夏はムダ毛が気になる季節。そもそもムダ毛は抜いたほうがいいのか、剃ったほうがいいのか、悩む人も多いかもしれません。『女医が教える、やってはいけない美容法33』の著書を持つ皮膚科医で銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生に、間違いムダ毛ケア、肌を傷めないムダ毛ケアについてうかがいました。
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ワックスや毛抜きの脱毛は、炎症に注意
脚や腕、わきの下などのムダ毛。みなさんはどう処理していますか。抜く派? それとも剃る派? それぞれにメリット、デメリットがあります。
■脱毛
毛抜きなどで抜いた場合、毛根から抜けるため、次の毛が生えてくるまでに時間がかかるので、剃るよりも、お手入れに手間がかからないというメリットがあります。しかし、リスクもあります。
「毛根から抜けることで、神経や毛細血管が集中する毛乳頭が引きちぎられ、出血や炎症を起こすことがあります。傷ついた部分は角層が厚くなるため、毛穴がふさがり、次に生えてくる毛が皮膚の内側でとぐろを巻く“埋没毛”になることも。
また、炎症がひどくなると、毛嚢炎(もうのうえん)を起こすことがあるので要注意です。毛穴で菌が繁殖することで、膿がたまり、白いニキビのように見えます。軽度なら、痛みもなく、清潔を保てば1週間程度でよくなります。しかし、毛穴の奥深くで炎症が起こると、痛みやかゆみを伴い、痕が残ることもあります」(慶田先生)
最近では、デリケートゾーンのムダ毛対策で、温めたワックスを毛の部分に塗り、固まったところで毛と一緒に一気にはがすブラジリアンワックスも人気ですが、やはり毛嚢炎などのリスクがあります。
セルフケアならカミソリで剃るほうがベター
「自分で処理するなら、カミソリで剃るほうが、抜くよりもダメージは少ない」と慶田先生は言います。
■カミソリで剃る
カミソリで剃るデメリットは角層も一緒に剃ってしまうこと。できるだけ肌にやさしい方法で行うことが大切です。
カミソリで毛を剃るときの注意点は、次のとおりです。
〇カミソリは4枚刃以上を使う
「刃の面が広く、肌にあたる圧力が分散されます。また、一度で多く剃れるため、刃をすべらせる回数を減らせます」(慶田先生)
〇カミソリの刃はこまめに新しいものに交換
「切れ味が落ちた刃を使うと、すべらせる回数が増え、角層もよりダメージを受けてしまいます。両わきで2~3回剃ったら、交換しましょう」(慶田先生)
〇専用のジェルをつけて。ソープは使わない
「角層へのダメージを最小限に抑えるには、専用のジェルを使います。石けんはNGです。剃ったあとのダメージを受けた角層に、石けんに含まれる界面活性剤が刺激となり、カミソリ負けの原因に。毛穴がポツポツと赤くなることがあります」(慶田先生)
〇毛の流れに沿って、上から下へ剃る
「脚の場合、長い距離一気に剃ろうとすると、長い毛がからまり、剃りにくくなります。短い距離を剃ったら、洗うことをくり返します。また、処理する部位を軽く洗い、温めてから剃ったほうが肌へのダメージが少なくなります」(慶田先生)
〇剃り終わったらクールダウン
「剃り終わったら、ぬるま湯でよく洗い流し、水気をふき取ります。その後、冷たいタオルなどで傷ついた角層を冷たいタオルなどで冷やして、クールダウン。ワセリンなどを塗っておきます」(慶田先生)
脱毛をプロに任せたいという場合は、レーザー脱毛という手もあります。5回の照射で毛量が1/5程度になり、毛が細くなるので処理が楽になります。レーザー脱毛は医療行為なので、美容皮膚科などの医療機関に相談しましょう。
取材・文/海老根祐子
もっとくわしく先生の美容法が知りたい人はこちら
『女医が教える、やってはいけない美容法』(小学館)