新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で太ってしまったと感じている人も多いはず。世界中で自宅生活が強いられて、運動もままならないままに、食べ過ぎてしまうという状況に陥ってしまったのですから仕方ないのかもしれません。海外の研究から、そうした「コロナ太り」の実態が分析されています。いったい健康への悪影響はどのように起きていたのでしょう。
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コロナ太りの実態は?
家での自粛生活と外出制限でライフスタイルは変化して運動をしないわりには、食べる量を減らせないという状況も出ていました。連日のコロナウイルスの報道によってストレスも増して、なおさら食欲を増進させた可能性も。お菓子に手が伸びて、糖質の沼に引きずり込まれたと後悔を感じる人もいるかもしれません。甘いものはストレスを軽くしてくれる面はありますが、過剰な摂取は問題です。病気も招きます。
イタリアの研究グループは、12歳以上のイタリア人を対象として、「コロナ禍」が食生活やライフスタイルにどのような影響を及ぼしていたのかをインターネット調査を実施しました。年齢や性別などの基本的な情報のほか、地中海式食など食事内容、1日当たりの食事回数などの食習慣、食品の買い物、喫煙、睡眠、運動情報などを調べたのです。
半数が体重増加
調査の結果としてわかったのは、半数の48.6%で体重が増えるという結果で、いわゆる「コロナ太り」が起きていることです。ただし、ライフスタイルの変化を見ると、よい点もあったようです。半数の人はライフスタイルを変えたと回答しており、改善したというのは16.7%、悪化したというのは37.2%でした。よかった点は喫煙習慣の減少や睡眠時間の増加を実感した人がいたこと。運動の頻度も増えたという人がいました。コロナ太りの背景は、食欲が減ったのが17.7%だったのに対して、食欲が増えたのが34.4%という結果に現れています。18~30歳の年代の人は地中海食をより多く食べる傾向が見られました。
新型コロナウイルス感染症の影響は、単純に生活が悪化して体重が増えたというばかりではないといえそうです。なかには健康的な生活習慣を増やした人もいるよう。こうした非常事態をきっかけとして生活をよりよくするのは発想の転換でもあります。また生活習慣が悪化して、体重が増えたという人はライフスタイル改善を心がけるといいでしょう。日本においても共通点がありそうなので、バランスのとれた食生活、睡眠、運動など、再チェックしてみるとよいかもしれません。
<参考文献>
Eating habits and lifestyle changes during COVID-19 lockdown: an Italian survey
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7278251/