ナッツは美容のためのおやつとしてますます注目されるようになっています。食べ過ぎると、太るのではという心配を持つ人も多いようですが、最近では、その健康のメリットが次々とわかってきているのです。大きいのは病気になりにくくしてくれる効果。例えば、高血圧や糖尿病などを遠ざけてくれることがわかってきており、新たに研究も発表されているのです。
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クルミを食べると血糖値が下がる
ナッツを食べる効果は美容ばかりにとどまりません。体内で合成できないため必ず食べ物から取る必要がある必須の不飽和脂肪酸が豊富。この栄養素は血管の健康に効果があることがはっきりしてきています。このほかにもさまざまな病気を予防してくれることがわかってきているのです。
そのひとつが、日本国内でも1000万人がかかっているとされる糖尿病です。
最近、米国カリフォルニア大学の研究グループが、その実力を発表しました。米国の公的な調査である米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを使って、クルミと糖尿病の関連性を調べたのです。1999〜2014年の間のほぼ15年間もの膨大な情報です。クルミ、ナッツ類全般に注目して、それらを食べていると糖尿病にかかる可能性が低くなるのかを分析しました。
すると、クルミを食べていたグループは、ナッツを食べていなかったグループに比べて、糖尿病がほぼ半減するという結果が出ました。クルミを多く食べるほど、糖尿病が減るということも確認されたのです。その効果は女性のほうが現れやすいこともわかりました。
カシューナッツは血圧を下げる
一方で、最近、インドの研究グループが、カシューナッツと糖尿病との関係を発表しました。
300人のすでに糖尿病になっている男女が、ナッツを食べることでどういった効果を得られるのかを調べたのです。標準的な糖尿病向けの食事を食べるグループとカシューナッツ1日30 gを加えた食事を食べたグループを比べると、カシューナッツをとったグループにさまざまな健康面でのメリットが見られることがわかりました。
それらは血圧の低下のほか、善玉とされるHDLコレステロール値の増加でした。ただ、血糖値に効果があるかと思いきや、そこは見られませんでした。
ナッツを美容のためにとることで、もっと長期間にわたる健康面でのメリットが得られる可能性があるわけです。そうした病気の不安を軽くできるならうれしいことです。
<参考文献>
Arab L et al. Association between walnut consumption and diabetes risk in NHANES. Diabetes Metab Res Rev. 2018;34:e3031. doi: 10.1002/dmrr.3031. Epub 2018 Jul 11.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29927053
Mohan V et al. Cashew Nut Consumption Increases HDL Cholesterol and Reduces Systolic Blood Pressure in Asian Indians with Type 2 Diabetes: A 12-Week Randomized Controlled Trial. J Nutr. 2018;148:63-69. doi: 10.1093/jn/nxx001.