現代の欧米化された食生活はカロリーが高いのに低栄養ということがしばしば指摘されています。そのような食事ばかりだと、肥満はもちろん腸内環境の悪化によって心身のバランスが乱れ、免疫力の低下も免れません。そこで、医師の石原新菜先生が提案するのが、古来のパワーフード、米ぬかを使った食事法です。『腸スッキリ! 米ぬか毒だしダイエット』(アスコム)から、まずは米ぬかの健康メリットについて見ていきましょう。
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栄養素のかたまり「米ぬか」
田んぼで実った稲の実が「もみ」。もみの外皮を取り去って、玄米としたものから、さらに胚芽とぬか層と呼ばれる種皮を削り取ったものが、いわゆる白米です。この精米時に取り去ってしまう「米ぬか」は、玄米の健康パワーの核の部分でもあるのです。
「米ぬかはダイエット食材としてかなり優秀です。その理由は食物繊維の含有量が群を抜いて多いこと。食物繊維が多く含まれている食品としては、ごぼう、こんにゃく、おから、もち麦などがよく知られていますが、米ぬかはそれらと比べても食物繊維の含有量が多く、しかも水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含んでいます。それだけではなく、米ぬかならビタミン、ミネラル、ポリフェノールなども同時にとれるので、食べるだけで健康とダイエットが両立できるのです」と石原先生。
米ぬかに含まれる食物繊維は白米のおよそ45倍。玄米の7倍にもなります。
ほぼすべての栄養成分を含む完全食品
米ぬかには多様な栄養成分が含まれており、大きく分けて食物繊維、ビタミンB群やE、そしてミネラルがあり、含まれていないのはビタミンCだけといわれています。米ぬかに多く含まれる有効成分には下記のようなものがあります。
・フィチン酸……米ぬかなど穀類や豆類の外皮に多く含まれる成分です。強い抗酸化作用で、老化、生活習慣病予防効果があります。
・フェルラ酸……米ぬか特有のポリフェノールでγ-オリザノールから抽出されます。抗酸化作用が強く、紫外線による肌トラブル脳の機能改善にも効果的です。
・γ-オリザノール……米ぬかの脂質に含まれる特有の成分。強い抗酸化作用をもち、コレステロールの吸収を抑えます。血行を促す効果で、肩こりや眼精疲労の回復にも有効。
・イノシトール……穀物のぬかや豆類に豊富な水溶性ビタミンの一種で、 別名「抗脂肪肝ビタミン」。肝機能やコレステロール値の改善、血流を促進する効果があります。
・GABA……別名は「γ-アミノ酪酸」といい、脳や脊髄で働くアミノ酸。体内で神経伝達物質として働き、脳の興奮を抑えてリラックスさせ、ストレスを緩和させます。
・植物ステロール……植物の細胞膜を構成するフィトケミカルの一種。コレステロールが小腸から吸収されないように働き、心疾患や血行障害を改善します。
・オリザブラン……古くから漢方薬と知られていた米ぬかに含まれる水溶性の多糖類で、血糖値を下げる作用があります。保水力が高いため、肌の若返り効果もあります。
このように豊富な栄養が含まれる米ぬかは、ダイエット、便秘解消、免疫力アップ、自律神経の安定、美肌効果、貧血予防、薄毛予防などさまざまなメリットが挙げられます。
この米ぬかのパワーを現代に活かそうというのが、石原先生考案の「米ぬか毒だしダイエット」。それでは次回、「米ぬか毒だしダイエット」の方法を詳しくお伝えしていきましょう。
文/庄司真紀
参考書籍
『腸スッキリ! 米ぬか毒だしダイエット』(アスコム)