マスクを着ける生活が日常となった今、目もとの印象が美しさのカギに。まぶたがスッキリ上がり黒目が大きく見える目は、目力が強く感じられイキイキと見えます。そこで今回は、パーソナルフェイストレーナーの木村祐介さんが、マスク美人に欠かせない目力アップの方法を伝授。意識を少し変えるだけで、グッと魅力的な目の表情になること間違いなし!
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“目を開くとは目尻を開くこと”と心得る
「目を大きく開きたいのに『まぶたが開かない』とか『おでこにシワが寄る』という人が多くいます。なぜかというと、まぶたを開ける筋肉の使い方を間違えているからなんです」と木村さん。
目のまわりには、眼輪筋と呼ばれる筋肉が目もとをぐるりと囲むように存在しています。
「眼輪筋は、目を閉じるときに使われる筋肉で、目頭側を軸に、目尻側の筋肉を引き寄せるように動きます。目を強くギュッと閉じたときに、まぶたが内側に収縮して眉間にシワが寄るのは、この動きの現れ。また、目頭側に意識が向くと脳から『目を閉じろ!』という使令が出て、まぶたの動きは閉じる方向に。これに反して、目を大きく開こうとすると、まぶたが突っ張るため、おでこの筋肉を使って目を開けることになり、眉毛が釣り上がったり、おでこにシワが寄ってしまうのです」
つまり、目頭から目を大きく開くのは、目もとの筋肉の性質上NG。目を閉じる力が弱い目尻側を開く意識を持つと、まぶたの動きがスムーズになり、目を大きく開くことができるのです。
「そうすると、おでこにシワが寄ることがなく、眉毛の高さの左右差も解消しやすくなります。ただし、目頭側の筋肉が硬いと、目尻側の動きを邪魔します。目尻を開くイメージで目を開けてまぶたが開きにくい人には、これから紹介する目もとマッサージがおすすめです」
●目頭の筋肉をほぐす目もとマッサージ
(1)片手の親指の腹を、同じ側の眉頭と鼻のつけ根のカーブにあて、ななめ上方向に指圧する。
(2)親指で指圧する力に抗うように、上まぶたを5回ゆっくり閉じる。反対側も同様に。
目に疲れを感じたときなどにも、ぜひ試してみて! 上まぶたが軽くなるのが、わかるはず。
あごを奥に引くと目が大きく開き、印象的な目もとに
さらに、目力アップに効果的なのが「あごを引くこと」と木村さん。
「あごを引くというと、あごを下に下げる人がいますが、僕が考えるあごを引く動きは、下の奥歯を上の奥歯のうしろへ後退させることです。そうして、上の歯で下の歯を引っ張り上げるイメージで奥歯をかみ、首を伸ばすと口の中が縦に広がるのを感じます。この位置が下あごのニュートラルポジション。この状態をキープすることで顔が引き上がり、まぶたが開きやすくなって黒目が大きく見えます。
反対に、下の奥歯を上の奥歯よりも前に出してみてください。下あごをルーズにすると顔全体がたるみ、まぶたが下がりぎみになりませんか? この状態が長く続くと、あごが前に出過ぎないように奥歯で食いしばるクセがつき、エラが張ったり頭痛を招く原因にもなります」
なぜ、あごを引くと目が大きく開くのでしょう? そのヒミツは、口の中の筋肉にありました。
「口の中の筋肉は、内もも、骨盤底筋、内臓、呼吸膜、のどを通る『ディープライン』と呼ばれる、体の前面の筋膜グループとつながっています。そのため、下あごをうしろに引く動きをすると、ディープラインの筋膜にスイッチがオンになり、体幹が活性化。お腹に力が入り、胸の位置が高くなることで顔が引き上がり、まぶたも開きやすくなるのです」
マスク着用が日常の今は、マスクからあごやまぶたを離すイメージを持つのが目力UPのコツ。デスクワークや家事などで、長時間前かがみの姿勢をとり続けるときは、ぜひ試してみて!
●あごを引いて筋膜スイッチをオンにする筋膜トレーニング
(1)つま先重心の姿勢をとり、胸を肩より前に出し、黒目を正面に向ける。
(2)下の奥歯を上の奥歯のうしろへ引き、上の歯で下の歯を引っ張り上げるイメージで奥歯をかむ。
(3)そのまま「う」の口の形にしてキープ。
取材・文/野口美奈子