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じつは危険も! 流行りのサウナを“安全に”楽しむための大切なポイントとは? お風呂ドクターが解説
昨今のサウナブームにより「サウナ―」や「ととのう」といった言葉が流行し、サウナ愛好家が急増し、まだまだサウナの人気は続きそう。その一方で、サウナの入り方次第では体調不良や事故につながってしまう可能性も。そこで今回は、医学博士の早坂信哉先生に安全にサウナを楽しむためのポイントをお聞きしました。
Contents 目次
サウナで気をつけなければいけないポイントとは?
「みなさんこんにちは、お風呂ドクターの早坂信哉です。今回のテーマは“安全なサウナのために”です。今年の6月、栃木県日光市のサウナ施設で起こった事故を覚えていますでしょうか? 利用客の男性が施設内の池で死亡するという事故でしたが、この時期の日光は気温がかなり低く、もしかすると池の水もかなり冷たかったということも原因のひとつとして考えられるかもしれません。
ここ数年ブームがきているサウナですが、日本のサウナは80度~100度近くと比較的温度が高めに設定されていることが多い印象です。つまり、サウナに入ったあと急に水風呂に入ると非常に強い温度差が生じてしまうということになります。この強い温度差によって交感神経が刺激され、血圧が急に上昇してしまうということも考えられます。
血圧が上がると、とくに年齢の高い人は血管がつまったり破けたりしてしまい、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす恐れもあります。ただ、これは高齢者のみに限った話ではありません。若い人も血圧が急に上昇すると不整脈を起こす可能性もあります。そのため、サウナと水風呂による急激な温度差にはかなり注意が必要です」(早坂先生)
“安全に”サウナを楽しむためのポイント2つ!
サウナは安全に楽しむことで健康にもよい効果をもたらすとされていますが、具体的にはどのようなことに気をつければよいのでしょう?
早坂先生によると、ポイントは大きく2つあるとのこと。
「ポイントのひとつ目は、急激な温度差を避けるということです。日本ではかなり高い温度のサウナが好まれる傾向がありますが、じつは本場のフィンランドでは80度を下回っているくらいの少し低めの温度であることが論文でも報告されています。
また、日本ではサウナと水風呂がセットになっていますが、フィンランドでは必ずしもセットになっているわけではないようなのです。ヨーロッパ諸国の研究者や実際に日本から現地に駐在している人との会話の中でも、サウナに水風呂が必須というわけではないというような話を聞いたことがあります。
ですので、サウナの温度は低めのものを選ぶこと。そして、水風呂に慣れていない人はムリに入らないようにするということに注意するといいのかなと思います。
また、水風呂に入りたいという場合は、いきなり浸かるのではなく手足に水をかけて少しずつ水風呂の温度に体を慣らしていくことが重要です。ぬるめのシャワーで汗を流すのもいいと思います」
「そしてもうひとつは、決してムリをしないということ。サウナに入ると12分計などの時計が置いてあることが多いですが、必ず12分間サウナに居なくてはいけないというわけではありません。自分の体調を観察して、『苦しいな』『汗をかなりかいているな』と思ったらムリせずにサウナから出るようにしましょう。
また、中には温度の高いサウナが苦手だと感じている人も意外と多かったりするので、そのような人は、50度程度のミストサウナを利用してみるのもいいのかなと思います。
いずれにしても、急激な温度差を避けるということが安全にサウナを楽しむための大事なポイントです。また、外気浴といって涼しい場所で体を休めることも非常に重要ですので、水風呂よりも刺激が少ない外気浴を楽しんでいただくのもおすすめです。
そしてもちろんサウナに入るとたくさん汗をかくので、サウナ前と後にそれぞれコップ2杯程度の水分補給も欠かさないようにしましょう!」(早坂先生)
疲れがとれたり頭がスッキリしたり、さまざまな健康効果からサウナにハマる人が多くいる一方で、気をつけるべきポイントをしっかりと押さえておかないと危険が伴うことも十分にあり得ます。ムリせず自分の体に合わせて体に負担がかからないように、サウナをじょうずに活用して楽しみましょう!
参考:【提供元:Voicy】安全なサウナのために
「名医がやっている 正しいサウナの入り方」早坂信哉監修(宝島社 2023/07)
文/FYTTE編集部