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CATEGORY : ヘルスケア |メンタル

都市部の緑でも効果あり!? 「自然の中に2時間」で健康・幸福感がアップ

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自然のパワーを体感する旅行者

自然の中で時間を過ごすと、気持ちがよいものです。そんな時間を週に2時間以上とると健康によい効果があるという研究がこのたび、報告されました。特別に運動に取り組んだり、食事に気を遣ったりするしないにかからわらず、健康への効果が自然と接するだけで得られるということで、ふだんの生活で意識しておくとよいかもしれません。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

英国の2万人近いデータを分析

恵みの雨を全身に受ける女性

公園や森、浜辺などの自然環境の中で時間を過ごすことが健康によいということは、これまでの研究でも示されているそう。今回、英国エクセター大学などの研究グループは、どれくらいの時間を自然の中で過ごすと、健康によい効果が現れるのかを分析。
自然環境と人々との関わりを調べた英国の大規模調査(MENEサーベイ)から得た2万人近くのデータをもとに、過去7日間にレクリエーションとして自然に触れた時間と、自己申告による健康と幸福感との間に関連があるかを調べました。

時間が細切れでもOK

草原で飛び跳ねる女性

研究グループが自然に触れた時間を60分ごとに区切って比較したところ、前の週に自然にまったく触れなかった人に比べて、健康状態がよい、または幸福感が強いと申告する確率が高くなったのは、その時間が120分以上だった人です。
たとえば、自然に触れた時間が120〜180分だった人は、良好な健康状態が59%、強い幸福感が23%高い結果になりました。この関連性は自然に触れた時間が200〜300分でピークに達し、それより長くなっても上がりませんでした。
男女差、年齢差のほか、病気の有無、人種・民族差、職業や富裕度による違いはありませんでした。1回に120分過ごす場合でも、数回の細切れで過ごしている場合でも合計が120分であれば変わらない効果となっていました。

「この調査では、過ごした“自然”の大半が自宅から約3 km以内のところでしたから、都市部の緑地を訪れるだけでもよい結果が得られそうです」と、研究グループは説明しています。
そして、自然の中で過ごすことには、生活環境を見直したり、友人や家族と楽しい時間を過ごしたり、ストレスが軽くなったりと、健康や幸福感を高める要素がたくさんあるよう。ふだんの生活で公園に意識的に足を向けるなどしてみてもよいかもしれません。

<参考文献>

Sci Rep. 2019 Jun 13;9(1):7730. doi: 10.1038/s41598-019-44097-3.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31197192

Two hours a week is key dose of nature for health and wellbeing
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/06/190613095227.htm

文/星良孝

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