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原液美容液は肌にいいor悪い⁉︎ プラセンタにセラミド…皮膚科医に聞く「肌悩み別・使いたい美容成分」
コラーゲンやセラミドなど美肌成分を原液で用いる『原液美容液』。シンプルな処方なので、より高い働きが期待でき、肌トラブルも起こりにくいとされています。最近では多種多様な製品が発売され、お手頃価格のものも増えてきていますよね。自分に合う原液美容液の見つけ方とは? 皮膚科医の日比野佐和子先生におすすめのとり入れ方についてお話を伺いました。
Contents 目次
そもそも原液美容液とは?
美容医療の現場で美容成分は原液の状態で直接注射などで注入することが多く、これに似た原理で、より高濃度の美容成分で肌ケアをしていくのが原液美容。
「原液美容液は基本的に美容成分自体が希釈されていない状態のことを示し、原料メーカーが製造している美肌に役立つ成分そのままの状態の美容液を『原液美容液』と呼ぶべき。メリットとしては、少しの量をつけるだけで高い効果を得られる可能性が高いこと。また余分な成分を含まないため、肌に合わない成分のリスクを抑えられて、敏感肌の人にもおすすめできる場合が多いです」
ひと口に原液美容液といっても、じつは決まった定義はないのが現状。
メーカーによっては成分を少々多めに入れているものを「原液」と呼称していたりするので製品ごとの見極めが大切になってきます。
どんな成分が合ってる? 目的別の原液美容液
日比野先生のおすすめは、その日の肌状態に合わせた「使い分け」。
「肌のコンディションによって必要な成分は異なります。そのときのコンディションを改善するための成分を選んで、肌に届けられるのも原液美容液のよいところです」
原液美容液は純度の高い成分が、肌悩みに対してダイレクトにアプローチできる可能性があります。
では、今の肌の状態にはどのような成分が必要なのでしょうか。
【お悩み別 おすすめ「原液」】
1 『肌の透明感がほしい』という人は・・・プラセンタ
ビタミン、ミネラル、たんぱく質、核酸など、胎盤(プラセンタ)の栄養成分を人間の肌が恩恵を受けられるかたちに精製したものがプラセンタエキス。
「高い活性力を持つプラセンタを原液でとり入れることで、本来の輝きをサポートし、肌の透明感が期待できます。プラセンタは、どの動物由来かを確認して、万が一食べ物などでアレルギーのある動物があるならば、その動物由来ではないものを選ぶようにしてください」
2 『リフトアップしたい』という人は・・・プロテオグリカン
ヒアルロン酸と同等以上の保水力を持つのがプロテオグリカン。
「潤いが長時間継続するという実感を得る方も多く、お肌にハリと弾力を与えるリフトアップが期待できます」
3 『ハリ・弾力・潤いケアをしたい』という人には・・・コラーゲン
美肌をつくるコラーゲンは年齢とともに減少し、質も劣化してしまいます。
ハリや弾力、潤いケアにはコラーゲンを。
「コラーゲンは分子の大きいものだと皮膚に吸収されにくい場合も。皮膚への浸透性が高く、細胞の生理活性作用も高いとされるジペプチド・トリペプチドとよばれる小さい分子のコラーゲンと、潤いが肌から逃げるのを閉じ込める大きな分子のコラーゲンの両方が含まれているサメ軟骨由来のコラーゲン原液などがおすすめです」
4 『肌のキメが気になる』という人は・・・セラミド
肌を守るのにもっとも重要といわれる成分のひとつがセラミド。セラミドが不足する敏感肌になりやすくなります。
「セラミドは“使用したあとの変化を実感しやすい”という方が最も多い成分でもあります。セラミド原液をとり入れる場合は、ヒトのセラミドに近いバランスを持っているものを選ぶようにしましょう」
5 『年齢肌悩みをなんとかしたい』という人には・・・ヒト幹細胞培養エキス
積もり重なった年齢肌のサインには、肌を活性化するヒト幹細胞培養エキスを。
「ヒト幹細胞培養エキスは、ヒト由来の幹細胞を培養し、抽出することで作られます。 ヒト幹細胞が分泌したコラーゲンやヒアルロン酸など皮膚組織に欠かせないタンパク質や、成長因子(グロースファクター)、サイトカインなど生理活性物質が豊富に含まれています」
6 『お肌が弱りがち。敏感肌になってきた』という人は・・・LPS(リポポリサッカライド)
LPS は肌の免疫力を高めてくれる効果が期待できる成分。玄米や明日葉、ワカメやメカブといった食品からも摂取できます。
「お肌が疲れやすかったり、ダメージが出やすいという方におすすめで、お肌が弱っているときでもとり入れやすい原液のひとつです。 敏感肌の方にはアレルギー物質の少ない無農薬由来の成分を使用したものがおすすめです」
肌に合う美容成分が見つかれば、スキンケアの効果も上がっていくというもの。
様々な原液美容液があるので、試してみようという方はぜひ参考にしてくださいね。
文/庄司真紀