心身ともにリラックスできるバスタイムは、女性にとってはとっておきの美容タイム。最近は「インバスケア」商品も続々登場しています。そこで、入浴中におすすめの美容法を、入浴医学の第一人者としてメディアにも数多く登場している早坂信哉さんに伺いました。
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「インバスケア」商品でしっかり保湿を!
一日の終わりの入浴タイムをどう過ごすかで、キレイの差が生まれるとしたら? なにもしないでぼーっと入浴するのもいいですが、ながら美容法で時間も空間も有効に使いましょう。
「昨年から出始めた『インバスケア』商品。これは、浴室で使うことを前提に作られた商品で、『バスの中でケア』を意味します。
お風呂上がりに保湿ケアするべき制限時間『保湿リミット』を計測したところ、入浴後、浴室から出た1分後から皮膚水分量は落ちはじめ、『保湿リミットは10分まで』であることがわかりました。皮膚科学の観点から、皮膚水分量が保たれているうちに保湿ケアをするべきと考えると、お風呂上がり10分が限度なのです。しかし、入浴中にインバスケア商品の保湿化粧品(泡パック)を塗布したところ、入浴後の浴室から出た1分後の皮膚水分量が何もしないときよりも2倍近い水分量を保ち、1時間後まで入浴前の肌水分量をキープしていました。
これは、お風呂での保湿ケアがお風呂上がりの過乾燥予防に効果的であり、インバスケアすることで『保湿リミット』が伸びることがわかりました。泡パックは、入浴中に顔に泡を乗せ、3分置いてシャワーで流すだけという手軽さで、大きな効果が出ています。
ちなみに、同じ泡でも石けんの泡では保湿はできないのでNGです。また、ぬれている肌用以外の通常のパックなどを入浴中に使うことについては、効果はわかりません。肌が乾いた状態で使うことを前提にした商品は、使用方法を守ったほうが賢明です。
また、入浴中に蒸しタオルで顔をおおい、毛穴を開かせるという情報もありますが、あまり熱すぎる蒸しタオルは皮膚に悪影響です。荒れることもあるので、おすすめはできません」(早坂先生)。
マッサージはなんでもOK! NGなのは半身浴!?
「このほか、入浴タイムにおすすめなのが、マッサージ全般です。リンパマッサージや足裏マッサージ、ヘッドマッサージやバストアップのマッサージなどは、室内などで普通にやるよりも血流がよくなっている状態なので効果的です。ヘッドマッサージはシャワーでお湯をかけながら頭のこりをほぐしましょう。
一方、デトックス目的で長風呂や半身浴をすることはNGです。これは間違った情報で、たくさんの汗を流したところでデトックスにはなりません。そもそも汗はただの水分で、毒素などありません。汗をかくということは、体温が上がっているサイン。血流は上がるので、汗をかくこと自体はいいのですが、たくさん汗を出すために熱いのをガマンしたりすると、熱中症の原因になるので気をつけましょう。
半身浴は、肩までお湯に浸かると息苦しく感じるという人にはおすすめですが、肩まで浸かる全身浴と比べると入浴効果は半分です。入浴には、温熱効果や、体を水圧で締めつけることで血流がよくなる水圧効果、浮力効果などがありますが、半身浴は全部全身浴の半分しかありません。だからこそ全身浴より長く入れるというだけですが、逆にいうと長く入らないと体が温まらないということ。しかも長く入ると、保湿成分がどんどんお湯に溶け出してしまうので、お湯につかっている下半身は、入浴後、乾燥してかゆみなどが出る原因にもなります。全身浴で息苦しくなるような体調不良がない限り、長々と入る半身浴はスッパリやめましょう!
取材・文/奥沢ナツ