FYTTEフィッテ

もっと、ずっと、ヘルシーな私

  1. Share

  2. お気に入り

    15

27歳・栄養士。彼氏が友人と浮気し、一時人間不信に…。今は東京生活を満喫していますが、将来のことを考えると不安。~私、ひとりでいてもイイですか?(24)~ 艶やかな黒髪と黒目が印象的な山本さん。大好きな旅先にて。(本人提供)

本企画は、ひとりでいるのが好きな人も、ひとりでいるのが寂しいと感じる人も、“おひとりさま生活”について思いのたけを語るインタビュー連載です。インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さん。
今回登場するのは、管理栄養士をしている27歳の独身女性。安定した職業に就き、一緒に遊ぶ友人たちも多く、趣味はゴルフ――という、一見充実した生活を送っている彼女ですが…。そんなアラサー女子のリアルに、大宮さんが迫ります。
※2020年11月下旬に取材したものです


学校勤務の栄養士として給食の献立に責任を持ちつつ、コロナ禍までは飲食店でアルバイトのかけもち

「高校3年生のときから4年間も付き合っていた彼と別れてから、7年間もまともに付き合った人はいませんでした。飲みも海外旅行もひとりでできるし、寂しさよりも誰かと一緒にいる煩わしさや窮屈さのほうが大きいかも。男性と2泊3日の旅行をしたとしますよね。自分をさらけ出せなければずっと気を遣って疲れちゃいます。その時点で『相性がよくない!』と思っていました」

北信越地方から大学進学と同時に上京したという栄養士の山本春香さん(仮名、27歳)と食事をしている。インタビュー取材だと伝えるとやや緊張した面持ちで言葉を選びながら話し始めた。本音を明かしたくないのではなく、ネタとして価値のある話を提供できるかを心配しているという。明るく元気に見える山本さんだが、実際はかなり気を遣うタイプのようだ。

学校勤務の栄養士として給食の献立に責任を持ちつつ、コロナ禍までは毎晩のように飲食店でアルバイトをしていた山本さん。副業で稼いだお金は旅行・ゴルフ・飲み代に使っているらしい。やはり豪快な女性なのだ。書かないでほしいと言われた部分は伏せつつ、東京でのひとり暮らしを謳歌している山本さんの話を以下に再現する。

***山本春香さん(仮名、27歳)の話***

大好きだった彼の浮気と別れ。家族との葛藤。人間不信で最も病んでいた時期でした

大学を卒業してしばらくは海外でフラフラしていました。4歳下の妹とは仲がいいので、東京でも海外でも一緒に暮らしていた時期があります。1歳上の兄は家族の誰とも不仲で、両親も仲よしとは言えません。子どもの頃から私が家族のつなぎ役を担わされている面があります。

1歳下の前彼とはライブハウスで出会いました。バンドマンです。母子家庭で学歴もない人です。でも、お母さんと妹との家庭には笑いが絶えず、口には出さなくてもライブなどをやり遂げる彼に憧れていました。すごく、好きでした。

私の父は地元で会社を経営しています。お金もステータスもそれなりにあるけれど、家には愛がありません。私はいろんなことに興味が散ってしまい、周りからの評価も気にしてしまいます。彼のように強くなりたいな、とずっと思っていました。

彼から結婚の話が出たのは21歳のときです。私は就職活動中で、もっといろんな経験をしたかったので、彼との結婚や子育てを考えられませんでした。彼に「音楽をやめて就職して」とは絶対言いたくなかったし…。「25歳のときに出会っていたらよかったのにね」と泣きました。

別れてからしばらくして、彼が私の女友だちとずっと浮気していたことを聞いたんです。しかも、周りの何人かはそのことを知っていました。失恋で辛かったのに人間不信になりましたね。今までの人生で最も病んだ時期です。だから、大学卒業後に海外に行ったのかもしれません。家族との関係にも疲れていました。

私に何ができるのか、何がやりたいのか。必死で考えて「何もない」ことがわかった

父は兄妹の中では私に期待しているようです。「どうせフラフラしているんだろう。1千万円やるから、何かやってみろ。会社は作ったから」と事業をゼロから任せてもらいそうになったことがあります。
あのときも眠れないほど悩みました。私に何ができるのか、何がやりたいのか。必死で考えても「何もない」ことがわかっただけでした。

高校生時代までは「女の幸せは結婚して子どもを持つこと」だと思っていました。大学で管理栄養士の資格を取得したのは、「専業主婦になってから働きに出るときに単なるパートでは割がよくないから」という消極的な理由です。
地元では「大人は嫌々仕事をしている」と思っていました。高校を出て働き始めた友だちも「仕事、だりいな」と言っていましたから。
でも、東京に出てきてからは考えが変わりました。仕事を楽しんでいる大人と出会えたからです。生き生きと働いていて、お金も時間も自由に使えている人たち。「まずは自立してから結婚しよう」と思い直しました。

やりたいことが何もないからと、毎日が日曜日のような生活をしていたら心身が腐ってしまいます。思い悩んでいるぐらいならとりあえず栄養士をやろう、と思って2年前から働き始めました。昨年の春からは学校の献立を作る仕事にありつき、「超楽しい。自分に合っている!」と感じています。責任は重いけれどその分だけ自由に動けるし、土日は休みなのでゴルフに行けるからです。

5千円払って飲むよりも、飲み屋で働いてバイト代5千円もらうほうがいい

私はじっとしていられない性格です。考える時間があると、将来の不安などで気持ちが落ちていくからかもしれません。何がやりたいのかわからないので、体を動かしていろんな人と会っていたいと思います。

週3でゴルフのレッスンに通っていて、ラウンドにも出ています。ゴルフだけで月に8万円ぐらい使ったこともありました。誰かと飲むのも大好きで週5で飲んでいます。
16時には仕事が終わるので、銀座でレッスンを受けても会社勤めの友だちと合流するまでに時間が空いてしまいます。銀座や新橋の店で1、2時間ほどひとり飲みをするようになりました。私はおしゃべりが好きなので常連客と仲よくなり、おこがましいけれど「いま、この店を回しているのは私!」と思うこともあります。
あるとき気づいたんです。5千円払って飲むよりも、(飲み屋で常連にご馳走になりながら)アルバイト代を5千円もらうほうがいい、と。コロナ禍までは、知り合いの店で23時ごろまでバイトしてゴルフ代を賄っていました。

6年ぶりの彼氏は、私が伝えたくても伝えられないことを理解してくれる人

彼は私より5歳年上の会社員です。最初から「何かいいな。しっくりくる」と思っていて、翌日会ったときには私から「付き合いたい!」と言いました。拒まれはしないだろうとは感じていましたけど。
それまでの期間にも恋はしていました。傍から見るとカップルのように遊んでいた相手もいます。でも、「この先一緒にいたら結婚するかも」と思える人でないと彼氏にはしないと決めていました。

私は八方美人なところがあるので、ちょっと変わっているぐらい振り切っている人を追いかけたくなる習性があります。好きになっちゃいけない人を好きになっているドキドキ感を味わっていたんです。
今の彼は違います。一緒にいて気疲れしないし、私が伝えたくても伝えられないことも理解してくれていると感じるんです。この記事が公開される頃には別れているかもしれませんけど、少なくとも今は先を見られています。

週3でゴルフの練習をしている山本さん。「昨年の秋は毎週ラウンドをしていました」。(本人提供)

***大宮より山本さんへ***

「興味が散る」「八方美人」を大いに生かしましょう。その先に、周囲も自分も幸せにする自立があります

バンドマンの彼との苦しい別れ。まさに青春ですね。チェッカーズ(知っていますか? 昔、藤井フミヤがヴォーカルを務めていたバンドです)の『I Love you, SAYONARA 』を歌いたくなるようなストーリーでした。
地方と大都会との「働く姿勢」への比較も興味深く感じました。地域の中では充足せず、焦燥感と野心を抱えた人が都会に出ていくのです。特に東京はその集積地ですよね。でも、年齢を重ねていくとまた気持ちが変わっていくかもしれません。

僕の場合は35歳のときに再婚をして、東京から愛知県の小さな港町に居を移しました。夜は駅前でも真っ暗になるような町で、眠りが深くなった気がしています。仕事は前のめりで頑張っているつもりですが、「生活は普通でいいんだな。健康が一番」と思っているところです。

山本さんはすでに「好きなこと」をたくさん見つけていますね。栄養の専門家としてひとり屋台のように働ける職場は性に合っているようですし、会食やゴルフも素敵な趣味です。「興味が散る」「八方美人」であることをコンプレックスに思っているようですが、世の中には人付き合いが苦手な人も多くいるので、山本さんは自分の性質を大いに生かすべきなのです。その先に、周囲も自分も幸せにする自立があると思います。

大宮冬洋 (おおみや・とうよう)

大宮冬洋 (おおみや・とうよう)

フリーライター。恋愛・結婚に関するインタビュー記事を得意とし、最近は「お見合いおじさん活動」も勝手に遂行中。35歳以上で結婚した「晩婚さん」を160人以上取材した実績を持つ。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。近著に『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)がある。

//
この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Share

  1. Share

  2. お気に入り

    15

関連記事

  1. Lifestyle43歳・独身、妹と2人暮らしを始めて20年。結婚してこの家を出ていくイメージができません。~私、ひとりでいてもイイですか?(41)~

    43歳・独身、妹と2人暮らしを始めて20年。結婚してこの家を出ていくイメージができません。~私、ひとりでいてもイイですか?(41)~

    10
  2. Lifestyle37歳・独身。すぐに理詰めで話してしまう私…。交際相手から怖がられがちだから結婚できない?~私、ひとりでいてもイイですか?(39)~

    37歳・独身。すぐに理詰めで話してしまう私…。交際相手から怖がられがちだから結婚できない?~私、ひとりでいてもイイですか?(39)~

    14
  3. Lifestyle45歳・バツイチ。20歳下の彼との別れ。あんなに引きずったのは「若さへの執着」だったとようやく気づきました~私、ひとりでいてもイイですか?(40)~

    45歳・バツイチ。20歳下の彼との別れ。あんなに引きずったのは「若さへの執着」だったとようやく気づきました~私、ひとりでいてもイイですか?(40)~

    12
  4. Lifestyle37歳・MR・年収800万円。没頭できる趣味もあり、人間関係も良好…だけど、コロナ禍で精神的にまいってしまって…。~私、ひとりでいてもイイですか?(38)~

    37歳・MR・年収800万円。没頭できる趣味もあり、人間関係も良好…だけど、コロナ禍で精神的にまいってしまって…。~私、ひとりでいてもイイですか?(38)~

    10

あわせて読みたい

Pickup