猛暑の夏。日焼けなど紫外線のダメージが危惧されますが、じつは意外に盲点なのが「頭皮」。頭皮もダメージを受けやすく、それが秋の抜け毛を加速させてしまうそう。そこで今回、夏に気をつけたい「頭皮ケア」のポイントについて、女性専門のクレアージュ東京 エイジングケアクリニックの院長、浜中聡子先生にお聞きしました。
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夏の頭皮ダメージによって秋の抜け毛が加速
9月~10月は1年で最も抜け毛の悩みが増えるシーズン。頭髪専門医の浜中先生のクリニックでも、毎年この時期になると抜け毛や薄毛の相談件数が急増するそう。
「毛髪のサイクルとして、一般的に秋口は抜け毛が多い時期なのですが、夏の頭皮へのダメージが蓄積することで、さらに抜け毛が増えてしまいます。秋に抜け毛が増えても冬にリカバリーできれば問題ないのですが、夏の頭皮ダメージが影響してなかなか回復しないことも。さらに、特に女性の場合、30代後半になると、女性ホルモンの分泌量の減少による細毛化なども重なってくるので、要注意です」(浜中先生)
秋の抜け毛を加速させるのが、夏の2大頭皮ダメージ「紫外線」と「夏バテ」です。
頭皮が紫外線から受けるダメージは、顔の3倍にもなるといわれています。顔に比べて高い位置にあること、髪に覆われているからと紫外線対策を怠りがちになることが理由です。
「特に注意したいのは、頭皮の日焼け。これはやけどをしているのと同等の負担が頭皮にかかり、抜け毛につながってしまいます。そして汗も注意。汗をかくだけなら拭けばいいのですが、皮脂が過剰に出ることで、脂漏性皮膚炎など炎症を起こしやすくなるので、皮脂のバランスが崩れやすい人にとってはこれもマイナスになります」
また、紫外線に当たり過ぎると、頭皮が酸化してかたくなります。すると、血行が悪くなり抜け毛の進行につながることも。
そのうえ、睡眠不足や不摂生な食生活も大きく影響してきます。
「夏バテになると食欲不振や睡眠不足を訴える人が多いですが、こうした状態が続くと体は生命維持に欠かせない臓器に栄養を優先的に供給するため、髪や頭皮に栄養が届きにくくなります。その結果、抜け毛につながってしまうのです」
夏の頭皮対策の気をつけたい「落とし穴」3つ
さらに、浜中先生が指摘する気をつけるべき頭皮対策の「落とし穴」は次の3つ。
1. “汗”より“蒸れ”に注意
暑い夏は汗の処理に意識が向きがちですが、頭皮環境としていちばんのリスクは「蒸れ」です。長時間、帽子をかぶるなどして、蒸れた状態が続くと、頭皮から汗や皮脂が出やすくなります。すると、悪い雑菌が湿気を好んで皮脂に増殖し、頭皮環境が悪化。抜け毛やかゆみ、フケなどにつながります。
「紫外線対策と併せて、できるだけ頭部の通気性をよくして、頭皮を清潔にキープすることが大切です。ロングヘアの人はアップにまとめるのもオススメです」(浜中先生)
2.10時~16時はダメージタイム
1日の紫外線の6割は10時~16時の間に集中するといわれています。
この時間帯はできるだけ外出を控えたほうが頭皮や髪にはよいですが、外出する際は毛髪用の日焼け止めや日傘などを活用して、しっかり紫外線対策をしましょう。
3.すすぎ残しは禁物。朝シャンに要注意
洗髪でのすすぎ残しやぬれた状態で紫外線を受けると、さらに頭皮と髪がダメージを受けます。そのため、ていねいに洗ったり乾かしたりできない、忙しい時間帯である朝の「朝シャン」は要注意。
「シャンプーをする前にロングヘアは2分、ショートヘアは1分すすぐことが大事です。これで汚れの8割を落とすことができます。また、ぬれている髪がいちばん傷みやすく抜け毛の原因にもなるため、髪を強く絞り過ぎないようにしてみてください。そして、つい夏場にやりがちなのが、ぬれたままや半乾きのままで髪を結んでしまうこと。これは蒸れた状態と同じように雑菌が繁殖しやすくなるので、しっかり乾かしましょう」
いかがでしたか?
ついやりがちなNG習慣をチェックして、正しい頭皮ケアにつなげましょう!
次回は、紫外線対策のポイントを詳しくお伝えします。
取材・文/庄司真紀