デンマークのSDGs事業として今回ご紹介するのは美容業界の「ゼンズ(ZENZ)」です。「ゼンズ」は1999年に事業を開始し、2005年には環境と健康に配慮したグリーンなヘアサロンとして公式認定されました。現在ではデンマーク最大のグリーンなヘアサロンとして、コペンハーゲンを中心にサロンを展開するほか、ヘアケア・スキンケア・メイクの商品を独自開発し、世界に向けて販売しています。
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すべて天然由来のオーガニック商品を独自開発。数々の賞を獲得。
「ゼンズ」はシャンプー、コンディショナー、トリートメントなどを髪質に合わせて開発しており、サロンにはタイプ別に番号が振られた商品が並んでいます。
商品の成分はすべて天然素材。100%ヴィーガンで、ほとんどの商品が北欧共通のエコマーク「ノルディックスワン」または国際的なアレルギーフリー認定マークを獲得しています。そのクオリティは国内外で評価され、各商品がさまざまな賞を獲得しています。
商品はもちろん、サロンの掃除用品にも体に悪影響を及ぼす化学物質を使用していません。長期視点に立ったサステナビリティを重視しており、体や地球にやさしいサロン運営や商品開発をしています。
メイク用品も100%天然由来の成分で構成されています。
また、レフィルサービスを採用しており、使い切った商品の容器をサロンに持参してセルフサービスで詰め替えることができます。レフィルサービスを利用すると、新品を購入するよりもリーズナブルです。
ウガンダの女性の経済的自立を支援するプロジェクトも
SDGs意識が高く、国連が掲げるSDGs 17の目標のうち12の目標に対して具体的なとり組みを行っているのも「ゼンズ」の特徴のひとつと言えます。
なかでも興味深いのは、ウガンダの女性の経済的自立を促すプロジェクトです。ウガンダでは貧困問題が深刻で、多くの若い女性が売春で生計を立て、見知らぬ男性との間にできた子どもを妊娠しています。
この状況を改善するため、「ゼンズ」は子ども財団と協力し、ウガンダの若い女性にヘアカットのテクニックを教え、彼女たちが美容師として生計を立てられるように支援しています。さらに、彼女たちにヘアカット用のハサミの寄付もしています。現在、トレーニングを受けた約400人のうち、70%以上が美容師として職に就いているそうです。
また、SDGsへのとり組みとして、ほとんどの容器を環境に配慮した再生プラスチックで作っています。海に廃棄されたプラスチックを回収する活動をする団体ReSeaと協力し、海に廃棄されたプラスチックをリサイクルしています。
デンマーク最大のグリーンなヘアサロン「ゼンズ」は、いかがだったでしょうか。美容業界のサステナブル化をリードするブランドとして、今後の動向が注目されます。
文/ 針貝有佳
写真/針貝有佳 ZENZホームページ(ウガンダの女性の写真)