疲れ顔や老け顔を印象づける、目の下のクマやたるみ。マスク着用がマナーとされる今は、目もとに視線が集まりやすく、クマやたるみがこれまで以上に悪目立ちしやすい存在といえます。そこで今回は、パーソナルフェイストレーナーの木村祐介さんに、目もとに明るさやハリを取り戻す方法を教えてもらいました。ぜひ、トライしてその変化を感じてみて!
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目の奥の筋肉のたるみが目もとのトラブルを引き起こす
目の下のクマやたるみの原因はさまざまですが、「眼球を動かす筋肉のたるみも大きな要因です」と木村さん。
「その理由を目の構造から説明しますね。
眼球の外側には、上直筋・下直筋・内直筋・外直筋・上斜筋・下斜筋という目を動かすための6つの筋肉があり、これらを総称して“外眼筋”と呼びます。このうち下斜筋以外は、眼球のうしろ側に位置する総腱輪(そうけんりん)と呼ばれるところにつながり、うしろから引っ張るように眼球を支えています。この状態が保たれていることで、黒目はまっすぐ正面を向くことができ、クマやたるみのない目もとをキープできます」
ところが、デスクワークなどで長時間、背中が丸まった前かがみの姿勢をとり続けていると、体の背面の筋膜がゆるみ、そこに続く顔の表情筋もゆるんでしまいます。すると、上まぶたが下がって、無意識に上目使いになりがち。
「黒目が上を向くときというのは、主に睡眠中など目を閉じているとき。つまり、外眼筋がオフモードになり、黒目を正面に向ける力が弱くなると、上目使いになりやすいのです。これを続けていると、外眼筋のたるみが進み、やがて重力に負けて眼球が下垂。その結果、目の下の脂肪が眼球の重さでつぶれ、静脈が透けて見えてクマを作ることに。さらに、皮膚がよれてたるみにつながる、と僕は考えます。なので、クマやたるみは老化現象というより、それらを招く姿勢を選択し続けた結果の現象といえます」
では、どうすれば、クマやたるみを予防・解消できるのでしょう?
「まずは姿勢を正し、顔を正しい位置で正面に向けること。そうすることで外眼筋が活性化し、眼球を安定した状態で保つことができますよ。これからその具体的な方法を伝授します!」
●目の下のクマ&たるみを消す方法
(1)つま先重心の姿勢をとり、胸を肩より前に出す。
(2)鏡を見て黒目の位置を固定。目線を鏡からそらさないまま、あごを下に下げ、目の下のクマやたるみの状態を確認。
(3)そこから黒目の位置を変えずに、少しずつあごを上げていき、クマやたるみが消える位置を探す。
「クマやたるみが消える位置こそ、顔の正面の正しい位置。アイクリームなどで目もとをケアするときも、この姿勢をキープしながら行いましょう。スキンケアの方法については次回、くわしく説明しますね」
呼吸をコントロールし、目の奥の筋肉を活性化!
さらに呼吸を意識することで、外眼筋が活性化します。
「先ほど説明した通り、目を動かす外眼筋は眼球のうしろの総腱輪につながり、外眼筋の腱は神経や血管と一緒に、目と鼻の奥にある蝶形骨(ちょうけいこつ)と呼ばれる骨を通り抜けて、後頭部へと辿りつきます。蝶形骨(ちょうけいこつ)には、呼吸に関わる筋膜が付着しています。つまり、外眼筋と呼吸は蝶形骨を介して関係があるということ。そのため、呼吸を意識することで、外眼筋を活性化させることができるのです。その呼吸法を紹介します」
●目の下のクマやたるみを防ぐ呼吸法
(1)前述の方法で、顔を正面に向ける。
(2)目の奥に空気をとりこむイメージで鼻から息を吸う。
「この呼吸を意識すると、眼球をうしろに引っ張る力が強まり、黒目でしっかり正面をとらえることができるため目もとにハリが出ます。また、目を大きく開けるようにもなり、目力もアップしますよ」
長時間、デスクワークや家事を行い、リフレッシュしたいときなどに行うと効果的。目が軽くなるのがわかります。ぜひ、試してみて!
次回は、木村流美顔メソッドによる、老け顔を加速させるNGスキンケアをご紹介します。
取材・文/野口美奈子