サウナ好きな人は、「サウナー」などと呼ばれることもありますが、サウナでリフレッシュするという人も多いことでしょう。サウナが健康によいのかは気になるところです。ドイツからの研究報告によると、心拍数が上がり、中くらいの強度の運動と同じくらいの変化が見られるといいます。体への負担も考えつつ、正しく利用するのがよさそうです。
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健康によいと注目されているサウナ
サウナが健康にとってどんな効果があるのかをめぐっては、2015年にフィンランドの研究グループが、サウナに入る習慣のある人は、病気が少なく、早くに亡くなるリスクも低いと報告して大きな注目を集めたことがありました。
ただ、高温のサウナを利用するときには注意も必要です。このたび研究を報告しているドイツ、マルティン・ルター大学などのグループによると、サウナに入ると血圧を下げてしまうため、心臓の弱い人など低血圧の人はサウナを避けるよう言われてきたと説明しています。というのも、熱によって血管が広がるため、血圧の低い人や心臓や血管の病気がある人では血圧が下がりすぎてしまい、失神する恐れがあるためです。
とはいえ、研究グループによると、実際にサウナに入っている短時間での影響やサウナを出た後に休んでいるときの体の変化を調べた研究は少なかったそうです。
そこで、研究グループは、健康な成人のボランティア19人(平均年齢46歳、女性7人)を対象として、サウナ(93℃、湿度13%)に25分間入ってもらい、入る前と出た後30分間の血圧と心拍数を測る研究に取り組みました。参加者には別にエアロバイクで短い運動してもらい、血圧と心拍数を測り、サウナに入ったときと比較しています。
サウナの直後こそ気をつける
わかったのは、サウナを出てからの血圧の低下が問題になりそうだということ。血圧と心拍数は、サウナに入るとすぐに上がり始めて、上昇が続きました。しかし、サウナから出るとどちらも下がり始め、サウナに入る前の測定値よりも低くなっていたのです。
また、エアロバイクで軽く運動してもらい、そのときと比べたところ、サウナによる血圧と心拍数の上昇レベルは同じ程度でした。
研究グループはこうした結果から、サウナを出た後の血圧低下があることから、「低血圧の人はサウナの後に要注意」と指摘します。またサウナに入ると、体には軽い運動と同じような変化はあるものの、ダイエットにはつながらないとも。カロリーが消費されて体重が減るようなことはないようです。「発汗があるので、サウナの後の水分補給は忘れずに」と研究グループはつけ加えます。
当然ではありますが、体の変化にも気をつけて、適切にサウナを利用するのが大切です。
<参考文献>
JAMA Intern Med. 2015 Apr;175(4):542-8. doi: 10.1001/jamainternmed.2014.8187.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25705824
Sweating for science: A sauna session is just as exhausting as moderate exercise
https://pressemitteilungen.pr.uni-halle.de/index.php?modus=pmanzeige&pm_id=3102
Complement Ther Med. 2019 Jun;44:218-222. doi: 10.1016/j.ctim.2019.05.002. Epub 2019 May 2.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31126559