長く続いた外出自粛の間にコロナ太りに悩まされている人も多いのではないでしょうか。巣ごもり生活による運動不足以外にも、一日中家にいるとついついお菓子に手が伸びてしまったり、慣れない生活スタイルへのストレスなどで暴飲暴食をしてしまったり。そのような食生活の乱れは、当然のことながら太る原因に。よいことはありません。
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18時と22時の夕食の脂肪代謝を比較
日本でBMIが25以上の肥満の人の割合は、男性で32.2%、女性で21.9%となっています。男性は30代以降で30%を超えている一方で、女性では年齢とともにこの比率が伸びていき50代に20%近くになります。なお、太り過ぎあるいは肥満症の人は、世界中で21億人にも上るといわれています。肥満になると、糖尿病や高血圧などの生活習慣病につながりやすくなり、その改善と予防は国際的にも大きな課題となっています。肥満につながる問題としてときどき問題になるのが、夜の食事です。
このたび米国ジョンズ・ホプキンズ大学医学部の研究グループはさらに踏み込んで、夜遅くに食事をすると、睡眠中の脂肪代謝が下がり、それが肥満につながるという仮説を立て検証しました。
研究グループは、健康な男女20人(男性10人、女性10人)を調査対象に、夕食を22時にとる場合と18時にとる場合の代謝反応を比較しました。調査対象者には活動量計をつけてもらい、全員23時に就寝してもらっています。脂肪の燃焼(酸化)率を測定するために、採血、睡眠検査や体脂肪率を測りました。
寝ている間の脂肪代謝に影響
するとわかったのは、夜遅くに夕食をとると肥満につながるような変化が起こりそうだということです。夜遅くに夕食をとる人は、早めにとる人に比べて、平均して血糖値のピークは18%高く、夜間に燃焼された脂肪量は10%低くなっていました。特に就寝時間が早めの人にみられ、また食事の内容がまったく同じでも同様の結果になることが明らかになりました。
研究グループによると、肥満症や糖尿病の人では、さらにこの差は大きくなる恐れもあるようです。夜遅くに夕食をとると、新陳代謝をコントロールするホルモンの働きが悪くなるといいます。コロナ太りを解消するには、あらためて生活習慣の乱れを見直してみるとよいかもしれません。
<参考文献>
People who eat a late dinner may gain weight
https://www.endocrine.org/news-and-advocacy/news-room/2020/people-who-eat-a-late-dinner-may-gain-weight