服はあるのに「何を着よう?」から始まる毎日。そんな状況から脱却したいみなさんへ。『毎月の何着よう?を解決』の連載では、もはや四季の明確な境目がなくなってしまった日本で過ごすうえで、月ごとの装いに関する問題や、問題解消のためにやるべきこと、止めるべきことについて、スタイリストの筆者がお話していきたいと思います。
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まだまだ残暑が続く「9月」の装い傾向
真夏並の猛暑や、日本ならではの高い湿度が続いている9月。真夏の装いにマンネリ化を感じつつも、あまりの暑さにファッションを考えるための思考は低下。結果として装いがワンパターン化してしまっていることが多い傾向です。
しかしながら、お店は一気に秋模様へ。マンネリ化を脱したい気持ちがあと押ししたり、トレンドに敏感な人はいち早く当分着られそうにない秋物を先取り買いする傾向にありますが、この異常気象のなか、季節がいつ境目を迎えるかはまったく読めません。
そのため、当分着られない秋物に手を出すと着る機会を逃した死蔵品になりやすい、というのが、9月に気をつけたいポイントです。
9月に販売されるアイテムは“超リアルクローズ”重視時代へ
コロナ禍や、昨今の異常気象を踏まえて販売戦略にも変化が表れており、今期はとくに気象事情を考慮した商品陳列が特徴的です。
例えば、夏の定番アイテムである半そでのTシャツは、ボルドーやキャメルといった秋を連想させる色の展開や、ベロア、毛羽が多めのシャギー、ラメといった秋を連想させる素材でありつつ、自宅で手軽に洗える仕様になっています。
ノースリーブのニットやカットソーも、同じく秋色を中心とした展開になっていて、型はわきぐりが広めで、のちのちレイヤードしやすい仕様になっていたりします。こういった“リアルに使える季節の変わり目アイテム”というのは、陳列時期が非常に短く、生産数も少ないんです。しかし、着る時期としては当然長く着られるため、コスパも非常によいので、こういったものを、いち早く購入しましょう。
マンネリ化も一新されて、残暑厳しい9月の着こなしが大いに楽しめるようになります。
9月は、夏物断捨離をはじめるタイミング
9月といえば、昔から台風の時季と認識している人も多いと思いますが、最近では台風でなくとも道路が冠水するほどひどい豪雨もめずらしくなくなりました。このような特殊な気候が続くと、自然と“使う頻度が高いもの”と“気に入っているけれど使わないもの”が明確になります。
例えばこんなことありませんか? 外出中に合う突然の豪雨が怖くて、高級ブランド物のサンダルをはくことを避けるようになった。代わりに、濡れても気にならないスポーツサンダルをはく頻度が増えた……このようなことです。
ライフスタイルは変わらなくても、使うことを避けるようになったものは、たった半年、1年でも出てくるものです。9月はこれらを断捨離するとよいでしょう。
まだこんなに暑いのに、夏物の片付けに入るのかと思うかもしれませんが、ひとつの季節が終わろうとしているタイミングだからこそ、使ったもの、使わなかったものがわかりやすい状態。時間が経つと、必要か不要かの判断が曖昧になったり、希望的観測がジャマしてしまいますので、ぜひ9月のうちに行動へ移してください。