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CATEGORY : ビューティ |スキンケア

女医が教える! やってはいけない美容法

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化粧品とサプリメントの集合

『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)を出版した、銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生。「クレンジングマッサージでキメ崩壊」「まつエクで眼瞼下垂悪化」など、医学的に根拠のない美容法に対して、軽妙な語り口で誤りを正しています。この本で伝えたかったことを慶田先生に伺いました。その背景にある自身の肌の悩みについても率直に話してくれました。

監修 : 慶田 朋子 (医学博士)

医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。銀座ケイスキンクリニック院長。
東京女子医科大学医学部卒業。最新医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ「切らないハッピーリバースエイジング?」を叶える。豊富な知識とわかりやすい説明でTV、雑誌、WEBなど多方面で活躍中。最新刊『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)がある。https://www.ks-skin.com/

Contents 目次

努力をいとわない人ほど、誤った情報で肌を傷めている

肌をさわる女性

―慶田先生の『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)が好評です。今、なぜ、この本を書こうと思ったのでしょうか。その動機とは?

現代の女性は、仕事もプライベートも忙しく過ごしています。その中で、間違った美容法を試して、効果が出ないばかりか、ダメージを受けている姿を見ると、とても残念な気持ちになります。たとえば、コロコロ転がすタイプのマッサージ器は、やりすぎると、逆にたるみを引き起こします。おもちゃ感覚で使って、すぐに飽きてしまう人はさほど問題にはなりませんが、まじめに毎日努力して使う人ほど、悪影響が出てしまう。それは気の毒ですよね。

今は、情報があふれすぎて、捨てる作業がとても大変。その中で、「これは信じられる」という情報を拾えるようになることは、とても大切です。毛穴を気にしてクリニックに来られる方も多いですが、ほとんどの方が“ふつう”の範疇です。雑誌やネットに掲載されているタレントさんの写真は、肌をきれいにみせる加工が施されているものです。“毛穴がまったく見えない”というあり得ない理想を目指すことも、不要なスキンケアに手を出す一因になります。多くの女性に「正しい情報を伝えたい」という思いを込めて、今回は思い切って、スパスパ切らせてもらいました(笑)。

―慶田先生が重視するスキンケアは、「洗顔・保湿・紫外線対策」の3つ。それ以外は「余計なもの」と考えています。

美容への意識が高ければ高いほど、肌にいいと言われることをやりたくなってしまうものですが、化粧品は角層のケアがメインで、肌深部には届かないものです。私は、スキンケアについては、「洗顔・保湿・紫外線対策」の3つが大事だと考えています。信頼できるメーカーのクレンジング剤や洗顔料を使い、メイクや汚れをやさしく洗い流す。その後にきちんと乳液やクリーム、美容液できちんと保湿。そして、日中は日焼け止めを使う。忙しい中、それ以上のことをする時間があるなら、早く寝て、1分でも長く良質な睡眠をとったほうが、美肌効果がありますよね。

―慶田先生が行っているスキンケアは? というと―――
朝は、『アクセーヌ』の“リセットウォッシュ”か、『持田ヘルスケア』の酵素配合洗顔料の“コラージュ洗顔パウダー”のどちらかを使い、サーッとぬぐうように短時間で洗います。その後に、保湿をして、メイクをします。夜にメイクを落とすときは、オイルクレンジングのみ。ダブル洗顔はしません。ターンオーバーを高め、メラニン合成を抑制する“ルミキシルクリーム” (クリニック専用品)で美白し、院内製剤の“セラミドバリアクリーム”をたっぷり塗って保湿します。毛穴対策には、一か月に一度、クリニックの施術で、ケミカルピーリングやアクアフェイシャルを受け、ターンオーバーを整える純粋レチノール配合の“ナノメッドVA” (クリニック専用品)も使っています。紫外線対策には、SPF50の日焼け止めを使う一方で、年間を通して、紫外線の影響を抑えるサプリメントの『ヘリオケア』と『ソルプロ プリュス ホワイト』を服用しています。リゾート地へ行ったり、子供の行事で日中を屋外で過ごすときは、多めに服用するようにしています。

アトピー性皮膚炎で、肌にはとても気を使っている

手のひらのクリームを指でとろうとする

―もともとアトピー性皮膚炎。トラブルも起こりやすいといいます。それだけに、「余計なことをして肌トラブルを起こし、改善するまでの時間がとても惜しい」と感じるそうです。

皮膚科医の根性でコントロールしているので、ほとんどの方が気付きませんが、もともとアトピー性皮膚炎患者です。バリア障害があるため、着るものさえ刺激になり、ふつうの人の10倍ぐらい肌には気をつけなければなりません。この15年ぐらいは日焼けもしないように、徹底的に紫外線からガードしています。アトピー肌は、炎症を起こさないように、ただ無事に過ごすだけでも大変なのです。たとえば、市販のローションパックを使ったら、防腐剤が浸透しやすいため、かぶれを起こします。合わない化粧品を使って、肌が荒れてしまうと、1週間も棒に振ってしまうのは、もどかしいんですよね。

バリア力が低い人は、肌ケアで攻めすぎたり、刺激になることをすると、炎症を起こしやすいものです。炎症は細胞を傷つけることなので、肌老化は早まります。一方で、海外旅行のお土産でもらった化粧品を使っても大丈夫、メイクをしたまま寝てしまっても肌が荒れないという、うらやましいほど肌の丈夫な人もいます。けれど、漫然と間違ったケアを続けていると、肌を痛めつけることになり、やはり老化は早まってしまいます。

―最後に、美肌を目指したいという女性たちへのメッセージをお願いします。

肌ケアにおいて、楽しみながら行うというのも大事な要素です。香りのいい化粧品にはリラックス効果があり、マッサージにも癒し効果があります。さまざまなスキンケア法を否定するつもりはありません。プラスアルファの肌ケアがメリットになるように、ほどほどに行うことが大切だと思います。
30~40代の女性であれば、これまでトライ&エラーで、自分に合うもの、合わないものは、ある程度わかっていると思います。合わなかったものはあきらめて、自分に合うスキンケアを選んで、自分史上最高の状態を目標にしましょう。

参考書籍
『女医が教える、やってはいけない美容法』(小学館)

書影

取材・文/海老根祐子

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