スタイリストの筆者が、私物の名品をピックアップしていく本シリーズ。第5回目に紹介するのは、靴下(ソックス)です。
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妥協しがちだけど意外と重要な靴下(ソックス)
みなさん、靴下ってどのように選んでいますか?
「安かったらいい」「かわいければいい」そういったこだわりはありつつも、服や靴、バッグに比べると、そこまでこだわりはなく選んでしまうものですよね。
むしろ、あからさまにおかしくなければ“なんでもいい”。ある意味、妥協ありきなのが靴下ではないでしょうか。
ところが実際、靴下がコーディネートに合っていないと、コーディネート全体がかなりイマイチになるし、はき心地が悪いだけで、その日1日がすごくストレスに感じたりするもの。“なんでもいいわけがない”と思わされる瞬間だと思います。
また、靴下は試着ができないため、買わないとわからないし、使ってみないとわからない。だからこそ、“これはいい”と思えることって、なかなかないことです。
そこで今回は、“これはいい!”と思わせてくれた、貴重な神ソックスをご紹介します。
神ソックスを大解剖
私にとっての神ソックスは、日本ブランド「Tabio(以下、タビオ)」のソックスです。
タビオは、1968年創業の老舗靴下メーカー。昔も今も、1足売りの靴下が基本です。1足当たりの単価も、今の時代では割高に感じる人もいるでしょうが、セット売りの靴下や安価な靴下には変えられないよさがあるため、気がつけば20年以上も愛用しているブランドです。
そんなタビオの愛用品は、「1×1リブちょい長ショートソックス」と「メランジロングキープカジュアルカバーソックス」です(770円/税込)。どちらもスニーカー用として使っているのですが、なにがいいって脱げないんです。
「1×1リブちょい長ショートソックス」は、通常のスニーカー丈とショート丈の中間のような長さのソックスなのですが、スニーカーのデザインをジャマしない程度の長さで、使いやすさにすぐれている深めのソックスなんです。
「メランジロングキープカジュアルカバーソックス」は、浅めのソックスで、本来かかとがとても脱げやすい構造にも関わらず、不思議と脱げないのが魅力。
短命で終わらない、長生きポイントはココ!
わたしの足は、もともと甲が薄くて、カバーソックスは深くても浅くてもとにかく脱げるのが宿命みたいなものでした。ですから、「脱げるのが普通」と、あきらめモードになっていたのですが、この2足だけは、本当に奇跡のソックスといえるくらい、脱げにくい、いや、脱げないとはっきり言えてしまうソックスなんです。
どちらの靴下もブラック、ホワイト、グレーといったふだんはいているスニーカーと同色のものをそろえて使っています。
「たんすのこやし・ソックス編」でお話ししましたが、わたしの場合ははいている靴が個性的なので、ソックスに派手さや高いデザイン性は不要。
靴のデザインをジャマすることがないデザインや丈、そして、脱げない安心感を満たすことから、このソックスに絶大な信頼をおいています。
洗濯をくり返してもとても丈夫で、色あせもしにくく、寿命が長いところもお気に入りです。
妥協しないで選んだものというのは、たとえ小さな消耗品であっても、心と体を満たしてくれますよ。
次回の名品シリーズもお楽しみに。