今や、UVケアは通年で必要と言われています。紫外線から肌を守ることで、肌の老化を遅らせられると考えられていることもその理由のひとつにあります。頭ではわかっていても、紫外線とどのようにつき合っていけばいいのか、悩んでいる人も少なくありません。今回は、UVケアについて。かずのすけ先生が実践されているケア法もお聞きします。
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日焼け止めを塗っても絶対に焼けないわけではない
——紫外線から肌を守りたいのは、誰もが願っていること。まず、どのようなことを意識すればいいのでしょう。
「はじめに、紫外線には『UVB』と『UVA』の2種類があります。UVB は波長が短く肌が赤くなるなど炎症を引き起こします。皮膚が赤くなる炎症を遅らせる指数を『SPF』で表現します。UVAは波長が長く皮膚の深部に届いてしまう紫外線。長い年月蓄積することでシミやシワなどの老化現象を引き起こします。UVA波を防ぐ指数が『PA』です。
それぞれの数値や+マークが多くなるほど日焼けしにくくなりますが、勘違いしてはいけないのが、決して“塗っている間は紫外線の影響を0にできる”わけではないこと。長く浴び続ければいずれは日焼けしてしまいます」(かずのすけ先生)
——紫外線対策について、かずのすけ先生はどのように行うべきだと考えられていますか?
「紫外線から肌を守りたいなら、『できるだけ当たらないようにする』のが大前提です(笑) しかし、日常生活を送るうえでこれはなかなか難しいことですよね。紫外線とどのようにつき合うかは、人によって異なるのは当然だろうと思います。それは、考え方や感覚によるところが大きいからです。
僕自身は、“ゆるくつき合いたいタイプ”で、夏場であっても現時点での最強値=SPF50+/ PA++++は使いません。SPF30 / PA+++の数値のものを年中塗っているだけです。でも、これにも僕なりのルールがあって、紫外線吸収剤の入っていないタイプのものを選んでいます。肌への負担を考えたうえで、使用感のいいと思えるものを選んだ末、ここに落ち着きました。
“ゆるくつき合いたいタイプ”の僕がSPF30を選んでいるのは、肌が強くないのが1番の理由です。しかし、炎天下でのスポーツを楽しむような生活環境である人には、これでは心許ない、と感じるかもしれません。強い紫外線を浴びるときは、吸収剤の入っていないタイプのSPF30を塗った上にSPF50などの強いものを重ねることをおすすめしています。」
簡単にできる日焼け止めの塗り直し法
ーー外出先でのメイクや日焼け止めを直す必要のあるときはどのようにすればいいのでしょう?
「まずは、化粧崩れやテカリの気になる部分があるかどうかをチェックしてください。気になるようなら、メイク用のスポンジやティッシュなどでそっと抑えます。あとは、SPFつきのパウダーファンデやUVパウダーなどをていねいに重ねたら終了です。パウダーはSPF20~30程度のものでも伸びにくい分強いUVカット効果があるので、ムリにメイクをオフしてから日焼け止めを塗り直さなくても日常的な日焼け対策には十分です。外出時の荷物も増やすことなく、簡単にできる方法だと思います。ぜひやってみてください」
——日焼けは老化を進めてしまうのは、これまで生きてきた中での経験からもわかります。ストレスなくケアすることが何より大切なんだろうと考えさせられました。
「ストレスだけでなく、僕は、どんなものに対しても恐怖心で臨むことでいいことはないと考えています。化粧品の広告などでも「今までの日焼け止めでは防げていなかった!」「紫外線に1日当たると10倍老化する!」など消費者の恐怖を煽って購入させようというものを目にすることが多いのですが…、恐怖観念に駆られて行う美容が本当に肌にいいのかな?と疑問に思うことがあります。もちろんそれでも日焼けしたくない、老化したくない!と思う人は、完全防備でもいいと僕は思っていますが、ストレスを感じながらやっているのだとしたらそれは違うのかなと感じますね。例えば日焼け止めを塗ることそれそのものがストレスに感じるのだとしたら、きっぱりやめてしまったほうが老化とはまた違った別の意味で美しく生きられる人もいると思うのです。近年の潮流のひとつに、美しく老化したいという考え方もありますよね。
ようは、どのような生き方をしたいのか。それぞれの持つ感覚や“なりたい自分”に合わせて、紫外線に向き合っていければ、それでいいのではないでしょうか」
『オトナ女子のための美容化学 しない美容』(ワニブックス)
取材・文/渡部玲