ふだん「髪にいい」と思ってやっていることが、じつは髪を傷めていることがあるのだとか! そこで、『大人の「品」は艶髪でつくられる』の著者で、美髪アドバイザーの田村マナさんに、私たちがついついやってしまいがちな髪のNG習慣を教えてもらいました。
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「朝シャン」はNG! 夜洗って頭皮を整えて
朝にシャンプーする「朝シャン」は、朝からスッキリできてよさそうな気がしますが、意外なことにNG!
「シャンプーすると頭皮の皮脂も落ちてしまい、肌のバリア機能といわれている保湿成分が全部なくなってしまいます。つまり、外からの刺激や紫外線に無防備な状態になってしまうということなんですね。そんな状態で外に出ると、ダイレクトに髪や頭皮にダメージを受けてしまうんです」(田村さん)
皮脂膜は数時間でつくられるので、夜にシャンプーをして、寝ている間に皮脂膜を復活させておくことが大切なのだそう。
「シャンプーのやり方も重要。優しく、地肌の皮脂を浮かせるように、シャンプー剤をなじませるように、クレンジングしているようなイメージでシャンプーします。力を入れてゴシゴシ洗ってしまっている人も多いのですが、摩擦は地肌を傷めるので、“やさしく”がポイントです。お湯も、熱すぎるとシャンプー後に地肌が乾燥してしまうので、38度くらいの人肌程度のぬるま湯がベスト。また、洗いすぎもNGなので、『夜も朝もシャンプーする』とか、『整髪料がついているから2回シャンプーする』といったことも避けたほうがいいですね」(田村さん)
自然乾燥はNG! すぐに乾かすのが鉄則
シャンプーをしたあとドライヤーを使わずに乾かす「自然乾燥」。「ドライヤーの熱は髪に悪そう」「面倒くさい」といった理由で自然乾燥をしている人も少なくないと思いますが、じつは自然乾燥は髪や頭皮にダメージを与える原因に!
「濡れた状態の髪はキューティクルが開いているので、そのままにしていると水分や栄養が抜けだしてしまいます。また、地肌には常在菌がたくさんいて、常在菌が増えすぎるといろいろな悪さをし始めるんです。頭皮や髪が濡れたままの状態だと菌が繁殖しやすくなり、かゆみやにおいの原因に。抜け毛や白髪の原因にもなるといわれています」(田村さん)
それを防ぐには、「髪を洗ったらすぐにドライヤーで乾かす」ことがなによりも大事なのだそう。自然乾燥だと、髪の毛につやが出ないというデメリットもあるといいます。
「自然乾燥だと、髪がパサついてうねりが強くなり、乾燥もしやすくなります。カラーリングしている人は退色しやすくなりますね。髪のまとまりが悪くなるので寝癖もつきやすくなってしまうんです。朝のスタイリングがなかなか決まらないという人は、ドライヤーできちんと乾かしてから寝るようにすると、まとまりやすくなりますよ」(田村さん)
白髪を抜くのはNG! 抜かずにカットして
白髪を1、2本発見したとき、つい抜いてしまいがちですがこれもNG! 抜くと、そのあとに毛が生えてこなくなってしまう恐れも!?
「髪を抜くと、毛根に大きなダメージを与えてしまいます。よくあるのは、抜いたあと、次の毛が皮膚の下に渦状に埋まってしまうというケース。もともと髪の毛は周期があって生えてくるものなので一度抜くと次の毛の準備ができるまでしばらく生えてこないのですが、それとは違って、毛が皮膚の中に埋もれて表面に出られなくなってしまうんです。最悪の場合、二度とその毛穴から髪が生えてこないということもあります」(田村さん)
逆に、「白髪は抜くと増える」ともいわれていますが、その可能性もあるのだとか。
「抜いたときの刺激によって細胞が誤った情報を発信し、白髪が増えるといわれていますね。いずれにせよ、白髪を抜くことで同じ毛根から生えているほかの健康な髪にも悪影響を与えてしまいます。ですから、白髪が気になるときは抜くのではなく、根元からカットするのがおすすめです」(田村さん)
参考書籍
田村マナ著『大人の「品」は艶髪でつくられる』(ワニブックス)
取材・文/小高希久恵