昼間の日差しの強さを肌身で感じるようになりました。うっかり日焼け止めを塗らずに出てしまったら、肌は危険にさらされた状態! そう、太陽光は肌にダメージを与える最大の原因なのです。 今回は、光が肌に与えるダメージや、誤解を招きやすい日焼けの常識をお伝えします。日焼けにまつわる知識をアップデートして、美肌ケアに役立ててくださいね!
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光のダメージは肌老化のもと
夏に向かっていく季節、これからますます怖いのが日焼けですね! 紫外線の量がどんどん増えていくので、毎日の日焼け対策はマストです。今年の日焼け止めの用意はもうお済みですか?
じつは光から肌を守ることは、美肌のための最前線ケアとも言ってもよいくらい重要です。私が化粧品メーカーで商品開発をしていたときに、接する研究員から口を酸っぱくして言われていたのも「日焼け止めは絶対忘れないで!」ということでした。商品開発者は、開発中のサンプルをテストすることが多いので、しょっちゅう洗顔をしてすっぴんで仕事をしたり、忙しいときはそのままランチへ外出、なんてことも。じつはそれは肌にとってはもってのほかのNG行動!肌研究の最先端にいる研究員にとっては、日焼けが肌にどれほどダメージを与えるかは、常識中の常識なので、いつもアドバイスをしてくれていたのです。
太陽光の影響による肌の老化を「光老化」と言います。真っ先に思い浮かぶのは、紫外線ではないでしょうか? たしかに肌が老化する原因の約8割は紫外線によるダメージである、という研究結果もあるほど。
ところが最新の肌研究では、肌の脅威は紫外線以外の太陽光や、生活に密着した様々な光によってももたらされてしまうことが分かってきたのです。一体どんな光が肌ダメージになってしまうのか、ご紹介しましょう!
太陽光だけにあらず! 光の種類で変わる肌ダメージ
1.紫外線
紫外線は光波長によってA波とB波に分けられます。それぞれダメージが異なりますので、特徴をお読みくださいね。
【シワやたるみの原因になるUV-A】
地上に降り注ぐ紫外線の9割を占めるのが波長の長いUV-Aです。UV-Aは肌の深部である真皮層にまで入り込み、ハリ弾力を保つために重要な線維であるコラーゲンやエラスチンを壊してしまうのです。つまりUV-Aを予防しないと、シワやたるみの原因になってしまいます。
【シミやくすみの原因になるUV-B】
UV-Bは主に表皮にダメージを与えます。日焼けをして肌が赤く炎症を起こしてしまうのはUV-Bのしわざ。特に、表皮にあるメラノサイトが刺激されると、メラニン色素が過剰に生成されてしまい、肌色がくすんだり、シミができたりしてしまいます。
2.近赤外線
太陽光に含まれる近赤外線も肌ダメージの原因になるってご存知ですか? 近赤外線は波長が長いのでエネルギーは弱いのですが、UV-Aよりももっと肌の奥まで届き、じわじわと長期間にわたり肌にダメージを与えてしまう光なのです。日焼けをしたことをすっかり忘れたころにガクッと肌の衰えを感じたら、それは近赤外線の影響かもしれません。
近赤外線は肌の深部である真皮よりもさらに奥、皮下組織や筋組織にも届いてしまうため、肌を支える土台そのものが壊れてシワが深くなったり、たるみにつながったりしてしまいます。
アンチエイジングケアを考えるなら、これからの日焼け止め選びは、近赤外線カット効果があるかどうかも見極めのポイントです!
3.ブルーライト
最近の日焼け止めで注目されているのが、ブルーライトカット効果です。ブルーライトは可視光線で、スマホやタブレットから発する青い光として知られていますね。波長の長さでは紫外線のUV-Aに近くエネルギーも強いので、見逃せない光です。
ブルーライトの影響を受けると、肌内に活性酸素が発生し、肌の新陳代謝の要である線維芽細胞の働きが低下し、肌のハリ弾力が失われてしまうことに。素肌が直接ブルーライトにさらされないように、室内でも注意が必要ですね。
さまざまな光に対応した日焼け止めを選ぼう
さまざまな光が肌ダメージの原因になること、おわかりいただけたかと思います。今では、日焼け止めは紫外線カット効果だけで選ぶ時代ではなくなりました。毎年しっかり日焼け止めをぬっているのに、夏の終わりに肌ダメージが蓄積している、と感じている人は、紫外線以外の光のダメージを防げていないのが原因かもしれません。
日焼け止めを買うときには、近赤外線やブルーライトなど、新たな光の脅威にもしっかりと対応している日焼け止めを選んでみてくださいね! スキなしの美肌ケアをコツコツ続けることが、いつまでも若々しい肌を保つ1歩になるはずです。
その日焼けの常識、じつは間違いかも?!
ここからは、誤解しやすい日焼けの常識をお伝えしていきます。うっかり日焼けを防ぐために、今一度確認しておきましょう!
1.曇りの日は日焼けしない?
「今日は曇っていて太陽が出ていないから、日焼け止めはなしで出かけちゃおう!」なんていう日、ありませんか? 太陽が顔を出していないときは、日焼けはしないのでしょうか?
答えは「ノー」です! 曇りの日だって日焼けはするのです。晴天に比べて薄曇り時の紫外線の通過率は8割程度。曇りなら6割、雨でも3割の紫外線は肌に届いているのです。1回に当たる量は少なくても、それが何度も積み重なると晴天時に日焼けしたのと変わらない紫外線量を浴びることにもなりかねません。
曇りや雨だから、と油断せず、少しずつでも日焼けはしてしまうものと思って日焼け止めで予防しておきたいですね。
2.水の中にいれば日焼け止めは必要なし?
海やプールなど、水辺のレジャーを楽しむときこそ、日焼けの心配も大きくなりますね。ずっと水の中に入っていれば、紫外線は届かない!と思っていませんか?
答えは「ノー」。そればかりか、むしろその逆だと思ったほうがよいかもしれません。太陽光が届かないほど深く暗い場所に、ずっと潜っているのだったらともかく、浅いところで水面に浮いたり潜ったりして遊ぶのなら、むしろふだんよりも紫外線量は増えていると考えてください!
その理由は水面の反射です。通常降り注ぐ紫外線だけでなく、水面に反射した紫外線の照り返しが加わって、いつも以上に紫外線を浴びることになってしまうのです。水辺で過ごすときには、耐水性のある日焼け止めをこまめにぬりなおすのが基本です。水着はラッシュガードなどを着用し、肌を日差しにさらさないほうが安心ですね。
同じように砂浜や、アスファルトからの照り返しもあるので、紫外線の強い日は、上からだけでなく下からの紫外線にも要注意です。
3.日焼け止めをぬっていれば絶対焼けない?
紫外線防止効果を示す指数である、SPFやPAが高い日焼け止めをぬっていれば、日焼けしない、と思ってしまいがち。本当にそうでしょうか?
じつはSPFとUVAの値の測定方法は、業界で基準が定められています。日焼け止めを1平方センチメートルあたり、2mgずつぬった状態で測定するのですが、これってどのくらいの量かイメージできますか? 実際にこの量を肌にのせると、量はかなり多く、伸ばしても肌が白く見えてしまうほどの厚ぬりになる場合が多いと思います。
つまり、ムラなく伸ばそうとすればするほど、本来の想定よりも薄づきになってしまいやすいのです。
また、衣服やハンカチでこすれたり、汗や水で流れたりすると、日焼け止めは落ちやすくなってしまいます。日焼け止めは一度ぬって終わり、ではなく、適切な量をぬってしっかりと肌をおおい、こまめにぬり直すことをお忘れなく!
ぬり忘れやすいところをチェック!
ついうっかり部分焼け、といったことがないように、日焼け止めをぬり忘れがちな場所を一緒に確認しておきましょう!
1.髪の生え際
肌と髪の境目はどうしても日焼け止めをぬりにくく、忘れがちな部分ですよね。生え際に沿ってぬるときは、日焼け止めが髪につかないようにあらかじめ手のひらによくなじませておき、額から髪に向かってなでつけるような動作でつけるようすると、ぬりやすいと思います。
2.まぶた
意外と忘れがちなのが、まぶたです! まぶたの皮ふは、顔のほかの部分に比べても薄くてデリケート。日焼けのダメージを受けやすい部分なので、まぶたのぬり忘れをしないように注意です。
3.耳
気づいたら耳だけ真っ黒、なんていう“うっかり日焼け体験”、ありませんか? 直射日光が当たりやすい部分なので、日焼け止めを忘れずに。
4.首のうしろ
髪を下ろしているから、と油断しがちな後ろ側や束ねた髪のうなじ部分なども、意外と日差しが集中しやすい場所。玄関にスプレータイプの日焼け止めを常備しておいて、出がけにシューっとすると手軽に対策できますよ。
5.足の甲
足の甲はうっかり焼けをくり返し、毎年サンダルの跡がくっきりついてしまいます。顔の日焼け止めを塗ったついでに、足の甲も忘れずに対策を。
日焼けの常識、おさらいしてみました。日焼けは肌老化の最大の原因と言ってもいいほど肌にダメージを与えてしまいます。逆に、しっかり日焼け対策をしておけば、美肌への近道にもなるのです! 大事な肌をしっかり守ってあげましょう。