空気が乾燥する季節になると、「しっかり保湿しているのに肌がつっぱる」「かゆみや粉ふきが気になる」といった声が増えてきます。じつは、肌の乾燥は外気や暖房などの“環境要因”だけでなく、腸内環境や血行不良といった“体内要因”も深く関係していることがわかってきました。
そんな中、注目を集めているのが腸内環境を整える「発酵性食物繊維」。最近の研究では、肌のうるおいやキメ、シワの改善といった美容効果も確認されています。乾燥が本格化する今こそ見直したい、“腸からの乾燥対策”について、美容皮膚科医の山﨑まいこ先生に教えていただきました。
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スキンケアだけでは不十分!冬の乾燥は「外」と「内」から進行する

みなさんは日々、冬の温度・湿度についていくのが大変!と感じているかもしれません。冷たい空気と、カラカラに乾燥した空気は肌の大敵です。一般的に、湿度が50%を下回ると肌の水分が奪われやすくなり、乾燥肌やかゆみ、肌荒れなどのトラブルが起こりやすくなるといわれています。
この乾燥、冷たい外気や暖房による空気の乾燥といった「環境要因」に目が向きがちですが、じつは見逃せないのが「体内要因」です。寒さによる血行不良や、食生活の乱れによる腸内環境の悪化は、肌の代謝や水分保持力の低下につながり、乾燥を悪化させる原因に。
つまり、冬の乾燥対策はスキンケアだけでなく、体の内側から整える視点が欠かせないのです。
乾燥肌対策はインナーケアがカギ。腸を整えると肌は変わる?

肌は「外側からのケア」と「内側からのケア」の両輪で育てるもの。とくに乾燥が気になる季節は、内側からのサポートが重要になります。
インナーケアの基本は、
- 栄養を整える
肌の材料となるたんぱく質をはじめ、皮ふの代謝やバリア機能を支えるビタミンA・B群・C、亜鉛や鉄などの微量栄養素を意識してとること。 - 良質な脂質をとる
皮脂膜や角質細胞間脂質の材料となるオメガ3・オメガ9などの必須脂肪酸を含む食品をとり入れる。 - 腸内環境を整える
腸が整うことで栄養の吸収効率が高まり、血液や皮ふの状態が改善しやすくなる。
中でも注目されているのが「腸内環境」。腸内環境が乱れていると、せっかく栄養をとっても十分に働かず、肌の乾燥や荒れにつながってしまうことがあります。乾燥肌改善の第一歩は、腸を整える“腸活”から始まるといえそうです。
美容効果も確認!新たな腸活成分「発酵性食物繊維」とは?
腸活といえば、乳酸菌などの“菌”をとるイメージが強いかもしれませんが、今注目されているのが「発酵性食物繊維」です。
発酵性食物繊維とは、腸内に届いたあと腸内細菌のエサとなり、短鎖脂肪酸と呼ばれる有用な成分を生み出す食物繊維のこと。短鎖脂肪酸は、腸内のバリア機能を高めたり、炎症をおさえたりする働きがあり、全身の健康や美容に関わる成分として注目されています。
美容皮膚科医・山﨑まいこ先生は、「大切なのは、いい菌をとることだけでなく、腸内細菌に“いい働き”をしてもらうこと。そのための素材が発酵性食物繊維」と話します。
これまでの腸活を一歩進めた、新しいインナーケア成分といえそうです。
データが証明!発酵性食物繊維で“乾きにくい肌”へ
30~40代女性を対象に行われた研究では、1日約12gの発酵性食物繊維を6週間継続してとった結果、肌のうるおいやキメ、シワにうれしい変化が確認されました。
具体的には、
・肌の水分が保たれやすくなり、乾きにくい状態へ
・肌表面の凹凸が減少し、キメが整った
・シワや目立つ毛穴の数が減少
といった結果が、画像解析などの客観的データでも示されています。水分の蒸発量が抑えられ、肌のバリア機能が高まったことも確認され、スキンケアだけでは難しい変化が“内側から”起きていることがわかります。

山﨑先生も「腸内環境を整えることで、肌のハリやみずみずしさが高まり、他の美容成分の効果も発揮されやすくなります。スキンケアでは難しい変化が、インナーケアで実現できるケースもあるので、毎日少しずつ続けることが、美容にもメンタルにもよい影響を与えるのではないでしょうか」とコメントしています。
今日からできる!発酵性食物繊維をとり入れるコツ

ぜひ、日々の食生活でとり入れたい発酵性食物繊維。一見難しそうに感じるかもしれませんが、特別な食品の必要はなく、日常の食事からとることができます。具体的には根菜類、きのこ類、海藻類、豆類などがあげられました。実際に先生おすすめのレシピとして、
・ごぼうやにんじんを使った和風ポトフ
・海藻やキノコ入りの具だくさんみそ汁
など、身近な食材で発酵性食物繊維が手軽にとれるものを教えていただきました。

先生ご自身も「週末に野菜を小分け冷凍しておく」「かみ応えのある食材を常備する」など、忙しくても続けるための工夫を実践しているそう。無理なく続けるには、
「まずは、発酵性食物繊維を1日+3g意識してとることから始めてみてください」とのことです。
湿度がグンと低くなる乾燥シーズンは、肌にとって試練の時期。外側からの保湿ケアに加えて、腸内環境を整えるインナーケアをとり入れることで、乾きにくく健やかな肌を目指せます。
この冬は、「発酵性食物繊維」を味方に、内側からうるおいを育てる新習慣を始めてみてはいかがでしょうか。
監修:山﨑まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック院長・皮膚科医。勤務医として形成外科医、皮膚科医、美容皮膚科医として務め、2017年東京・代官山にクリニックを開業。皮膚科医としての診療経験を重ねる中で「内側からのケア」の重要性を痛感し、ホリスティック医療に基づいた美容と健康のトータルサポートを行っている。内側と外側の両面から“真の美しさ”を引き出すスペシャリストとして幅広く活躍中。オーダーメイドで患者に寄り添う医療には定評があり、各界著名人やビューティー関係者からの信頼も厚い。
文:FYTTE編集部



