ほっとひと息つくためにカフェでコーヒーを飲むのを習慣としている人も多いでしょう。気持ちをラクにしてくれるコーヒーですが、その中に含まれるカフェインにはさまざまな影響が知られています。肌への影響も気になるところ。最近、顔に赤みを起こす「酒さ(しゅさ)」への影響を調べた研究から少しうれしい結果がわかりました。
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コーヒーの最も特徴的な成分
コーヒー豆に含まれるカフェインは、コーヒーの最も特徴的な成分。このカフェインには、眠気覚ましの効果や興奮作用があり、利尿作用もあります(全日本コーヒー協会)。
このカフェインの効果は肌にも及びます。例えば、カフェインは血管を収縮させる効果があるので赤みを抑えると考えられています。また、ニキビを招くという指摘もあります。一方で、ホットコーヒーとして飲まれることも多く、その熱によって肌が赤くなると言われることもあるようです。
そんな中で、肌に赤みを起こしやすい「酒さ」と呼ばれる症状に対するカフェインの効果が中国やカナダ、米国の国際研究グループから報告されています。
酒さは、食べ物や化粧品などの影響で肌が赤くなってしまうもので、赤ら顔の主な原因のひとつに挙げられるものです。悩んでいる人も多いと見られ、皮膚科のクリニックでもみてもらうことができます。
研究グループが調べたのは、そんな酒さとカフェインとの関係です。アメリカで20年間近くにわたって行われていた追跡調査の8万人以上のデータから分析しています。調査の中では、食生活と健康の影響が調べられており、このデータに基づいて、コーヒー、お茶、炭酸飲料、チョコレートなどのカフェインを含む食品を食べることと酒さとの関連性について分析をしたのです。
コーヒーに含まれるカフェインに効果がありそう
分析の結果、カフェインを多くとっている人ほど、「酒さ」にはなりにくいことがわかりました。確率で言えば、リスクが24%低下するという数字が示されています。
カフェインは、コーヒーだけに入っているわけではありませんので、研究グループは、こうした酒さを減らす効果がコーヒーによるものなのかも調べています。すると、不思議なことに、コーヒー以外のお茶や炭酸飲料、チョコレートについては酒さが減るような効果を確認できませんでした。コーヒーからカフェインをとったときだけ、リスクが20%低下するという結果だったのです。
コーヒーにはカフェインばかりではなく、さまざまな成分が入っていますので、そうしたものが複雑に影響し合っている可能性があるのでしょう。さらに研究は必要のようです。そんなコーヒーの効果も参考に、カフェタイムを楽しむとよいかもしれません。
<参考文献>
コーヒー図書館. “カフェイン” 全日本コーヒー協会.
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/library/caffeine
JAMA Dermatol. 2018 Dec 1;154(12):1394-1400. doi: 10.1001/jamadermatol.2018.3301.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30347034