“肌は排出器官である”ということをしばしば忘れがちなまま、日頃のケアでは化粧水をつけたりパックをしたりといった、“入れる”ことに重点をおきがちです。しかし排出という肌の役わりを踏まえると、重点をおくのはむしろ入れるよりも出すこと! 肌において出すこととは、ずばりクレンジングや洗顔です。肌に長時間負担をかけるメイクや汚れを落とすクレンジングは、肌の未来を左右するといっても過言ではありません。10年後、20年後の美肌につながるクレンジングについて、ヘアメイクアーティストの日熊大志さんに教えていただきました。
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一気に全顔クレンジングはNG!
メイクが濃い、薄いに関わらず“ポイントメイク”をしているのであれば、全顔を一気にクレンジングするのはNGです。
メイク用品の色素やラメといった汚れを、肌に広げてしまうことになるため、いわば汚れていない顔を、わざわざ汚すことになるのです。
クレンジングは必ず、ポイントメイクを落としてから、ベースメイクを落とすようにしてください。ポイントメイクを落とすときに使うクレンジングは2層式のものが使いやすく、使うパーツを選ばず肌に負担をかけないのでおすすめです。
ポイントメイクを落とす順番
ポイントメイクは、
マスカラ→アイブロウ→アイシャドウ&アイライン→リップ
の順番に落としていきます。
まずはマスカラの落とし方。マスカラは、マスカラ専用リムーバーを使うのがおすすめです。なければ2層式クレンジングを使用します。
<1>リムーバーもしくはクレンジングをまつ毛に直接なじませて、そのまま30秒ほど放置します。すぐにさわらないことにより、パーツに負担をかけることなく、効率よくメイク汚れを落とすことができます。
<2>乾いたコットンで、まつ毛をはさみ、左右に軽くゆらします。
<3>外側へ軽くはねるようにコットンを動かすと、まつ毛についたマスカラを効率よく落とせます。
次にアイブロウの落とし方です。
<1>乾いたコットンに、クレンジングをたっぷりとなじませます。
<2><1>のコットンを眉毛に置いて、なじませるように軽く圧をかけます。
<3><1>のコットンを左右に軽く動かして、最後に眉尻側へとふきぬきます。
続いては、アイシャドウとアイラインの落とし方。
あらかじめ綿棒を用意しておきます。
<1>アイブロウと同じく、乾いたコットンに、クレンジングをたっぷりとなじませます。
<2><1>のコットンをまぶたに置いて10秒ほど置いたあと、そのコットンを左右にゆらし、外側へ軽くはねるようにコットンをふきぬきます。
<3>ふきぬいたコットンを折りたたみ、キレイな面をアイラインに当てます。
<4>当てたコットンを、目頭から目尻へゆっくりとふきぬきます。目尻を指で軽く引っ張り、目尻のメイクをふき取ります。
<5>綿棒にクレンジングをたっぷりとなじませます。
<6>まぶたを指で持ち上げて、インラインに沿って綿棒をすべらせます。下にインラインを引いている場合も、同じように綿棒をすべらせます。
アイシャドウは、メイクを落とすときに最も広がりやすく、そしてついている肌はとてもデリケート。そのためすべての工程において、押さえるタッチでやることが原則です。必ずこすらないようにしましょう。
ポイントメイクの最後はリップ。
<1>乾いたコットンにクレンジングをたっぷりと含ませて、まずは上唇にそのコットンを置いてなじませます。
<2>円を描くように上唇の左右にコットンをすべらせます。下唇も同じように行います。
<3>1周したら中央にコットンを置き、左右に軽くゆらしたら、最後にコットンのキレイな面を口角に当ててふき取ります。
唇はほかのパーツと比較すると縦じわが多いため、ふき取りを上記のように複数回行うことで、しわに入り込んだメイクもしっかり落とすことができます。
ベースメイクの落とし方
<1>クレンジングを片側のほほにつけてなじませたら、フェイスラインを通って口まわりまでなじませます。
<2>反対側のほほにもクレンジングをつけてなじませたら、おでこにも再度クレンジングをつけてなじませます。
<3>両手を使って、鼻すじ、おでこ、目のまわりとクレンジングをなじませます。下から上へ、内から外へと円を描くように行うのがポイントです。
<4>ぬるま湯を肌になじませて、クレンジングをしっかりと乳化させてすすぎ落とします。
クレンジングはササっと済ませたい! そう言う人はとても多いのですが、化粧水やクリームをつけるより、本来はずっと時間をかけてていねいに行うことなのです。
美肌のためにもまずは、ポイントメイク落としを買って使うことからぜひ始めてみてください。
取材・文/高田空人衣