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年1回生産の希少なハンド美容液! 島根のぶどう「神紅(しんく)」の未利用資源から発見された新美容エキスとは?
2023年1月20日に、ポーラから発売された「ハンドコンフィチュール」は、透明感のあるなめらかな手肌を目指すハンド美容液です。ぶどうの栽培過程で本来なら捨てられてしまう葉や茎から、新美容エキスを抽出することに成功したそうです! 商品発表会で聞いた希少なコスメの詳細と体験レビューをたっぷりご紹介します。
Contents 目次
“失われるものを美しさに変えていく” 産官学の連携で見出された「シンクエキス」に注目
【ポーラの新プロジェクト「FROM LOSS TO BEAUTY」が始動】
2029年に創業100周年を迎えるポーラが、人・社会・地球、そのすべてをケアしていくことを目指す行動指針「WE CARE MORE.」と、「サスティナビリティ方針 」を実現するための新プロジェクトとして、「FROM LOSS TO BEAUTY」を始動させました。
“失われるものを美しさに変えていく”というコンセプトのもとに、本来捨てられてしまう未利用資源から商品を開発し、私たちの美しさにつながる価値を見出していこうという、このプロジェクトには、まるで宝探しのようなワクワク感があふれています!
その第一弾商品が「ハンドコンフィチュール」です。着目したのは農産物の生産過程で本来捨てられてしまう未利用資源、島根県特産のブドウ品種「神紅(しんく)」の栽培過程で摘みとられてしまう茎や葉である「副梢(ふくしょう)」。と言っても、そもそも「神紅」というぶどうの名前を聞いたことがある人は少ないかもしれません。それもそのはずで、「神紅」は島根県が10年の歳月をかけて開発した新品種のぶどうなのです。
【島根県特産のブドウ品種「神紅(しんく)」とは?】
日本中から神様が集まるとされる島根県で、「神々に捧げる紅いぶどう」として誕生した「神紅」は、皮ごと食べられる種なしぶどうです。その甘さは生産農家の方ですら『衝撃的なおいしさ』だというほど。糖度20度以上のとても甘いぶどうだそう。紅茶のアールグレイを思わせる芳醇な香りも魅力のひとつです。
現在は生産数量が少ないため、全国の果物売り場で買えるようになるのはもう少し先になるようですが、ハンドコンフィチュールなら、ひと足先に手肌で「神紅」を味わうことができますよ!
【産官学の連携で眠っていた宝をプロダクトに】
「神紅」の栽培過程で生じる「副梢(ふくしょう)」と呼ばれる茎や葉は、伸びると日光の吸収の妨げになり、果実の成長やぶどうの色づけに影響があるため、常に摘みとる必要があるそうです。本来ならば多量に廃棄される「副梢」から、眠っている宝を見出せないかと考えて、ポーラ・島根県・島根大学の産官学が連携し、新美容成分「シンクエキス」を抽出することに成功しました。
成分を分析した島根大学によると、シンクエキスには、高い抗酸化効果で知られるポリフェノールが多く含まれることが確認されたそうです。
このシンクエキスを配合したハンド美容液が「ハンドコンフィチュール」です。
顔の肌と同様、手肌も毎日酸化ストレスにさらされているので、肌老化は避けられません。美肌効果の高い成分によって、うるおいを守るハンドケアが大切ですね!
透明感と手肌のなめらかさを生み出す、ワンランク上のハンド美容液
ポーラは以前から、別添の紙パンフレットをなくしたり、多くの商品でリフィル対応をしていたりと、環境や資源に対してきめ細かい配慮を続けています。今回のハンドコンフィチュールでも同様に、詳しい使用方法は紙で添付せずQRコードで読めるようにしたり、外箱には森林認証紙を使ったりするなど、サステナブルな対応がされています。
ギフトの包み紙を開くようにして外箱を開けると、その中にハンドコンフィチュールのボトルが入っています。
クリームの容器は、「神紅」のみずみずしさを表した淡い紅色、フタは「副梢」をイメージしたグレイッシュなグリーンです。甘くやさしいムードが漂うデザインは、自分で使う楽しみだけでなく、家族や友人への贈りものにもぴったりですね!
コンフィチュールというのは、果物を煮詰めたとろりとしたジャムの高級版のことを言うそうですが、ハンドコンフィチュールは、指でふれると角(つの)が立つほど濃密なクリームで、その中にまるで果物の粒のような、プチプチとしたぶどう色のカプセルが入っています。これは、ビタミンEやオレイン酸を多く含むアーモンドオイルが入った天然寒天のメルティカプセルなのだそう。
シンクエキスのほかにも、2種のヒアルロン酸や、オタネニンジン根エキスが配合されていて、肌のすみずみまでうるおいを与え、透明感を引き出してくれるワンランク上のハンド美容液です。
テクスチャーを体験レビュー! うるおいを閉じ込めたサラサラ肌の仕上がりがやみつきに
さっそく、手肌にハンドコンフィチュールを使用してみましょう!
1回の使用量の目安は真珠ひと粒の大きさです。
クリームを手に取ると、アールグレイティーにぶどうの甘さが加わったような香りが広がって、リラックスした気分になれます。これが神紅の香りなのかな?と想像しながら味わってみるのも楽しいですね!
クリームを伸ばし始めると、メルティカプセルのプチプチした手ごたえを感じます。手肌になじませていると、プチンと弾けて中からオイルがとろけ出し、肌の表面にベールをかけて、うるおいを閉じ込めてくれます。
実際の手肌につけた様子がこちらです。
ハンドコンフィチュールをつける前の肌は、カサカサとして指の関節のシワが目立ち、肌色もくすんで見えますが、つけたあとは指先までツヤがあり、キメがなめらかに整ったことで、肌色の明るさが感じられます。
肌にふれてみると、内側はうるおいでふっくらとしていますが、表面はさらりとしてベタつきは全くありません。ハンドコンフィチュールをつけたあとに、石けんで手洗いをしてみましたが、タオルドライをしたあともベールは残っていて、手肌のツヤが持続していたのでうれしくなりました。
驚いたのは、ハンドコンフィチュールをたっぷりぬったあとに、スマホの画面やパソコンのキーボードに触れても、油分のテカリがほとんどつかないことです! これなら、指先の油分があちこちについてしまうのを気にせず、日中もこまめにハンドケアをすることができますよ。
アルコール消毒や手洗いのくり返しで、かさついた手肌を見ると、なんだかゆううつな気分になってしまうものですが、手肌がうるおって、ツヤツヤしていると、1日明るい気分で過ごせると感じました。
プロジェクトのこれからの展開に期待大!
発表会では「FROM LOSS TO BEAUTY」のプロジェクトリーダーである重住久美子さんのほかに、ハンドコンフィチュールの開発を通してつながった島根県産地支援課の志田原崇さんや、島根大学の室田佳恵子教授、「神紅」の生産農家の1人である寺本直人さんが、それぞれの思いを語りました。
印象的だったのは、生産農家の寺本さんが『僕たち農家にとっては捨てるはずのものが、ハンド美容液となって人の魅力に変わっていく、ということがすごいなあと…』と、うれしそうな表情で語っていた姿です。
新しい価値とは、化粧品を使う人だけでなく、関わる人々にも驚きと喜びが広がることでもあると感じました。
ご紹介したハンドコンフィチュールは、神紅の希少なエキスを使用しているため、年に1回の限定生産です。初回生産分は完売間近のため、ハンド美容液を味わってみたい人は、早めにチェックしてみてくださいね!
取材・文/牧内夕子