足の正しいサイズを測り「21.5のC」という驚異の数字を叩き出したライターI。とうとう足にフィットするヒールを履けた喜びもつかの間、「こんなに小さなサイズの靴、お店にあるのか…」という不安が…。そこで今回は合うサイズが見つからなくても、手持ちの靴を“ラクに歩ける靴”に調整する“技”をご紹介! “靴のコンサルタント”として人気のカリスマシューフィッター、西村克之さんにインソールの活用法を教えていただきました。
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大きい靴を調整するには「前ズレ防止のインソール」
足の幅や長さが大きな靴を調整するには、やや長めの「前ズレ防止用ジェルインソール」を使用します。痛みやタコの原因となる足の前すべりを防止するとともに、足指のつけ根と靴の隙間をカバーしてくれるのでフィット感が高まります。
<ポイント>
指先にインソールがかからないよう、指のつけ根の下に入れること。指先まで入れてしまうと、指の自由な動きを妨げたり、指が靴に当たったりするのでNG。
「靴と甲の隙間に指を入れて、指が1〜2本入る程度ならインソールで調整可能です。インソールの厚さにはバリエーションがあるので、指が2本入る場合は3㎜、指が1本入る場合は2㎜、指先が引っかかる程度なら1㎜と、隙間に合わせて選びます。インソールの位置によってもフィット感が変わるので、履いてみてゆるい場合は前に2〜3㎜、きつい場合はうしろに2〜3㎜ずらします。使用するインソールは、100円ショップのものでも十分対応可能です。ただサイドが直角のものは段差を感じやすいので、周囲をはさみで斜めにカットすると使いやすくなります」(西村さん)
疲れやすい、タコができやすい人は「土踏まずを支えるインソール」
足裏の筋肉が衰えて歩くと足の裏が疲れる人や、親指・薬指にタコができやすい人は、「涙型のインソール」を土踏まずの下に入れると、安定感が増して歩きやすくなります。
<涙型インソールの入れ方>
① 内くるぶしの斜め下の出っ張り(舟状骨)を押さえる。
② ①の状態のまま靴を履き、骨の位置の靴をつかむ。
③ ②の部分にインソールの厚いところがくるように入れる。
「土踏まずは、皆さんが思っているよりだいぶうしろにあり、舟状骨の直下が土踏まずの頂点に当たります。ここにインソールのいちばん分厚いところが当たるように入れるのがポイント。少しでもずれると骨に当たって痛くなるので気をつけましょう。涙型のインソールは100円ショップでも入手可能。値段が安いのでまずはお試しという方にもオススメです。
ただ土踏まずは本来、地面からの衝撃を和らげるバネのようなもの。インソールでカバーするとその働きができなくなってしまうので、パンプスの履き始めや、足トラブルの応急処置として一時的な使用にとどめたほうがよいでしょう」
足指のつけ根に隙間があってフィットしない場合は「短いインソール」
靴の長さも幅もぴったりだけど、足指のつけ根に隙間ができる場合は、その隙間を埋める「短いジェルインソール」を使用します。足指のつけ根が靴床にしっかりつくと、足と靴が一体化して非常に歩きやすい靴になります。
<ポイント>
履き口(靴に覆われたつま先部分)のラインより手前に入れて、親指の下の空間だけを埋めること。インソールが履き口にかかると、親指の上が痛くなるので注意。
「足の裏は、靴のなかに小さな砂つぶが入ってもわかるほどセンシティブ。インソールを入れるベストポジションも敏感に教えてくれます。インソールの位置に違和感がある場合は、2〜3㎜ずつ前後にずらしながら『あ、ここがいい』と感じる位置を探ってください。ぴったりフィットする靴を見つけるのは、なかなか難しいのですが、インソールを使った調整法を覚えると、合わない靴が一気に減ります。新しい靴を買いに行くときには、ぜひインソールやフットカバーを持参して、あなたの足にぴったりフィットする靴を見つけてくださいね」
イラスト/藤井昌子 取材・文/井上幸恵