年齢とともに白髪やうねり、薄毛、ボリュームが出ないといった髪の悩みも増えてきます。「どんなケアをしたらいいの?」と悩むところですが、じつは、日常的な地道なケアがもっとも大切で効果的なのだとか。そこで、今回は「白髪」をテーマに、『大人の「品」は艶髪でつくられる』の著者で、美髪アドバイザーの田村マナさんに美しい髪をつくるためのポイントを教えてもらいました。
Contents 目次
どうして白髪に? 白髪のメカニズムとは
まずは、どうして白髪になるのか、そのメカニズムについて教えてもらいました。
「もともと髪の毛には色がついていないんです。髪の毛が生える途中でメラニン色素によって色がつきます。メラニン色素は生まれ持ったものなので、人種などによって違っていて、金色に近かったり、赤色に近かったり、茶色がかった黒だったりします。このメラニン色素がつくられなくなると、髪に色がつかずに白髪のまま生えてしまうんです」
白髪を防ぐためには、「紫外線」「ストレス」「皮脂汚れ」「食品添加物」「摩擦」という5大ダメージをできるだけ避けるようにするのが大切なのだそう。
「ほかにもさまざまな原因がありますが、この5つはとくに要注意です。これらが細胞にストレスを与えると活性酸素が発生し、体を酸化させます。酸化というのは『体がサビつく』ということで、体がサビつくとメラニン色素を作りだす細胞が衰え、白髪になってしまうからです」
白髪になっても元の色に戻せる可能性も!
一度白髪になるともう元には戻らないような気がしますが、田村さんによると「戻る可能性はある」のだとか!
「髪に色がつかずに白いまま生えてしまうのは、メラニンがなくなったわけではなく、メラニンの働きが衰えているということなので、色を戻せる可能性はあります。そのためには、細胞の酸化を防いでメラニンの働きを活性化するのがもっとも効果的です」
田村さんは、酸化を防ぐには「食事」と「白髪用の頭皮美容液」が効果的といいます。
「季節の野菜やフルーツなど、抗酸化成分をたくさん含んだ食品をとるといいですね。また、わかめ、昆布、ひじき、のりなどの海藻類にもメラニンを活性化させる栄養成分があるのでおすすめです。食品は体の内側からの改善をめざすものですが、美容液で頭皮の表面からアプローチするのも効果的です。美容液には酸化を抑制する成分をはじめ、メラニン色素を活性したり、炎症を抑えたりする成分などが入っていて、有効成分を毛根や頭皮に直接届けることができます」
「食事」も「頭皮用美容液」も、半年から8か月は続けることが大切だそう。今、生えている髪の毛はもう変えることはできないので、これから生えてくる髪の毛をしっかり育てるためにきちんとケアを続けていくということが重要なのです。
最近注目の「グレイヘア」もケアが重要
最近は白髪を染めずにそのまま楽しむ「グレイヘア」に注目が集まっています。きれいなグレイヘアをつくるポイントについても教えてもらいました。
「メラニン色素がなくなってくると、髪の毛がごわつきやすくなったり、きれいな白ではなく黄色っぽくなったりします。きれいな白髪というのは透明感が大切で、そのためにはやはり『抗酸化』が大切です。酸化を防ぐと、透明感のある白い色になり、みずみずしくツヤ感も生まれます。透明感のある白髪は、清潔感もあってステキです」
頻繁なカラーリングなどで髪の毛そのものが傷んでいる人は、「まとまりにくくなってボサボサした印象になったり、髪の色がまだらになったりしがち」なのだそう。
きれいなグレイヘアをつくるには、何よりも日ごろのケアが重要。今は白髪がないけれど将来グレイヘアをめざしているという人も、今からしっかりヘアケアを心がけておくとよさそうです。
参考書籍
田村マナ著『大人の「品」は艶髪でつくられる』(ワニブックス)
取材・文/小高希久恵