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冬の入浴時に要注意!「ヒートショック」を防ぐためのポイントとは? お風呂ドクターが解説します!
寒い冬はあたたかい湯船にゆっくりと浸かりたくなるもの。体を温めたり良質な睡眠のために入浴はとても大事な習慣のひとつですが、今の時期は入浴の際に気をつけなければいけないポイントがいくつかあるのを知っているでしょうか? そこで今回は、医学博士の早坂信哉先生に、冬のお風呂でヒートショックを起こさないための予防法をお聞きしました!
Contents 目次
冬の入浴で注意したい「ヒートショック」とは?
主に寒暖差によって血圧が変化して、心臓や血管の病気が起こってしまうことを「ヒートショック」と言います、と話すのは医学博士の早坂先生。
ヒートショックは12月~2月くらいの寒くなってきた時期に多く発生しており、とくに高齢者の入浴中の事故はこのヒートショックによるものではないかと考えられているのだそう。
「入浴中の死亡者は年間で19000人ほどと推定され、交通事故死と比べてもかなり数が多く、約7倍とも言われています。また、今シーズンは冬でも暖かい日が続いたかと思えば急に寒くなるなどの寒暖差が大きく、昨今家庭の光熱費が上がっていることから暖房を控える人が増えており、脱衣所で暖房を入れないまま入浴することで、例年に比べてヒートショックが起こりやすいのではないかと考えています」(早坂先生)
早坂先生によると、ヒートショックは起こりやすい場所やシチュエーションがあり、ひとつは暖房をつけていない脱衣所で洋服を脱ぐこと。リビングとの温度差が5度以上あると血圧の急上昇が起こってしまうだけでなく、ヒートショックは暑すぎる場所や逆に寒すぎる場所でも起こりうるため、脱衣所以外でも注意が必要です。
「脱衣所が寒いというのもヒートショックが起こりやすくなる原因のひとつですし、湯船の温度を42度以上に上げてしまうと今度は熱さで血圧が上昇し、ヒートショックを起こしてしまう場合もります。
また、血液の上昇はもちろん、実際にお風呂に入ると1~2分ほどで今度は血圧がスッと下がるため、ひどい場合はそのまま意識を失ってしまう可能性もあります。このときに注意したいのは、湯船から立ち上がるときに血圧が下がりすぎて転倒してしまうことです。頭を打ってしまう可能性もあり、実際にヒートショックによる入浴中の溺死では、65歳以上の高齢の人が9割以上、残りの数%は65歳以下の若い人でも報告されています。
ヒートショックと聞くと高齢者のイメージがわくかもしれませんが、このように、立ち上がる際の立ちくらみは若い人も十分に注意すべきポイントです。
もともと若い人は血圧が低めの人が多いですが、お風呂に入ると温熱によって血管が広がります。これだけでも血圧が下がりやすいのですが、湯船から立ち上がったときにさらに血圧が下がり、水圧がかかっているところから体への締めつけがなくなることで一気に血液が足先へ流れていきます。
つまり、『もともとの血圧の低さ』+『温熱による血管の広がり』+『水圧からの解放』の3つの悪い条件がそろうと、頭に十分な血液がいかずひどい立ちくらみを起こしてしまうというわけです。
お風呂場は頭をぶつけてしまうようなものが多くありますし、意識を失った状態で湯船に倒れ込んでしまうと溺死をしてしまう可能性もあります。高齢者だけでなく、若い人でもこのような事例を聞くことがあるので、油断は禁物です」(早坂先生)
入浴時に意識したい「ヒートショック」の予防法!
では、実際にどのようにヒートショックの予防をすればいいのでしょう?
「まず、脱衣所はお風呂に入る前に暖房をつけて20度以上に設定すること。そして、脱衣所だけでなく浴室を温めることもとても大切ですので、お風呂に入る前に浴室にかけ流しをして湯気を立たせておきましょう。浴槽にフタをしないでお湯を張ることで、湯気によって浴室が温かくなるのでこちらもおすすめです。
湯船に入る前は手脚の先からお湯をかけ、湯船の温度は熱くても41度程度に設定するようにしましょう。そして、浴室から出るときはゆっくりと立ち上がるように心がけましょう。
また、湯船に長時間つかると脱水状態になり、より血液の粘り気が強くなり脳梗塞や心筋梗塞が起きやすくなるので、入浴前はミネラル入りの麦茶や牛乳、イオン飲料など体の吸収にいいドリンクを飲むこともおすすめです! そして、もしも浴槽で家族が倒れているのを発見した場合には、湯船の栓を抜いて早めにお湯のない状態にしましょう」(早坂先生)
お風呂は健康効果が高い生活習慣の一方で、冬の入浴はヒートショックを起こしやすくなります。ぜひ今回の記事を参考に、ヒートショックの予防をしながら冬のバスタイムを楽しむようにしましょう!
参考:【提供元:Voicy】ヒートショック予防入浴法
文/FYTTE編集部