在宅時間が増え、運動不足のうえに年末年始の食べ過ぎで「太ってしまった…」という人も多いのでは? そういうときには内臓も酷使され疲弊しています。今回は、22万部を売り上げた『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)の実践編、医師・青木厚先生の『弱った体を修復する内臓リセット健康法』から、最新科学に基づいたプチ断食で内臓をリセットし、体重を元に戻す方法をご紹介していきましょう。
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プチ断食で得られる健康メリット
食べ過ぎや糖質のとり過ぎから健康や若さを守るシンプルな方法として医学界で注目されているのが、「ものを食べない時間(空腹の時間)をつくること」です。
近年の研究では断食をすることで体重や体脂肪の減少につながること、糖尿病やアルツハイマーなどの病気の予防に効果的であることがわかってきています。
なぜ断食でこうしたメリットが得られるのでしょうか。
「ものを食べない時間をつくり、胃腸や肝臓を休ませることができれば、内臓の機能が回復し、さまざまな不調を遠ざけることができます。また空腹の時間が長くなればなるほど脂肪が分解されていくのです。しかし、空腹の時間をつくることによる最大のメリットはやはり“オートファジー”にあります。オートファジーによって古くなった細胞が新しく生まれ変われば、体にとって不要なものや老廃物が一掃され、病気になりにくく若々しい体になるわけです」(青木先生)
オートファジーのオートは「自己」で、ファジーは「食べる」。単純にいえば、細胞が自分自身を食べ、新しく生まれ変わることです。
2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典東京工業大学栄誉教授の 「オートファジー研究」が発端となり、現在、世界中の研究者がこぞって「オートファジー」による人体への影響を研究しています。
もっとも効果的なのは「16時間のプチ断食」
「私はこれまで、間欠的断食に関するさまざまな論文を読み、また血糖値のコントロールに苦しんでいる糖尿病の患者さんたちの治療に当たってきました」と青木先生。
また自らもプチ断食を実践し、どうすれば「断食」や「空腹」の効果を最大限に享受できるかを考察、分析をくり返しました。
その結果たどり着いたのが「16時間のプチ断食」。
「断食といっても丸1日、もしくは何日も水だけで過ごすといったような過酷なものではありません。私がおすすめするプチ断食の方法は週1回、土、日のどちらかの朝食(または夕食)をカットする。それだけです。そして空腹の時間以外は好きなものを食べていただいて構いません」
たとえ週に1度でも睡眠時間に加えて何時間かものを食べない時間をつくれば、内臓を休める、脂肪を減らす、血液の状態を改善するといった効果に加え、オートファジーによって細胞が生まれ変わり、1週間に体に受けたさまざまなダメージをリセットできるといいます。
オートファジーを活性化させることで内臓をリセットし、余分な脂肪を減らすプチ断食。それほど難しくないので、何かと忙しい現代人にも簡単にとり入れられそうな気がしますね。プチ断食タイムには水(白湯)のみ。どうしても何か食べたくなったら、ナッツがいいそうです。
次回は、プチ断食と一緒に行うことでさらにオートファジーを活性化させる「科学的な運動法」についてお伝えします!
参考書籍
『がんを克服した糖尿病医が考案! 弱った体を修復する内臓リセット健康法』(アスコム)
文/庄司真紀