冬は空気が乾燥することで、頭皮も乾きます。フケ、かゆみなどのトラブルも多くなります。もしかすると、それは脂漏性湿疹が原因かもしれません。冬に多い頭皮のトラブル、脂漏性湿疹について、ひふのクリニック人形町の上出良一院長にうかがいしました。
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■頭皮は乾燥すると、皮脂が多くなる
脂漏性湿疹は、皮脂の分泌が過剰になって起こる皮膚疾患です。冬は空気が乾燥することで、頭皮も乾いているはずなのになぜ皮脂が過剰に? と思うかもしれません。
頭皮は顔や体よりも皮脂腺が多い場所。頭皮が乾くと、その状態を改善しようと皮脂がどんどん分泌されるため、じつは夏よりも冬のほうが皮脂の分泌が多くなるのです。それが脂漏性湿疹の引き金になるというわけです。
脂漏性湿疹になると、頭皮にさまざまな症状が出ます。
1.湿疹、赤味が出てくる
頭皮に赤味や黄色っぽいブツブツが出てきます。
2.頭皮がかゆくなる
頭皮の乾燥もかゆみの原因になりますが、脂漏性湿疹ではかゆみが強くなります。
3.フケが出てくる
湿疹ができた部分の頭皮がはがれ、フケ状になります。乾燥によるフケは粉っぽいのが特徴ですが、脂漏性湿疹では、湿った感じのやや大きめのフケが出てきます。
■脂漏性湿疹には椿油で頭皮のケアを
頭皮にかゆみやフケが出てきたら、脂漏性湿疹かもしれません。では、どのようなケアをすればよいのでしょうか。上出院長がアドバイスします。
1.毎日シャンプーをすること
「基本は、毎日シャンプーをすること。中性タイプがおすすめです。そして、よくすすぐことが大切。頭皮にシャンプー成分が残っていると、刺激になり、炎症がひどくなることがあります」(上出院長)
2.シャンプー前に、頭皮に椿油を塗る
「フケ、かゆみに効果的です。椿油はシャンプーにも使われる成分で、さらっとした感触。これを頭皮に薄く塗って、なじませてからシャンプーをすると、油の層が出きて、フケをからめとってくれます。頭皮を乾きから守り、いい状態にもしてくれます」(上出院長)
こうしたケアで、脂漏性湿疹は症状が落ち着くことも多いそうです。
「それでもかゆみが強く、湿疹が改善されないようなら、皮膚科にかかりましょう。ステロイド外用薬で治療していくのが一般です」(上出院長)
取材・文/海老根祐子