秋になり肌寒く感じる日が多くなってきました。この時期は湿度が低下し、肌が乾燥しやすくなります。顔や体の保湿を始める人も多いのではないでしょうか。しかし、ここで見落としがちなのがデリケートゾーンの保湿です。今回は、秋冬のデリケートゾーンの乾燥やかゆみの対策について解説していきます。
Contents 目次
秋の乾燥はデリケートゾーンにも影響
顔や体に比べて見えにくい部位のデリケートゾーンは、ケアも怠りがちになります。じつは、デリケートゾーンは顔や体以上に乾燥しやすいということをご存じでしょうか。
デリケートゾーンは、体のなかでもとくに皮膚がうすく、乾燥しやすい部位です。また、下着やナプキンなどの刺激にさらされやすく、肌トラブルのリスクも高くなります。
さらに、デリケートゾーンの乾燥は放っておくと膣炎などにも発展する恐れがあります。
膣炎は、乾燥によって腟のうるおいがなくなり、膣粘膜が傷つきやすくなって雑菌が繁殖することで起こる炎症です。症状は、かゆみ・黄色いおりもの・悪臭・出血・性交痛など人によってさまざまです。
また、寒い季節のデリケートゾーンは、乾燥の影響を受けやすい状態であることに加え、厚着や暖房の使用によりムレやすい状態でもあります。
本来、デリケートゾーンのもつ「うるおい」にはバリア機能がありますが、うるおいが不足していると、ムレによって生じた不衛生な汗の刺激を受けて、菌が繁殖しやすくなります。
このように、秋冬は乾燥とムレの両方に注意する必要があるため、状態によってきちんとしたケアが必要になるのです。
デリケートゾーンの乾燥を防ぐ対策
それでは、秋冬にはとくに欠かせない、デリケートゾーンの乾燥を防ぐ方法をチェックしていきましょう。
<1>洗い過ぎない
デリケートゾーンを清潔に保つことは大切ですが、洗い過ぎは禁物です。とくに、洗浄力の強い石けんは避けましょう。うすい皮膚を傷つけてしまうだけでなく、皮膚を守る常在菌まで洗い流してしまうこともあるためです。
デリケートゾーンを洗うときは、ぬるま湯かデリケートゾーン専用の石けんを使うのがおすすめです。
<2>専用の保湿アイテムを使う
デリケートゾーンを清潔にしたら、保湿アイテムで乾燥を防ぎましょう。専用の保湿剤であれば安心して使用できます。ただし、繊細な部分に触れるものなので、肌との相性・安全性を重視しましょう。
年齢とともに膣の弾力や柔軟性は減少していき、粘液の分泌量も減っていくとされています乾燥は膣の老化を早めてしまうため、毎日の保湿を心がけましょう。
<3>ホルモンバランスの乱れに気をつける
女性は、更年期・不規則な生活・ストレス・ムリなダイエットなどでホルモンバランスが乱れると体調を崩しやすくなります。体調が悪いと肌荒れを感じるのと同様に、ホルモンバランスの乱れはデリケートゾーンの乾燥の原因になります。
ホルモンバランスを整えるためにはストレスをためず、規則正しい生活を送ることが大切です。生活リズムが整うことで肌のハリが戻るように、デリケートゾーンのうるおいも保てるのです。
デリケートゾーンのお悩みには漢方もおすすめ
デリケートゾーンのトラブルには漢方薬もおすすめです。漢方薬は、体の内側からはたらいて不調の根本から改善します。そのため、トラブルそのものに焦点を絞って解決する西洋薬とはアプローチの仕方が異なるのです。
乾燥やかゆみは、ストレスやホルモンバランスの乱れ、血流不足などが原因で起こると考えられています。デリケートゾーンのトラブルには、「泌尿・生殖器の炎症を鎮めかゆみを軽減する」「老廃物を排出してニオイを和らげる」「血流をよくして栄養をいきわたらせ、デリケートゾーンの皮膚の新陳代謝を上げる」「免疫力を上げてかぶれにくくする」といった作用の生薬を含む漢方薬を選びます。
それではデリケートゾーンの悩みに使われる漢方薬をみてみましょう。
<デリケートゾーンの乾燥でお悩みの人に>
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
冷えが強い人の「腎」の働きを補い、粘膜にうるおいを与えて乾燥やかゆみに働きかけます。
・当帰飲子(とうきいんし)
血流促進によって肌に栄養分とうるおいを与え、乾燥からくるかゆみを改善します。
<デリケートゾーンのかゆみでお悩みの人に>
・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
下腹部に発生した強い湿熱を取り除きます。熱感があって、冷やすと緩和するような強いかゆみに使います。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
体を冷やして熱をとり、炎症を鎮めることでかゆみをおさえます。
漢方薬は体にやさしくはたらきますが、自分の体質に合っていないと副作用を生じることもあります。漢方薬を選ぶときは専門家に相談しましょう。最近では、漢方に精通した薬剤師がAIを使って適切な漢方薬を選んでくれるオンラインサービスも人気です。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=21133zd8fytt0010
見落としがちなデリケートゾーンのケアですが、トラブルになってからでは大変です。人にはなかなか聞きづらくても、日々の生活の見直しで十分対処できます。
デリケートゾーンを大切にすることは自分を大切にすることにつながります。みなさんもぜひ試してみてくださいね。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。
患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。
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