夏の厳しい暑さも過ぎ去り、だんだんと過ごしやすくなってきましたね。秋は夜の時間が長くなり、趣味やリラックスタイムなど自分を癒すための時間を作れる絶好のチャンスですが、その一方で夏にたまった疲労が出てきて秋バテしやすい時期でもあります。今回は、そんな秋バテ防止や秋の夜長におすすめの入浴法を、医学博士の早坂信哉先生に教えていただきました!
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秋バテに効果的な入浴法とは?
みなさんは、“秋バテ”という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 最近テレビや雑誌でよく目にするようになった言葉ですが、じつはどんな状態のことを指すのかよくわかっていない…という人もいるのではないでしょうか。ここからは、秋バテとはどんな症状なのか、どのように対処すればいいのかを医学博士の早坂先生に解説していただきます。
「そもそも、秋バテとはどんな症状のことを言うのでしょうか。じつは、きちんとした定義があるわけではないのですが、夏の終わりごろから秋にかけてのさまざまな不調をひっくるめて“秋バテ”というふうに使われているかと思います。
では、どうして秋になると体調不良を起こしやすくなるのでしょう? ひとつは、夏の疲れがたまってくるから、と言われています。夏の疲れと言ってもひと言では説明が難しいのですが、これはいわゆる自律神経の乱れなのではないかと思います。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つで成り立っており、交感神経はどちらかというとONモードで、仕事などで使われる神経のこと。副交感神経はゆったりとリラックスしてくつろぐための神経ということになります。夏の間は屋外が非常に暑く、屋内は冷房が効いているため、温度差が10度以上あるという場合もありますよね。このような温度差が激しい場所を行き来するのは、じつは体にとって負荷が強い行動です。人間の体は体温が一定に保たれているため、暑い場所では汗をかいて体温を下げようとしますし、寒い場所では何とか体温を維持しようと働きます。この体温の調節をしているのが自律神経であり、交感神経のスイッチが入ることになります。このように、頻繁に自律神経を使うことによって中枢である脳が疲れてきて、結果秋バテを引き起こしているというわけです。
自律神経がうまく働かずに乱れてくると、レントゲンや採血などの細かい数値には検査結果が表れなくとも、様々な症状が起こりがちになります。たとえば、めまいがする、動悸がする、体がふわふわするといったものです」(早坂先生)。
では実際、自律神経の乱れからくる秋バテに効果的な入浴方法はあるのでしょうか?
「秋バテにはとくに特別な入浴法は必要ありません。まずはしっかりと湯船に浸かるようにするといいでしょう。この際、交感神経にスイッチを入れない温度、つまりぬるめのお湯に入っていただくのがいいです。温度は高くても40度くらいまでに設定して、10~15分ほど湯船に浸かり、副交感神経のスイッチを入れて上げましょう。また、疲れは睡眠と深く関係してきますので、入浴後90分くらい経ったら布団に入るようにすると、いい睡眠がとれるでしょう」(早坂先生)。
“秋の夜長”の入浴におすすめな「ラジオ」。スマホでも聞ける!
ここまでは秋バテについてお話しましたが、不調ばかりが起こるというわけでもありません。夜の時間が長くなる“秋の夜長”は自宅でゆっくりとリラックスする時間がとれるため、疲れた体をリセットしたり、新しい趣味を見つけられる絶好の機会! ここからは、早坂先生がお風呂で実践しているおすすめの過ごし方をご紹介いただきます。
「みなさんは秋の夜長をどのようにお過ごしでしょうか? お風呂でゆっくり過ごすという人もいるかと思いますが、私がお風呂に持ち込むアイテムとしてお気に入りなのがラジオです。YouTubeなどの動画は、自分で見たいチャンネルを探さなければならないですが、ラジオのよさというのは、つぎつぎと新しい番組が流れていくということ。お風呂場でラジオのチャンネルを変えるというのもなかなか大変ですので、私はひとつのチャンネルをそのまま何となく聞き続けていますが、これはこれでとってもラクですよね。ラジオを聞いていておもしろいと思うのは、自分の興味関心がないようなものも流れてくるということ。本屋さんでたまたま手にとった本を読むのに似ているかもしれません。最近ではラジコというアプリがあり、スマホでもラジオをライブで簡単に聞くことができます。
たとえば、私は情報や教育系の番組を聞き流すことが多いのですが、たまに普段私の興味関心がない内容が流れてきてもそのまま黙って聞いていると、「意外とこれおもしろいな…!」と思うことがあるのです。ただぼーっとしてラジオをお風呂で聞き流すというのも、秋の夜長のひとつの楽しみなのかな、なんて思っています。もし入浴中、スマホで見たい動画を探すのも疲れたな…と思ったら、黙ってラジオを聞いてみると、意外とおもしろい発見があるかもしれませんね(早坂先生)。
早坂先生に秋の入浴法について教えていただきましたが、いかがだったでしょう? 最近秋バテの症状が出てきたな…と感じたら、シャワーだけで済まさずしっかりと湯船に浸かって、いつも以上に体を休めるように心がけてみてください。ぜひお風呂時間をじょうずに活用して、秋の入浴タイムを楽しんでくださいね!
【提供元:Voicy】
参考:秋バテの時の入浴のコツ
そのほか、今回の記事参考元、「秋の夜長の楽しみ方 お風呂でラジオ」の放送を聞くには【Voicy】へ
文/FYTTE編集部