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ダイバーシティモデルブームで体形も年齢も気にしない時代に~DOLCE&GABBANAのランウェイレポート~
近年、ダイバーシティ(多様性)という言葉がよく使われます。これは多様な人材を積極的に活用しようという考え方ですが、ファッションにおいては、当初は人種の多様性と言う意味でこれまでの白人主流の枠を超えたそれ以外のモデル、または性別の多様性と言う意味でのトランスジェンダーモデルなどが主流でした。が、最近ではさらに一歩進み、カーヴィ(ぽっちゃり系)のスターモデルたちが次々と現れたり、一時代を築いたモデルやストリートキャスティングで起用したモデルなどがラグジュアリーブランドのランウェイにも登場し始めました。
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ラグジュアリーブランドが多様性のあるモデルを起用
世界のファッション都市で開催されるファッションウィークにおいては、どちらかというとこの手の話はニューヨークが主導だったように思うのですが、今シーズンはミラノでもそれが顕著に見られました。例えば、ドルチェ&ガッバーナ 2019 春夏 コレクションのショーでは、カーヴィモデルとして最も有名なアシュリー・グラハムがランウエイに登場。それだけでなく、イザベラ・ロッセリーニやモニカ・ベルッチ、カーラ・ブルーニなど同ブランドゆかりの往年の女優やモデルと新しい扉を開くミレニアル世代を対極的に取り混ぜ、世代や性別、年齢を問わず愛をもってすべての人を受け入れるなど、世間へのアンチテーゼも含んだメッセージを投げかけていました。同様にマルニにもレディスのショーではカーヴィモデルを起用したり、メンズではさらに年齢や体型を始めとしたさまざまなボーダーを超えた視点からモデル選びをして、多様性を掲げていました。
イタリアではカーヴィブランドが大人気
一方、これはカーヴィ系に限っての話になりますが、これらのトップブランドだけでなく、イタリアでは「エレナ・ミロ」というサイズ42(13号)以上の服の身を扱うドメスティックブランドが大きな人気を得ています。ミラノコレクションにも登場していたことのある実力のあるブランドで、今シーズンもイタリアの有名タレントとのコラボコレクションを発表するなど、益々の快進撃を続けています。また有名デパートがファッション界の有名人達とコラボしてカーヴィ系のカプセルコレクションを作るなどの動きもあります。
写真/Dolce&Gabbana 文/田中美貴、ホリ・コミュニケーション