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37歳・独身。すぐに理詰めで話してしまう私…。交際相手から怖がられがちだから結婚できない?~私、ひとりでいてもイイですか?(39)~

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37歳・独身。すぐに理詰めで話してしまう私…。交際相手から怖がられがちだから結婚できない?~私、ひとりでいてもイイですか?(39)~

本企画は、ひとりでいるのが好きな人も、ひとりでいるのが寂しいと感じる人も、“おひとりさま生活”について思いのたけを語るインタビュー連載です。インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さん。
今回登場するのは、学生時代にほぼ婚約状態だった2歳年下の彼と別れ、「結婚して子どもを2人持つという私のライフプランは20代半ばで崩れました」と話す37歳・独身の女性。地元を離れて上京し、上場企業に転職、仕事は充実。ただ、最近結婚を前提に交際し始めた彼が煮えきらないようで…。

Writer : 大宮冬洋 (おおみや・とうよう) (フリーライター)

フリーライター。恋愛・結婚に関するインタビュー記事を得意とし、最近は「お見合いおじさん活動」も勝手に遂行中。35歳以上で結婚した「晩婚さん」を160人以上取材した実績を持つ。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。近著に『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)がある。

Contents 目次

「写真は足もとならOK」という条件つきで快諾してくれた女性の告白

「子どもが欲しいので結婚しなきゃいけないかな、と思っています。今の日本の制度では未婚の母はいろいろ不都合なので、結婚したほうがいいからです。フランスのように法律婚が必要なければいいのですけど」

Zoom画面越しでもマスク姿でインタビュー取材に応じてくれるのは人材系企業で正社員として働く岡田明子さん(仮名、37歳)。外部との折衝が多い業務なので、打ち合わせと称すれば平日でも会議室で対応できるらしい。
岡田さんは見るからにやる気にあふれ、自分の意見をきっちり述べる女性だ。僕は「率直で話しやすい」と感じるが、人によっては「きつすぎる」と敬遠するかもしれない。今回の取材も「写真は足もとならOK」という条件つきで快諾してくれた。

関西出身の岡田さんの強気を支えるのは、現在の仕事と生活を苦労してつかみ取ったという自信だと思う。子どもは持ちたいけれど生活水準は下げたくないと強調する彼女の話を聞いてほしい。

***岡田明子さん(仮名、37歳)の話***

学生時代にほぼ婚約していた2歳年下の彼とのすれ違いと別れ

大人になったら結婚して子どもを産み育てるものだと当たり前のように思っていました。実際、大学生時代の彼氏と結婚するつもりだったんです。彼は私より2歳年下でしたが、お互いの親にも会っていて、私たちのタイミングがいいときに結婚すればいいと言ってもらっていました。

歯車がかみ合わなくなってきたのは彼が社会人になった直後です。1年目は誰しも混乱してツラいですよね。私自身が社会人3年目の小娘だったので、彼のことを「仕方ないよね」と受け止めてあげることができませんでした。

20代半ばと言えば結婚の第一次ピークです。そこで結婚して子どもを2人産むという私のライフプランは、彼と別れたことで大きく崩れ去ってしまいました。だから、「今後も結婚はしないかも。仕事を頑張ろう」と一念発起してフリーランスになったのです。ひとり暮らしもしていました。
あの頃は母も体調が悪く、長女の私が「結婚しない」宣言をしたことに心を痛めていたようです。それで実家の雰囲気も悪くなり、父と弟には申し訳ないことをしたと思っています。でも、当時の私は実家の心配をするよりも自分の生活と仕事をなんとかするのに精一杯でした。

奨学金やバイトなしで私立大学に通えてひとり暮らしもできる――それが私のノーマルです

再び彼氏ができたのは30歳のときです。私は年上男性に苦手意識があったのですが、地元の友だちの紹介で会った3歳年上の彼とは「案外大丈夫かも」と感じました。私を叱ったりはしない穏やかな人だったからです。

ちょうどフリーランスで働くことに体力的な限界を感じて、会社員に戻った頃でした。でも、再就職先が「どベンチャー」で、土日も休めずに終電にも間に合わないほど。彼氏は大企業の子会社の社員だったので、無茶な働き方ではありません。私がデートの時間に仕事で間に合わないことが多くなり、それには不満を感じていたようです。結婚したら専業主婦になってほしいと言われました。

その彼は子会社の社員なので親会社ほどは給与水準が高くありません。当時で年収500万円ぐらいだったでしょうか。子どもができたら教育はどうするという話になったとき、「大学に行きたければ行けばいい」という言い方をしていたので、私に専業主婦になってほしいと言いながら、人生設計をあまり具体的に考えてはいないのかな、と思ってしまって…。

私の両親は共働きの公務員です。持ち家があり、私と弟は奨学金なしで私立大学に通えて、ひとり暮らしもさせてもらっていました。父は「子どもが大学を卒業するまでは親の仕事だ」と言っていたので、それが私の中のノーマルになってしまったんです。とりわけ収入が多いわけではなく、家事もできずに専業主婦を求めるような人とは結婚できないと思って別れてしまいました。

転職して「世の中にはこんなにちゃんとしている会社もあるんだ」と知りました

上京したきっかけは転勤です。そのベンチャー企業が東京進出を計画して、私ともうひとりで拠点を立ち上げることになりました。当然、恋愛している暇はありません。必死で働いていたら過労で血尿が出てしまいました。それなのに社長から「お前は自己管理がなっていない」と言われたことがショックで転職することにしたのです。

今の会社で働き始めてからは、「世の中にはこんなにちゃんとした会社があるんだ」と驚くことばかりです。夏場は明るいうちに帰れることも多く、夕食を自宅で作って食べられる! 業務内容も以前に私がフリーランスでやっていたこととつながっていて、会社の将来性も含めてすごくやりがいを感じています。

リモートワークは週1回程度で、他の平日は出社しています。フレックスタイム制なのですが、朝は7時前には起きて8時から9時の間に出社するのが普通です。部下や同僚からあれこれ話しかけられない時間帯で集中してデスクワークをします。
昼は外に出て食べると決めています。ずっと同じ場所で仕事していてもアイディアがわいてこないからです。1時間でも外にいると気分転換にもなります。今日はラーメンを食べる予定です。もちろん、どんなお店でもひとりで入れます。

すぐに理詰めで話してしまう私。交際相手から怖がられがちだから結婚できない?

帰宅したら夕食を作ります。私は一度ハマると同じものばかり食べる傾向があり、最近はキムチと納豆と豆腐を混ぜたものが夕食です。夜に炭水化物はとりません。ダイエットの意味もありますが、翌日に体が重く感じるのを避けるためです。前の会社で体を壊しかけたこともあり、健康こそが働くうえでの最低限の資本だと感じるようになりました。

寝る前は録画したテレビ番組を観ていることが多いですね。最近だと『大豆田とわ子と三人の元夫』が面白かったです。毎回、ゲラゲラ笑って観ていました。ひと昔前の現実離れした設定のドラマとは違って、バツ3の独身女性が主人公で、雨戸がはずれて困っているなどのエピソードが私たちの日常生活に近いからでしょう。なぜこういうドラマが作られて視聴者の支持も集めているのかを考えたりすると、テレビから得られるものは多いと思っています。
土日はスポーツジムに行くことが多いですが、テレビを見たりマンガを読んだりもしています。コロナ前までは友人と飲み会やキャンプもしていました。私が誘われたのにいつの間にか幹事をやっていることが多かったです。

学生時代からの女友だちからは「明子は結婚するのは難しいかもね」なんて言われています。私はすぐに理詰めで話してしまうので、交際相手から怖がられがちなんです。解決のない話し合いなんてムダだと思っています。別に怒っているわけではないので、逃げたりごまかしたりせずにちゃんと話ができる人が好きです。

自分から言い出したはずの結婚を具体的に何も進められない彼にイライラ

2か月ほど前から、一応付き合っている人がいます。婚活アプリで出会った7歳下です。私は恋愛を楽しむつもりはないので、「1年以内に結婚を考えられない人とは付き合えない」とはっきり伝えてあります。彼も30歳という区切りで結婚をしたいようです。

仕事に精を出している私を「カッコいい」と言ってくれたことは心に響きました。嬉しかったです。でも、彼は自分から言い出したはずの結婚に関して具体的には何も進められていません。入籍日を決めたら、親への挨拶や引っ越しなどの段取りが決まりますよね。それは私がやるということで彼も同意したのですが、彼がやるべきことが何も進んでいません。

彼は大企業の正社員です。高給取りでもあるので仕事が忙しく、30歳の今がすごく楽しいのはわかります。料理も上手だし、充実している育休制度も取得すると言ってくれています。でも、目の前のことが進められずにすべて私任せ。結婚後もすべてのタスクを私が作って実行させなければならないのでしょうか。それは困ります。

最近は私がイライラすることが多く、彼は「ごめんなさい」と謝ってばかり。母からは「アンタみたいに完璧にいろいろできる人はいない。目をつむってあげなさい」と言われていますが、私は彼の母親ではありません。結婚生活のパートナーとしては不安があります。彼とは結婚する縁ではないのかもしれません。

朝食はオートミールにハマり中。「起床したらすぐにヨーグルトに浸して身支度し、少しふやけたぐらいの歯ごたえが私好みです」(本人提供)

***大宮より岡田さんへ***

ある意味では親を凌駕している。自分が与えられてきた生活基準などを気にしなくてもいい

自分の中では仕事が一番で、恋愛の優先順位は低いと断言する岡田さん。ようやく巡り合った天職のような仕事が面白くて仕方ないのだと思います。結婚よりも子どもが欲しいと言っていますが、本心では子どもを持つことの優先順位は低いのではないでしょうか?

岡田さん自身も明かしていますが、僕たちは自分が与えられてきたものを「当たり前」の水準だと思いがちです。家庭環境はその最たるものですよね。でも、よく考えると親と自分は違う人間ですし、生きている時代も異なります。

岡田さんのお父さんお母さんはフリーランサーとして働いたり、単身上京して過労で体調を崩したことはあるのでしょうか。きっとないですよね。岡田さんは体力気力も含めて「強い」と自他ともに認めています。ある意味ではとっくに親を凌駕(りょうが:勝っていること)しているのです。自分が与えられてきた生活基準などを気にしなくてもいいのではないでしょうか。

夢中になる対象があるのは素晴らしいことです。まさに生きがいですよね。子育てが本当にしたい人は、岡田さんが仕事に向けるのと同じぐらいの情熱をすでに家庭生活に傾けています。これからの岡田さんは、過去などにとらわれず、今の生活を堂々と慈しめばいいのです。自分に合ったパートナーはその先に見つかる気がします。

大宮冬洋さんによるインタビュー連載「私、ひとりでいてもイイですか?」は毎週日曜21時更新! 次回は8月15日(日)21時です。お楽しみに!

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