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ホルモンに関係あり?ストレス太りのメカニズム


人間関係や仕事の重圧など、毎日の生活の中にはストレスのモトがいっぱい。
「適度なストレスは、かえって体調の維持にも必要なため、一概にストレスがすべて悪者というわけではありません。ただストレスが重なると、体にさまざまな不調を招くことも。ストレスによる食べ過ぎや食欲不振もそのひとつです」(かたやま内科クリニック院長・片山隆司先生)

 ストレス太りになりやすいのは、若い年代のほうが多いそう。
「中でも、男性は30歳以降、女性は25歳前後と、女性は男性より早い時期からストレス性の肥満になりやすい傾向にあります。この時期は女性にとって就職・結婚・出産と環境の変化が大きく、メンタル的にも変動が激しい時期。また女性は生理周期があるため、ホルモンバランスの関係で精神的に不安定になりやすく、ストレスを感じやすいのです。ストレス過多の現代社会では、ストレスとうまくつき合うことが、ダイエット成功のカギといえます」(片山先生)

ストレスを感じると、それに対抗するために初めは交感神経が活性化して、食欲を増進させるカテコールアミンという副腎皮質ホルモンが分泌されます。しかし、代謝も高まることが多いため、初期段階のストレスは太りにくい時期といえます」(片山先生)

 ストレス太りになりやすいのは、ストレスが慢性化した第2段階。
「ストレスに対する抵抗力が上がり、副交感神経が優位になるため、体はためこみモードへチェンジ。過剰に分泌された副腎皮質ホルモンの影響で食べ過ぎてしまうと、体脂肪としてどんどん蓄積されてしまいます。さらにストレスが過度になる第3段階では、体に破綻を来たすことも多々。ストレス太りを防いで健康的にやせるには、ストレスのサインを早めにキャッチすることが重要なのです」

ストレスの3つの期間【1】警告期

<やせやすい>
交感神経が活性化して、食欲を増す働きのあるカテコールアミンやノルアドレナリンなどが分泌。しかし、ストレスにより胃酸の分泌が悪化しているため食欲が出にくく、また代謝も上がるため、食べても太りにくい状態。

ストレスの3つの期間【2】抵抗期

<太りやすい>
ストレスに対して体の抵抗力を上げるべく、栄養を蓄えようと働く時期。副交感神経が高まり、胃酸の分泌が促されるため、食欲が増進します。また過剰に分泌されたカテコールアミンなどの影響もあり、過食に走りがち。

ストレスの3つの期間【3】破たん期

過度にストレスがかかり、体がストレスに対して適応できなくなった状態。ストレスが原因で体を壊したり、うつ状態に陥ったりなど、心身共に疲弊してしまいます。ひどくなると、命に係わるような病気を招くことも。

 ストレスがあるとつい食べ過ぎてしまうのはなぜでしょう?
「通常、空腹感というのは、食事をとってから時間が経過するのに伴い出てくるもの。血糖値やインスリン値が下がることで摂食中枢が刺激され、空腹感や食欲が出てくるのです。ところが、脳の前頭葉がストレスを感じると、視床下部に対しコルチゾールなどのストレスホルモンを分泌するよう指令を出します。このストレスホルモンこそが、ニセの空腹感をつくり出す元凶。ストレスに立ち向かうため、エネルギーを必要以上に補充しようと摂食中枢に働きかけ、食欲を暴走させてしまうのです。ふだんの何倍も食べてしまったり、近くにあるものについ手が出てしまうのは、ストレスホルモンが原因なのです」(片山先生)

ストレスによって生じるからだの不調

不安・イライラ
交感神経が高まるため、精神的に不安定になったり、イライラして怒りっぽくなりがちに。

不眠
交感神経が高い状態が続くと、副交感神経への切り替えがうまくいかず、睡眠障害を招きます。

過食
食欲を増進させるホルモンが分泌。ストレスに対抗する栄養補給のため食欲が暴走します。

便秘・下痢
神経細胞が多く集まる腸はストレスの影響を受けやすいため、便秘や下痢を起こしやすくなります。

胃炎
ストレスは胃酸の分泌に影響を及ぼすため、胃の粘膜があれて炎症を引き起こします。

冷え
交感神経が高まった興奮状態では、血管が収縮して血液循環が悪化。冷えにつながります。

かぜをひきやすくなる
ストレスがかかると体の抵抗力が落ち、免疫機能が低下。かぜをひきやすくなります。

月経不順
ストレスでホルモンバランスが乱れると、月経不順やPMSなど月経トラブルを招くことも。

 ストレスホルモンであるコルチゾールは、ストレスに対処するため必要なもの。でも、過剰に分泌されると、ダイエットに悪影響を及ぼします。
「コルチゾールは、食欲を抑える働きのある脳内ホルモンのセロトニンを低下させるため、食欲が増進。また、インスリンの働きを阻害して、インスリンの過剰分泌を招くため、脂肪が蓄積されやすくなります。さらに、コルチゾールそのものにも、脂肪の合成を促す働きがあるため、肥満を促進してしまうのです」(深川内科クリニック院長・深川光司先生)

 脂肪の蓄積を促すだけでなく、脂肪燃焼を妨げる要因にも。
「過剰に分泌されたコルチゾールは、筋肉づくりや脂肪分解に関わる成長ホルモンの分泌を抑制するため、脂肪が燃えにくい体をつくります」(深川先生)

コルチゾールが及ぼす太る原因

セロトニンを低下させ食欲を増進
「コルチゾールは脳内ホルモンのセロトニンを減少させてしまうため、ストレスが続くとセロトニンが不足した状態に陥ります。セロトニンは食欲を抑える働きがあるため、セロトニン不足は食欲の暴走を招くことに」(深川先生)

インスリンの過剰分泌を招き脂肪を蓄積
「インスリンの働きを低下させるため、食後に上がった血糖値を下げるのに、通常より多くのインスリンが分泌。インスリンは脂肪の蓄積に働くため、過剰分泌により、食べたものが体脂肪として蓄えられやすくなります」

成長ホルモンの分泌を抑えて代謝ダウン
「成長ホルモンには、筋肉を発達させたり、運動によって損傷した筋肉を補修したりする働きが。しかし、コルチゾールは成長ホルモンの分泌を抑制するため、筋肉づくりに悪影響を及ぼします。代謝も悪くなり、脂肪が燃えにくい体に」

 ストレスによるセロトニン不足は、食欲暴走のほかにもダイエットにさまざまな支障をきたします。
「セロトニンは食欲を抑えるだけでなく、不安感や恐怖感など、神経の過敏な活動を抑える抑制系のホルモン。不足すると、気分が落ち込んだり、意欲がなくなったりなど、ダイエットのモチベーション低下にもつながります。悪化するとうつ状態を引き起こすこともあり、ストレスへの抵抗力をますます弱めてしまうことに。また、セロトニンは睡眠に必要なメラトニンに変化するため、セロトニン不足は睡眠障害を招きます。最近の研究では、不眠は肥満になりやすいことが報告されていますが、セロトニン不足で不眠と食欲増進が重なれば、過食に走ってしまうのもやむをえないと考えられています」(深川先生)

監修/片山隆司、深川光司、取材・文/宝田明子

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  1. コルチゾール
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