大人女子にとってベースメイクは、その日のメイクアップの良し悪しを決める重要な要素。その要となるのがファンデーション選びです。流行りのツヤ肌を作るにはどんなアイテムを選ぶのが正解か、肌にやさしいファンデーションはどう選ぶべきか、美容科学者・かずのすけ先生に教えていただきます。
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ツヤやかな美肌は“粉”で作る?正しいファンデーションの選び方とは
——自分の肌と好みに合ったファンデーションを選ぶのはとても難しいです…。
「僕もそう思います。本当に難しい。ツヤ系やマット系などの種類がある中で、どのような肌に魅せたいか、という視点で選ぶのは正直なところ僕はあまり得意ではありません(苦笑)しかし、肌にやさしいという視点で選ぶのは得意です!
今、ツヤ肌がトレンドのようですから、美しいツヤ肌を作ってくれるファンデーションの選び方についてお話しましょう。
——ズバリ、ツヤ肌を作るにはどんなファンデーションがいいのでしょうか?
そうですね。ツヤ肌になりたいと思っている人は油分が多めの「リキッドファンデーション」を使うことが多いのではないでしょうか。特にオイリーなファンデほどツヤが出やすいのは事実です。ただ、ツヤやマットさを演出するのは「光の反射」なので、配合されている「粉体」の種類も大きく関係しています。平たく言えば、パウダーファンデでも、選び方によってはツヤ肌を作ることはできるのです。ベースメイクアイテムというものは、主に粉体で着色されていますから、リキッドやクリームファンデにも粉体が配合されているのです」(かずのすけ先生)
簡単にツヤ肌が手に入れられそうなオイル。でもファンデとの重ねづけには注意を
——ツヤ肌のためにファンデーションにオイルを混ぜる方法も人気ですが…?
「確かにツヤ肌を作りたいという思いが強いせいか、肌に多めにオイルを塗ったり、リキッドやクリームファンデにオイルを混ぜたりする人もいると聞きます。ただ、油分を加えて添加するとファンデーションの質感や発色が変わってしまったり、油分過多によりメイクのよれやテカリ肌の要因になってしまう懸念もあります。ほかには、馬油やアーモンドオイルなどの「油脂」類も酸化しやすい性質があることでシミなどの原因になることも。ファンデにオイルを混ぜている人は、今1度チェックをしてみてください。
これらの理由からも、粉体成分に着目したツヤ肌作りがかなりお勧めです。」(かずのすけ先生)
——ファンデーションで「ツヤ系」と「マット系」を選ぶポイントはありますか?
ツヤは「板状粉体」という平たい粉体成分が光を直線的に跳ね返すことで見えるものです。自然なツヤはタルクやマイカ(セリサイト)、酸化チタンなどが得意で、はっきりしたツヤを見せたい場合は合成金雲母(合成フルオロゴパイト)などを探すと良いです。マット肌へと導くのは「球状粉体」といって、光を拡散反射するのでぼんやりした発色となり、シワやシミを隠すのも得意です。こちらはシリカやナイロン、ポリエチレン、○○クロスポリマーなどの合成粉体が多いですね。これをしっかり見極めながら、自分自身で納得できるアイテムを探してみて下さい。ファンデーションも肌との相性で選んでほしいと思っています。
——なるほど!ちなみに、「崩れないファンデーション」はお肌に負担がありますか?
そうですね。あまりにがっつり崩れない系のものは、毎日使うべきではないと僕は考えています。どうしても崩したくない日やイベントのときだけに用いるのがよいと思っています。例えば、1日中出かけるデートの日などはもちろんよいのですが、普段はメイクオフしやすく、適度にメイク崩れする一般的なファンデーションを使うのがよいでしょう」(かずのすけ先生)
——化粧品全般に言えることだとは思いますが、とりわけファンデーションなどのベースメイクアイテムの進化は凄まじく感じます。新作が出るたびどんどんチェンジしてもいいのでしょうか?
「新しいものほどクオリティは上がっていますし、特にメイクアップの成分の進化と発展は急速で、それは一般的なスキンケアの成分と比べてもとてもスピーディと言えます。
そういった点から考えても、僕も新しいものを取り入れていくのはよいと思えます。配合されている粉体だけをみても、その進化は明らかですから。少し前では、ノンコーティングといって、金属の成分が直接肌に触れるものが多かったのですが、今ではほとんどの製品がコーティングされています。つまり肌にとってやさしく、安全なものが多くなっています。とは言え、自分の肌にぴったり!と思えるものがあれば、それを使い続けるのも悪くはないと思います。新しいものを使うときは、肌の弱い人は顔の皮膚に最も近い首で試してみるなど、様子を見ながら慎重に行ってください」(かずのすけ先生)
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取材・文/渡部玲