「髪の毛や頭皮のケアをしているのになかなか美髪が育たないという人は、髪に必要な栄養が足りていない可能性があります」と『大人の「品」は艶髪でつくられる』の著者で、美髪アドバイザーの田村マナさん。髪の質をアップするために絶対不可欠という「美髪3大フード」を教えてもらいました。
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一番重要な美髪フードは「たんぱく質」
人の体も髪もほとんどはたんぱく質からつくられています。それなのに私たち現代人は、戦後の物資のない時代と同じ程度しかたんぱく質を摂取できていないというから驚きです。
「栄養素が足りなくなるもっとも大きな原因は、ダイエットや健康法などで偏った食生活をしていること。また、野菜ばかりの食生活も、一見健康的ですがたんぱく質は不足しがちなので注意が必要です」
たんぱく質というと鶏肉が思い浮かびますが、それ以外にも、牛肉や豚肉などの肉類、卵や牛乳などの動物性たんぱく質は、体に吸収されやすく、効率のいい食品なのだそうです。
「ただし、動物性たんぱく質には脂質も多く含まれているので、ダイエットが気になる人は食べすぎないように注意が必要です。私がおすすめしたいのは、毎日の食事にたんぱく質を“ちょい足し”すること。例えば、ゆで卵や納豆、大豆の水煮、イワシやサバなどの魚の缶詰、ナッツ類など。動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよくとるように工夫してみてください」
2つめはミネラル。なかでも「ブラックフード」
昔から「ワカメを食べると髪が増える」といわれていますが、実際はワカメを食べても髪は増えないのだとか。でも、そういわれてきたのは、ワカメに含まれる豊富なミネラルが髪にいいから。
美しい髪をつくるのに大切なのは、鉄、マンガン、マグネシウムといった13種類のミネラル。なかでも亜鉛は不足すると白髪になるといわれていて、白髪予防のためにもきちんととっておきたい重要なミネラルなのだそう。
「ミネラルにはたんぱく質の吸収を高めるという働きもあって、そういう意味でもとても重要です。でもミネラルは人の体内でつくることができないので、毎日の食事からとるしかないんです。それなのに現代の日本人はミネラルが圧倒的に不足しているんですよ」
どんな食品にどんなミネラルが入っているか考えるのは大変。そこで田村さんは「ブラックフード」をすすめているそうです。
「『ブラックフード』というのは、黒い色の食品です。例えば、ワカメやのり、ひじきなどの海藻類、塩昆布、黒ゴマ、プルーンなど。東洋医学ではきのこ類も黒い食品に含まれます。見た目の色で選べばいいので簡単だと思います。例えば、いつもの料理に黒ゴマをふってみたり、スープにワカメを加えてみたりと工夫して、ミネラル摂取量を増やしてみてください」
3つめは腸をきれいにする「発酵食品」
食べものは腸から吸収されるので、腸がきれいでないと、せっかくいいものを食べても体に吸収されません。腸の汚れ具合はなかなか自分ではわからないのですが、一般的に、現代人の腸は汚れているといわれているのだとか。
「私たちの腸には3万を超えるといわれる腸内細菌がすんでいて、それらは、体にいい働きをする善玉菌、腸内で食べたものを腐らせたりガスを発生させたりする悪玉菌、働きがコロコロ変わる日和見菌の3つのグループに分けられます。20~30代はこの3つのグループのバランスが比較的安定しているのですが、加齢とともに悪玉菌が増えてバランスが崩れてきます。そうすると、それまでと同じものを食べても、同じだけの栄養を吸収できなくなってしまうんです」
そんな腸内のバランスを整えてくれるのが「発酵食品」。発酵食品は、乳酸菌やビフィズス菌などが含まれていて、善玉菌と日和見菌を増やしてくれる効果があるのだそう。
「私がおすすめしたい発酵食品は、甘酒、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルト、飲むお酢です。なかでもぬか漬けは、大根やきゅうりを漬けることでビタミンやミネラルも何十倍にも増えるので、生で食べるよりもだんぜん効率的に栄養をとれておすすめです」
参考書籍
田村マナ著『大人の「品」は艶髪でつくられる』(ワニブックス)
取材・文/小高希久恵