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もっと、ずっと、ヘルシーな私

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49歳・バツイチ・専門商社勤務。知り合いがいない東京でのひとり暮らし。苦しいだけの仕事で、いま無性に寂しいです~私、ひとりでいてもイイですか?(17)~ コロナと会社のストレスで6キロも太ってしまったと嘆く松田さん。最近、フィットネスジムに通い始めたそうです。(本人提供)

本企画は、ひとりでいるのが好きな人も、ひとりでいるのが寂しいと感じる人も、“おひとりさま生活”について思いのたけを語るインタビュー連載。インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さんです。
今回登場するのは、専門商社で営業事務をしている49歳・バツイチの女性。上司からのパワハラに遭い、20年勤めた地元の支社から東京営業所へ転勤。同じ年の恋人が地元にいるものの、このコロナ禍で会えなくなり、「無性に寂しい」と語ってくれた彼女の“おひとりさま”生活とは?


仕事も生活もうまくいかない苦しい時期。じっと耐えた先に咲く花もある

何をしてもうまくいかない時間が続くことがある。人生のスランプ、と言っていいかもしれない。原因はいろいろ考えられる。努力が空回りがちな年齢なのかもしれないし、環境が自分に合っていないのかもしれない。

僕の場合は30歳を過ぎてからの3年間ほどがつらかった。フリーライターとしての方向性を模索しようとしたら道に迷ってしまったのだ。あれこれこだわっていたら仕事が激減し、時間を持て余すようになった。やる気はあるのにやるべきことが見つからない。貯金はどんどん減っていく。退屈と焦り。借金をして離婚もした。苦しかった。

脱出のきっかけは、「オレには方向性なんて特にない。やりたいことすらない」という開き直りだった。仕事をもらえるだけありがたいと思い直してがむしゃらに働くことを再開したら、目の前にかかっていたモヤのようなものが薄れていく気がした。自分なんて大した存在ではないと割り切ったら、社会のニーズと自意識が再び一致し始めた。

寒い季節を経てこそ咲ける花がある。今回登場してくれる松田美和子さん(仮名、49歳)は苦悩の只中にあるようだが、なんとか乗り越えてほしい。

***松田美和子さん(仮名、49歳)の話***

上司からのパワハラ。年下の同僚からのモラハラ。朝、死にたくなる

専門商社で20年以上働いています。営業事務の仕事です。数年前までは地元にある地方支社で勤務していましたが、上司からのパワハラに遭ってしまいました。私だけに連絡事項を伝えなかったり、無視したかと思うと私のちょっとした言葉遣いを叱責してきたり。仕事にも支障をきたすようになり、人事部と社長にかけ合って東京の営業所に転勤させてもらうことにしました。

残念なことに、転勤先でもひと回り以上年下の男性からモラハラを受けています。私に舌打ちしたり、あからさまに溜息をついたりするのです。うちの会社は子どもっぽい人が多く、「あいつが嫌い」と誰かが言い出すとみんなで無視したりします。10名弱ほどのいまの職場には30代の強い女性がいて、私を攻撃する男性と結託。彼女のせいでもうひとりいた女性社員が辞めてしまい、その分の仕事まで私が負わなければならなくなりました。

初めての東京生活では美術館巡りを楽しみにしていたし、地元にいる姉とは「おいしいものを食べに行こうね」と話していたんです。でも、それもコロナで無理になってしまい、半年ほど前から体調不良が続いています。お腹が痛くて内科に行っても悪いところが見つからず、心療内科を勧められました。

生活費を得なければならないので休職はしていません。うちの会社はテレワークもありません。朝起きると死にたくなってしまいます。
気分がすごく落ちるときがある、夜中に目が覚めてしまって睡眠不足になる、1日中体がだるい。これは更年期障害の症状でもあるようです。婦人科でいい薬をもらったので、いまは多少抑えられています。

私の愚痴を聞いてくれた優しい彼。結婚したら悪い面ばかり見えてきた

地元でいまの会社に転職した頃、取引先との親睦会で、中学時代の先輩で面識のあった前の夫と再会しました。私の会社にとっては仕入先にあたる大手メーカーの社員をしています。それからときどき飲みに行くようになって付き合い始め、半年後には私のほうからプロポーズしました。私の愚痴をよく聞いてくれる優しい人だったからです。同じ業界なので大変さも共有できました。

20代半ばを過ぎ、同級生が次々に結婚していたから焦っていたのもあります。彼の返事は「別にいいけど」でした。いま考えると、この返事からしてマズいと気づくべきでしたね(笑)。
同じ業界なので話はわかるけれど、忙しい時期が重なるとお互いにカリカリしてしまいます。彼は家事が全くできない人で、私が夜遅くに帰宅しても洗濯物もとり込んでいないし、食事すら自分で済ませていないのです。コンビニでもいいから何か買えばいいのに…。「お湯は沸かしておいたよ」なんて言われて、帰宅しても体が休まりませんでした。

結婚してからは彼のお金遣いの荒さも知りました。独身時代の借金が100万円もあったんです。年収は悪くなくてもパチンコやお酒、車に使ってしまったら生活は成り立ちません。

あるとき、彼の携帯を偶然に見てしまい、別れたはずの彼女と連絡をとっていたことがわかりました。その女性は10歳年上の既婚者で、彼は私と出会う前の3年以上も不倫関係にあったのです。彼女が離婚できないから泣く泣く別れて私と結婚したのですが、まだ続いていたことを知りました。そういえば、車の中にもメッセージカードや女物のハンカチが落ちていたことがあります。

結局、その彼女が旦那さんと別れたことを機に、私たちも別居して離婚することになりました。私が32歳のときです。彼らがどうなったのかは知りません。

「無理をしないでこっちに帰ってくればいい」。第二の母のような姉が私の帰る場所

離婚してからは地元でずっとひとり暮らしをしていました。大好きだった父からは「家に戻って来なさい」と言ってもらいましたが、30歳を過ぎてまで完璧主義の母に干渉されながら暮らしたくありません。ひとり暮らしはとても気楽です。

私にとっては太陽のような存在だった父は10年前に心臓の病気で急逝しました。苦しまずに逝ったのですが、私は「さよなら」も「ありがとう」も言えなかったな…。私のすべてを受け止めてくれる楽しい人でした。子どもの頃は父と結婚できると信じていたんです。いわゆるファザコンですね。いま、とても会いたいです。

母は認知症が進んで介護施設にいます。それでも怖い性格が直らず、お見舞いに行くと「髪がボサボサ! そんな服しか持っていないの!」なんて言われてしまいます。子どもの頃、テストで80点をとっても「どうしてあと20点をとれなかったの」と褒めてくれませんでした。そういう人なんです。

地元でシングルマザーをしている5歳上の姉には3人の子どもがいて、長女はお嫁に行きました。いまは長男と次女との3人暮らし。私にとっては第二の母親のような存在で、東京での仕事は苦しいだけだと伝えたら、「無理をしないでこっちに帰ってくればいい」と言ってくれました。もちろん自分の食い扶持は自分で稼がなければなりませんが、帰る場所があるのはありがたいです。実家はもうありませんから。老後は姉と2人で暮らそうかと思っています。

ゴルフを通じて知り合った寛大で前向きな彼。結婚の可能性は「悪いけれど全然ない」

まだ地元でひとり暮らしをしていた頃、趣味のゴルフを通じて同い年の恋人ができました。私と同じくバツイチで、11歳の娘さんは前の奥さんと暮らしています。
私と会えるのは月2回、第二と第四の土曜日と決めて、どちらかの家で会っています。普段はひとり鍋などをしている私ですが、彼と一緒に食べるために作る料理は楽しいです。

彼はとにかく器が大きくて前向きな人です。ネガティブで卑屈で怒りの沸点が低い私とは対照的。私が「なんで靴下を脱ぎ散らかすの!」と突然キレても、「なんで急に怒るかなー」とのんびりしています。
姉と同じく、彼も私の体調を心配してくれています。欲張りな私は「もっと心配して!」と求めたくなりますね。結婚する気があるのかをチラッと聞いたこともありますが、「悪いけれどその気は全然ない」とのこと。私の存在を前の家族には話していないようです。娘さんから嫌われたくないのだと思います。

友だちからは、「結婚する気がない人と付き合っていても仕方ない」と言われたりしています。結婚相談所を紹介されたこともありますが、いまのところ気が向きません。知り合いのいない東京でのひとり暮らしは無性に寂しいのは事実です。コロナで地元にも帰れていません。でも、そういう気持ちで誰かと一緒に暮らしても、前の結婚と同じ結果に終わってしまいそうです。
一緒にいることが楽しくて、その相手を幸せにしてあげたい――。もしもそんな気分になれたら、また結婚してもいいなと思っています。

恋人との共通の趣味はゴルフ。「昨年は予定がすべて雨で流れてしまいました」(本人提供)

***大宮より松田さんへ***

つらい時期は大きな判断や行動をしない。判断力が鈍っているのでろくなことがありません

スランプに陥ったときの対処法を、尊敬する先輩ライターに聞いたことがあります。彼の答えは「何もするな。ジタバタしても無駄だから。おとなしく本でも読んでいれば、いつかスランプから抜ける」とのこと。30代前半だった僕はそれができず、焦ってあがいて恥をかき、お金も人間関係も失ったりしていました。

つらい時期は大きな判断をしないほうがいいのです。行動もしなくていい。判断力が鈍っているからです。ついでに言うなら運気も下がっているはず。スポーツジムで汗を流すぐらいならばいいのですが、高額のレッスンを受講するとか会社を辞めてインストラクターを目指すとかはやめましょう。いずれ後悔して余計に落ち込みます。

嵐をじっとやり過ごすためにはある程度のお金と時間が必要です。松田さんは会社を辞めることを考えているようですが、地元に帰って部屋を借りて転職活動をするだけでも大変ですよね。ここはあえてワガママになって、「私だけ本社勤務の完全テレワークにしてほしい」とダメ元で要求してみたらどうでしょうか。一度は異動をかなえてくれたのだから可能性はあります。20年以上も働いてきて社内業務のノウハウが蓄積している松田さんを手放すのは惜しい、と判断してくれるかもしれません。
転職活動をしながら会社と交渉すればいいのです。現状のすべてを否定せず、しぶとく静かに生き延びる道を考えましょう。

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大宮冬洋 (おおみや・とうよう)

大宮冬洋 (おおみや・とうよう)

フリーライター。恋愛・結婚に関するインタビュー記事を得意とし、最近は「お見合いおじさん活動」も勝手に遂行中。35歳以上で結婚した「晩婚さん」を160人以上取材した実績を持つ。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。近著に『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)がある。

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