かつての、のんびりしたイメージから一変。洗練された街並みに、高級レストランやホテル、高層ビルが多く立ち並ぶオーストラリアの最大都市シドニー。オーストラリア都市部では、物価や不動産の急激な上昇とともに女性の、"高度美容成長" が起っています。さて、彼女たちのビューティライフとは? 最新事情を紹介します。
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25年で劇的に変化した都市部の女性
私がオーストラリアのシドニーに住み始めた25年前、その当時街中でみかける女性は、体格の立派な人も多く、ファッションにはどちらかと言うと無頓着。ブランドのバッグを持っている人などまったく見かけませんでした。もちろん街中にハイブランドのお店はありましたが、あくまで海外からの旅行者用といった印象。
いつでもどこでもチップス(ポテトフライ)をつまんでいるのがお決まりのオージースタイル。そう、オーストラリアは世界第5位の肥満大国なのです。国レベルでの肥満対策にとり組んでいますが、なかなか結果を出せていないのが現状です。
相変わらず、立派な体格の人は多いのですが、この20年で大きく変化したのはシドニーなどの都市部でみかける女性です。シェイプされた体に、センスのある服をまとい、ハイブランドのバッグを持って颯爽と歩くオージー美女が増えてきたのです。
おそらく大きな要因は、物価の上昇に伴い賃金も大幅に上昇したこと。シドニーではアルバイトでも最低賃金が時給$16-17 (約1500円)と日本の約2倍です。人口の多い場所に住み、収入が高くなると、女性は自然と美しくなることへの欲求が高くなるのかもしれませんね。
空き時間はジムでボディをシェイプするのがオージースタイル
そんなオージー美女がキレイな体を維持するために行っている代表的なものがジム通い。 ジムの数はこの25年で劇的に増えました。日本の女性の様に、ジムでの運動の後ゆっくりお風呂に浸かる習慣はなく、ジムではとにかく体を動かして体型を整える、というのがオージースタイル。シドニーの街中では仕事前や後、ランチタイムにジムに足繁く通う多くの女性の姿を見かけます。
Fitness First(フィットネスファースト)という大手のジムがシドニー市内に多く点在しており、会員になればどの店舗でも使用可。マシーンだけでなく、ピラティス、ヨガ、ズンバ、ボディコンバットなどのクラスを、早朝、ランチタイム、アフター5に多く実施しています。
特に人気のボディコンバットは、格闘技の型をとり入れたエクササイズをアップテンポな曲に合わせて行うもの。カロリー消費大、ストレス解消にも効果的で多くのオージー美女が汗を流しています。
オージー美女のお気に入りはグルテンフリー
いまオーストラリアでは、グルテンフリー(GLUTEN FREE)食材がとても充実しています。グルテンとは、小麦などの穀物の胚乳から生成されるたんぱく質の一種。パン、シリアル、パスタ、調味料からお菓子まで、近所にある普通のスーパーでも、あらゆるグルテンフリーの食品が揃っています。
そして体型を気づかうオージー美女はグルテンフリー食材がお気に入り。特にアレルギーがあるという基準ではなく、グルテンフリー=太りにくい、ヘルシー という印象で選ばれているようです。
知っておきたい!オーストラリア豆知識
オーストラリアというと、やはりコアラやカンガルー、エアーズロック、またはおおらかな国民性、など思い浮かぶ方が多いかもしれませんね。中には、新婚旅行やワーキングホリデー、留学などで来られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
正式名称はオーストラリア連邦(Commonwealth of Australia)、6つの州と2つの特別自治区で成り立っています。国土面積は世界第6位で日本の約 21倍、しかし人口はたったの約1/6程度しかありません。ただ、オーストラリアの人口は、そのほとんどがシドニーやメルボルンなどの都市部に集中しているため、国土と人口の割に都市部の人口密度はかなり高めです。
人種は、イギリス、アイルランド系をはじめ、近年ではアジア人の移住が増えていて、多国籍文化を形成しています。そのお陰で各国の本格的な料理がフードコートなどでも簡単に味わえるのも魅力です。
文/山岡生香 (やまおか いくこ) 化粧品開発者 / i-Natural Beauty Sydney代表。1994年よりシドニー在住。医学博士・永田孝行氏に師事し、TN健康科学研究所にて人間の身体の機能について学ぶ。2004年、無添加化粧品アイホワイトを開発、オーストラリアと日本で販売を開始。
文/山岡生香