多くの日本人が悩まされている花粉症。そこで今回は、『お風呂研究20年、3万人を調査した医者が考案 最高の入浴法』の著者で医学博士の早坂信哉さんに、花粉症に効果のあるお風呂の入り方を教えていただきました。
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花粉症にはぬるま湯が最適!
スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で、くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を起こす花粉症。現在、日本人の4人に1人は花粉症といわれています。このつらい花粉症を改善するひとつの方法として、今日からすぐできるお風呂の入り方はとても有効です。
「花粉対策の基本は、アレルギーの原因となる物質『アレルゲン』となる花粉の除去です。外出すると、服や髪、顔などの露出している部分に花粉が付着してしまいます。これを室内に持ち込まないためにも、帰宅したらすぐにシャワーや入浴するのがおすすめです。
シャワーや入浴をせずに布団に入ると、花粉を布団に持ち込むことになり、夜間もずっとアレルゲンと接触することに。その結果、花粉症が悪化することにもつながります。帰宅後はすぐ浴室に直行し、40度程度のお湯でシャワーもしくは入浴しましょう。気をつけたいのが、お湯を熱くしすぎないこと。42度を超えるお湯では、アレルギー症状を悪化させるヒスタミンという物質が生まれてしまうことが研究でわかっています。ぬるま湯程度のお湯を使いましょう。
「湯気」で鼻づまり解消も
お風呂の「湯気」にも花粉症特有の「鼻づまり」をやわらげる効果があるといいます。
「花粉症による鼻づまりは、鼻の粘膜の充血が原因です。ですので、お風呂に入って血流をよくし、温かな湯気を吸いこむことで、一時的ですが鼻づまりも解消できます。しかも、湯気を吸いこむことで、気道に適度な湿り気を与え、器官の異物を排出させるための繊毛(気管支の粘膜を覆う上皮細胞の外表面にある繊毛)の運動を正常化する効果も期待できます。
また、最近の研究では、顔面へのネブライザー療法(薬品を含んだ湯気をあてる治療法)で涙目や目のかゆみ、顔の乾燥などといった花粉症の症状が改善したという報告もあります。さらに、昔からの眼科の処置のひとつに、蒸しタオルや器具で目を温める『温罨法(おんあんぽう)』という方法もあるので、お風呂の湯気や蒸しタオルを顔にあてることで、目や顔の症状を軽減することも考えられます」
参考書籍
『お風呂研究20年、3万人を調査した医者が考案 最高の入浴法』
文/奥沢ナツ