

Contents 目次

花粉が飛ぶ前から始める初期療法で、症状が軽減

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉によって引き起こされるアレルギー症状のこと。人間の体には、体内に異物が侵入すると、それを攻撃してやっつける「免疫」という体を守る重要な仕組みがあります。ところが、本来、無害であるはずのものに対しても、免疫が作動してしまうことがあり、それがアレルギー反応です。花粉もそのひとつで、花粉症では、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、目のかゆみといった症状が起こります。

こうした症状が出始めてから、治療をスタートする人も多いかもしれませんが、「症状の軽減には、『初期療法』といって、花粉が飛び始める前の、症状のない段階で治療を始めるのが効果的です」と永倉先生は言います。
「初期療法は、花粉が飛び始めて症状が出る前から予防的に治療薬を服用する方法です。早めに薬を服用することで、体はアレルギー反応を起こしにくくなり、花粉が飛び始めても、症状を抑えることができます」

初期治療が効果的なのは、次のような理由からです。
「そもそもアレルギー疾患は、一度、アレルギー反応が起こると、さらに強いアレルギー反応が出て、症状が悪化するという悪循環に陥りがちです。花粉症の場合、一度、くしゃみ、鼻水といった症状が出てしまうと、鼻の粘膜が過敏になり、その後はほんの少しの花粉に触れただけで、それまで以上に強く症状が出てしまいます。そうなると、薬が効きにくくなり、強い薬に変えたり、量を増やさなければなりません。最初の段階で、症状を予防し、鼻粘膜が過敏になるのを抑えれば、シーズンを通して、症状を軽くすることができるのです」(永倉先生)。

初期療法の3つのメリット

外で鼻をかむ女性

初期療法のメリットは大きく3つあります。
1.発症を遅らせることができる
⇒花粉によるアレルギー反応が起こる前に治療薬を服用することで、発症が抑えられます。
2.症状が軽くなる
⇒シーズンの途中で、発症したとしても、症状は軽くすみます。
3.シーズン全体の薬の量を減らせる
⇒シーズンを通して症状が軽くなることで、服用する治療薬の量が少なくなります。

初期療法に使われる薬は、一般的な抗ヒスタミン薬で、『アレグラ』『アレジオン』などがあります。
「初期療法が始まった頃は、治療開始の目安は2週間前といわれていましたが、これらの薬は“第2世代抗ヒスタミン薬”と呼ばれ、効果が比較的早く出るため、1週間前からでも有効とされています」(永倉先生)。

以前の抗ヒスタミン薬よりも、眠くなりにくく、口も渇きにくいので、日常生活に影響が少ないのもうれしい点です。

最新花粉情報をチェック!

花粉が飛んでいる木

初期治療のスタートは、だいたいの花粉飛散開始日がわかっている場合、その1週間前から始めるのが目安です。
「これまでの経験から、東京都の場合、1月1日からの最高気温の積算が約400℃になる頃に、花粉が飛び始めています。それにより、今年の花粉飛散開始日は、例年どおり2月11~13日頃と予想できます」(永倉先生)。

まさに「今」が初期治療を始めるタイミングといえます。

実際の花粉飛散開始日は、スライドグラスに付着する花粉を顕微鏡で数える『ダーラム法』という観測法により、1c㎡あたりに1個以上のスギ花粉が連続観察された初日としています。
昨夏の猛暑の影響で、例年より花粉量は「多め」と予想されるとか。初期治療を行うなら、このタイミングを逃さずに。耳鼻咽喉科やアレルギー科などで相談しましょう。また、花粉情報を確認しながら、花粉用マスク、メガネで花粉に触れないようにすることも大切です。

取材・文/海老根祐子

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