普段使っているコスメを変えたときに肌荒れしてしまった、そんな経験はありませんか? 一時的なものだろうとそのままガマンをし続けるべきなのか、見極めるのはなかなか難しいもの。今回は新しいスキンケアが肌に合う、合わないを正しく見極める方法をかずのすけ先生にお教えいただきます。
Contents 目次
化粧品を肌に乗せたときに“ピリピリ”したら疑って
——新しい化粧品を使ったときに肌に刺激を感じることがあります。肌に合っていないのでしょうか?
「肌の感じる刺激にはいろいろな要因がありますが、一般には化粧品を替えてすぐにかゆみや刺激を感じたら、配合されている成分が肌に合わない可能性が大きいと考えたほうがいいです。ただ、化粧品成分の中には成分の特性として使い始めに多少の刺激を感じやすいものがあります。例えばビタミンC(L-アスコルビン酸)や、ビタミンA(レチノール)、それらの誘導体など。人によっては肌状態によって刺激を感じるものの、しばらくすると感じなくなるケースもあると聞きます。これを『好転反応』と表現する人もいますが、あくまで一部の例です。1週間程度継続してもピリピリが続くものはやはり合わないということなので使用は控えたほうがいいです。明らかに肌荒れするものはもちろん即使用中止です」(かずのすけ先生)
——化粧品との相性について、肌の調子などで具体的な見極め方はありますか?
「これは大きく3つのパターンがあります。まず、『使って“すぐ”に、赤みを伴うかゆみや明らかな痛みがあるとき』。この場合、先ほどもお話しましたが、成分が合っていない可能性が非常に高いので基本的には使用を控えてください。次に『小さなニキビが1~2個できたとき』。これは、これまでのスキンケアとの多少の差異によって発生したものの可能性があるので、そのままのケアで様子を見てみましょう。落ち着く場合はそのままでOK。悪化するようであればケアを見直してください。最後に『ニキビが大量、あるいは痛みや膿があるものが多発するとき』。これは成分が合っていないケースもありますし、それまでのケアとの差が激しすぎることが考えられます。とにかくまずはスキンケアを以前のものに戻して改善するのを待ち、落ち着いたら再トライしてください」(かずのすけ先生)
——基礎化粧品を新しいラインに替えるときのポイントを教えてください
「まず、1番よくないのは『クレンジングや洗顔、化粧水や美容液などすべての化粧品を一気に変更すること』です。肌というのはつねに一定の状態を保とうとする『恒常性』という特性があるのですが、このようにスキンケアを一気替えすると肌環境が大きく変化して、肌の恒常性が乱れて突発的に大きな肌荒れが起こるリスクが高まります。多少の差であればじょじょに慣れて落ち着きますが、大きな差になるほど肌荒れが酷く、長期化しやすいです。
これを回避するためには、『スキンケアの変更の際には必ず1品ずつ、1週間ほどの期間を空けてじょじょに新しいものを試しながら肌を慣らしていく』という方法がおすすめです。一品ずつであれば肌に刺激があったり肌荒れするものの原因を探るのも簡単ですし、もし合わなかった場合でもすぐに元のケアに切り替えて様子を見ることもできます。こうすることで安全に新しいアイテムに移行することが可能です。
また、肌との相性で『小さなニキビが1~2個できたとき』で悪化してしまったときや、『ニキビが大量、あるいは痛みや膿があるものが多発するとき』で再チャレンジするのも、この方法で行うのがよいでしょう」
美肌の条件は化粧品と肌との相性
——かずのすけ先生は化粧品のプロデュースもされていらっしゃいますよね。このコンセプトを教えてください。
「2014年からプロデュースを始めました。アトピー肌質や敏感肌に対応した『CeraLabo(セララボ)』というブランドで、現在までにセラミド保湿の『CeraCure(セラキュア)』、低刺激洗浄システムの『CeraVeil(セラヴェール)』などスキンケア・ヘアケア・ベースメイク等の化粧品を多数開発しています。
僕の肌は、今でこそ落ち着いていますが、長い間、アトピーに悩まされてきました。そんな僕と同じような肌悩みを抱える人たちや、僕自身が安心して使える化粧品を作りたかったのです。アトピー肌って、使える化粧品が本当に少ないんです。例えばドラッグストアで売られているものは基本的ほぼ全て肌に合いません。一般的に低価格で製品化されるものだとどうしてもアトピー肌質には刺激が強すぎることが多いのです。もちろん市場を探せば使用できるものもあるのですが、それでも100%僕のし好に沿っているか?というとそうとも言えないものが多いため、チャンスに恵まれたこともあり現在では自分で欲しいものを自分で作り、また読者様の要望を汲んだまったく新しいオリジナル化粧品も企画開発しています。
ただし、これらの製品はあくまでも僕の考えを基にして、さらに僕の肌に合っていることが製品化の最低基準です。肌質は人それぞれですので、僕とは全然違う肌質であれば、他の化粧品がよいと感じられる人も当然いらっしゃるはずです。僕がプロデュースしているからといって万人に合う化粧品というわけではありません。ここは必ず注意して欲しいと思います。
つまるところ、化粧品は肌との相性がすべてなのです。くり返しになりますが、肌にやさしいスキンケアを心がけながら、日焼け予防をしっかりすること。美肌へと導かせるのは、これに尽きるだろうと考えています」(かずのすけ先生)
『秒でわかる! 最強の家事 – 暮らしは、化学でラクになる!』(ワニブックス)
取材・文/渡部玲